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本 ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784101004266
作品紹介・あらすじ
古今亭志ん生──破天荒な生き方と天衣無縫な芸が今なお愛され続ける“昭和の名人”。酒の逸話は数知れず。酔っぱらって高座にあがり、そのまま寝てしまったこともある。ずっとそばにいた愛娘が語る“お父さん”の食にまつわる思い出。納豆、お豆腐、マグロにお蕎麦。親子丼に桜鍋。最後の会話はやっぱりお酒のことだった……。江戸のにおいと、ふだん着でくつろぐ“落語の神様”がいる風景。
感想・レビュー・書評
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R3.2.17 読了。
表紙の志ん生さんご夫婦の笑顔がとても穏やかで懐かしい気持ちにさせてくれる。本の中のモノクロの家族写真も一家団欒の様子が見られ楽しそうであり、まさにその瞬間の時間を切り抜いたよう。
志ん生の食卓というように、志ん生さんが好んで食べた納豆や奴豆腐、マグロの中トロとアナゴの志ん生特製ちらし寿司やマグロのお茶漬けのまぐ茶などなど挿絵付きで紹介されており、思わず食べたくなってしまうほど。
また、巻末の古今亭志ん生さんの落語「替り目」も志ん生夫妻の姿が重なって見えるようでとても良かった。
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巻末の「替り目」、
笑えて、泣ける。
そして、笑える。
落語っていいなぁ。
志ん生師匠の高座で
見たくなりますな。
生で見られたらね。
最高だろうね。
著者の江戸っ子口調の文体にほっこり。
面と向かって話しかけられてるような。 -
納豆におろしを入れるのが好きだった
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志ん生の好きだった食べ物、食べ方のことを語りながら、志ん生の佇まいや、一家を支えたおりんさんの苦労、一家の暮らしぶりが鮮やかに見えてくるかのようだった。
おねえちゃん、こと美津子さんの語りっぷりもいい。
戦時中の食糧難も、うちはずっと食うや食わずだったから、それほどでもなかった、芋ばかりでも、自分は好きだったからそれでもよかった。
これは普通の人に言えることではない。
何というしなやかな強さだろう。
本書が編まれたとき、既に志ん生夫妻はもちろん、妹も馬生、志ん朝の弟二人も亡くなっていたそうだ。
それでもしゃんと生きている美津子さんって、かっこいいなあ。 -
鏡餅が真空パックじゃなかった時代を知ってるから、かびないように水につけてたなんてところは懐かしかった。
志ん生の語り口はあまりよく覚えてないけど、美津子さんの文章から生きのいい江戸弁がが聞こえてくるようだった。 -
写真がとってもよい。味噌豆気になる。
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お金やグルメという切り口ではない志ん生一家の幸福な時間が垣間見える。
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「最期の会話はお酒のことでした。」納豆、豆腐、マグロに菊正。愛娘が語る”落語の神様”の酒と食の思い出。
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質素の中にも味わい深い食べものと人間模様。貧しさを貧しさと感じさせない愛情たっぷりな家庭であることが窺える。カラーのレシピもありがたい。順番に試してみよう。
著者プロフィール
美濃部美津子の作品






そういえば、昔、神保町(東京の)に、あれは居酒屋になるのかな? 昼食と食べにしか行ったことがないからその辺はわから...
そういえば、昔、神保町(東京の)に、あれは居酒屋になるのかな? 昼食と食べにしか行ったことがないからその辺はわからないんですけど、いつもお爺さん一人がいる店があったんですけど。
そのお爺さんが、逆に最近はほとんど聞かなくなった東京弁で「やっこ?」とか注文を聞き返してたのを思い出しました。
そういえば、外見は志ん生をうんと痩せさせたようなお爺さんでした。