眠れる美女 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2024年8月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784101002507

作品紹介・あらすじ

「女の子を起こそうとなさらないで下さいませよ。どんなに起こそうとなさっても、決して目をさましませんから……」老いを感じ始めた六十七歳の江口が通された部屋には、深紅のビロードのカーテンがかかり、布団の中では、若く美しい娘が裸のまま眠っていた。江口が娘に触れ、布団に入ろうとすると――。三島由紀夫が「デカダンス文学の逸品」と激賞した表題作。「片腕」「散りぬるを」を併録。

みんなの感想まとめ

独特な世界観と美しい描写に引き込まれる三編から成る作品は、特に「眠れる美女」が印象的です。老いた主人公が若い娘に触れることで生まれる緊張感や、過去の記憶が現在に重なる構成は、読者に深い思索を促します。...

感想・レビュー・書評

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  • 「眠れる美女」「片腕」「散りぬるを」を収めた三編。
    眠れる美女は、独特な世界観に最初は驚きつつも、美しい文章と描写に引き込まれて一気読みでした。
    現在の出来事に、主人公の過去の記憶や感覚が自然に重なっていく構成がとても印象的で、説明しすぎない文章だからこそ、想像しながら読む感覚も心地よく、切なさも残る作品でした。
    巻末の三島由紀夫の解説も興味深かったです。

  • クソジ…いや江口老人への嫌悪感が凄まじくて集中できない。素直に女の子たちを愛でればいいじゃないか。自分は違う、他を老人どもと蔑む…何なんだこいつは。
    女の子たちの描写がそりゃあもうすごくてドキドキする。

    片腕、びっくりした。いきなり何!?となる。官能的〜。
    散りぬるを、ちょっと何言ってるのか分からない。

  • 自分の好きな人たちがだいたいこの作品のことを話しているので、いつかちゃんと読みたいなと思っていました。
    女の体についての細かい描写や、何気ないところにこんな表現をするんだという発見、性について書いていてもこんなに暗い印象になるんだと思うとおもしろかった。
    死から生を受けている物語3遍で少し怖かった。

  • 小説なので何を書いても良いとはいえ、3篇のどれもなかなかに背徳的で反社会的な要素に満ちている。
    「眠れる美女」は情景を想像すると絵面の気持ち悪さが先に立ち、細かな描写が入ってこない。「片腕」にも共通するが、あまり抑揚のない話であり、どこで終わっても良さそうなのに結末だけが突出しているようにみえてしまう。
    「散りぬるを」は事件に題材を借りたフィクションなのだが、被害者が実在する以上、今だと何かと物議を醸すことになりそうだ。「狂気による犯罪のほうが正気の犯罪よりも悪である」等の認識は通常の法理を突き抜けているが、今もこうした理由のよくわからない事件は度々起り、真実や動機も結局は裁判の作文の中で片付けられてしまうことに対して、小説家として別の立場を示したのだろうか。

  • 「老人」と「眠っている年若い美女」という断片的な情報のみで興味を惹かれて読み始めたが、話の設定は当初の想像を超えていた。
    まず、「眠っている」のは強い薬で「眠らされている」からだったし、その美女は何も身につけていなくて、老人は同じ布団で眠ることができるという「サービス」だった。
    老いにより男として不能となった老人たちは、娘に危害を加えない「安心できるお客さま」だからこそ成り立つサービスというが、そう見くびられては困ると内心憤る主人公という構図の面白さに恐れ入った。
    老いのみにくさと対照的な娘たちの艶かしさを描写する川端康成の技術に感嘆しっぱなしだった。

  • きしょくてとても好き。まるで隣で寝ているかのように、ぬくもりを感じる緻密な美女の描写が美しかった。一人目の美女が好き。読後も体がこんな雰囲気のお耽美キショ文学を求めている。どうしてくれるんだ

  • 世界観がかなり好み

  • 川端康成の作品本当に数十年ぶりに
    読んだ
    3編のうち 眠れる美女は不思議に
    すっと入り込めた
    片腕はついていけない
    散リぬるをは何だか理解しにくかった

    川端文学は美しい日本の文化 人情
    所作 感情など随所に感じられる
    と言うが
    この年になってやっと
    分かると言う感じ
    これから少し読んてみようという気になった

  • 『散るぬるを』
    小説は虚構である、を証明しているのが一要素に含まれると思ったが、自明すぎてその証明など考えたこともなく、またどう証明するかもパッと浮かばないため、現時点の自分では理解に及ばないのが悔しい。小説、推し広げてあらゆる思索や表現が虚構かどうか疑うようになった時に2周目をしようと思う。

  • 老人が薬で眠らされた裸の若い娘と添い寝できる秘密の宿。会員となった主人公は娘に添い寝しながら、過去の女や自分の娘、母を回想する。危うい設定を様式美すら感じさせる文学作品へと昇華させているのはさすがという他ない。最後に主人公にちょっとした罰も与えている。

  • いやああのう川端せんせいとは気が合わないということが分かった。

    あんなへんたい文章を読ませてしまうのは流石です。

  • おジイの少女に魅了されていく描写が、程よく気持ち悪くて良かった。
    止めたけど、寝てるところに致そうとしてた場面が印象的。
    ラストはおジイが亡くなるのかな?なんて思ってたら、いい意味で裏切られた。
    夢の終わりは儚い。

    物語としては、片腕が凄く好きだった。
    あの幻想的な雰囲気が心地良き。

  • 2026/03/02 読了。恥ずかしながら川端康成初めてかも…?
    根本的に死生観が合わないなと思いつつ、権威ある日本文学を読むというのは必要な嗜みだなと認識した。メタファーとか時系列のシャッフルなど巧みさは分かるんだけど、好みではなかったかな。※所々wowというフレーズはあったので読めて良かったとは思う

  • 眠れる美女、片腕、散りぬるをの三編を収録。
    眠れる美女は、感情を持たない異性、そしてコミュニケーションを断たれた関係という奇妙な設定によって、人間の奥底に眠る感情を強くノックされるような物語だった。
    片腕は、正直なところ、少し理解の及ばない世界だった。
    それでも不思議と読む手が止まることはなく、苦もなくページを捲ることができた。よほど自分は川端作品と相性が良いのだろう、と改めて思わされた一冊。

  • ねっとりとした文体。

  • 匂いまで伝わりそうな 衝撃的な作品

    これは ずっと語り継がれる 小説だと
    思った エロスが伝わる素晴らしい文体!

  • 913.6-カ

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    眠れる美女 新版 https://fclib.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=3022506

  • ダヴィンチで官能的な小説と紹介されていたので。川端康成って、こんな世界観の書くんですね。

  • 「眠れる美女」眠り決して起きることのないきむすめと、一緒に寝る老人。
    「片腕」
    一晩、女の片腕を借りて家に持ち帰った男。
    「散りぬるを」
    いたずら心から始まった殺人事件と、それを描く小説家。

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著者プロフィール

一八九九(明治三十二)年、大阪生まれ。幼くして父母を失い、十五歳で祖父も失って孤児となり、叔父に引き取られる。東京帝国大学国文学科卒業。東大在学中に同人誌「新思潮」の第六次を発刊し、菊池寛らの好評を得て文壇に登場する。一九二六(大正十五・昭和元)年に発表した『伊豆の踊子』以来、昭和文壇の第一人者として『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』などを発表。六八(昭和四十三)年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。七二(昭和四十七)年四月、自殺。

「2022年 『川端康成異相短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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