- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101004525
作品紹介・あらすじ
本能寺の変の真相を探れ──。特命をうけた甲賀忍びの伊兵衛は、美貌のくノ一於夕や千蔵らと探索を開始した。他の忍びの妨害をかわし疑わしい人物を洗っていく。近衛前久、勧修寺晴豊、神主の吉田兼和、御所、そして伴天連の筋。愛宕山の連歌の謎や奇妙な日記が意味することは何か。京都と丹後宮津、浜松をつなぐ点と線、非情なる密約の構図とは。歴史の闇に大胆に挑み新説を提示する傑作。
感想・レビュー・書評
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本能寺の変の真相を探る忍びの物語。
多くは書きませんが、忍び目線のミステリー時代小説の様な1冊。
評価は3か4か迷いましたがこちらにしました。
自分でもフィクションを楽しめとは思うもののどうしてもなんですが昔から<戦国武将より忍者の方が圧倒的に強い>というのが好きではない。
だったら忍びの里は天下を取れる筈だし、武家に従う必要もない筈で忍者だけが使える忍術など意味がわからない。
このような凝り固まった個人的な意見(自分としては正しい)がある自分でもまだ今作は楽しめました。
本当の忍びとはどのような者だったのかと時々考えるが永遠の謎であるかもしれない。
本能寺の変の真実も同じ様に永遠の謎の方がいいのかもしれない。
2021/12詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時代モノであるのだが、何処となく現代の「事件の謎を追う…」という警察系、探偵系の内容の要素も在り、他方で忍者が闘うアクションという要素も在ると思う。
<本能寺の変>という事件は、時代モノの作家の創造の翼を大いに羽ばたかせてくれるような、様々な要素や謎が多い事件であると思う。
本作は、織田信長の遺児ということになる、羽柴秀吉によって後継者レースから弾き出されるような感になってしまった織田信孝に仕えている忍者達が主人公だ。
織田信孝の配下で多羅尾伊兵衛という、甲賀者が率いる忍者達が活動していた。伊兵衛は多羅尾家の嫡流ではないのだが、方々の大名家で活動する忍者達を送り出す多羅尾家の者として組を率いて織田信孝の下で活動していた。
織田信孝は惟任光秀(作中では明智光秀を寧ろ「惟任日向守」という呼び方で呼ぶ場面が殆どだ…)を討つ場面で名目的な大将となったが、振り返る程に羽柴秀吉の「大返し」に不審なモノを感じてしまう。「実は光秀が信長を討つことを秀吉が承知していて、即座に光秀を攻撃…<本能寺の変>の真の首謀者は光秀ではない?実は秀吉も含む何者か??」という疑念を抱く織田信孝は、配下の忍びである多羅尾伊兵衛にその辺りを探るように命じたのだ。
伊兵衛は配下の忍者達を集めて、雇い主である織田信孝の指示、その想いを伝える。そして<本能寺の変>を巡る事象を忍者達は話し合う…この話し合い…警察系の小説に出て来る「捜査本部の会議」を想起させるような様相だ。首謀者不明の<本能寺の変>という事件に関して、各々が刑事や探偵のような感を有する忍者達が、聞き及ぶ様々な話しから「筋書」を解こうとするのである。
そして伊兵衛と配下の忍者達は、京都市中の集結地点から各地へ散る。惟任日向守の企てを予め知る可能性が少しでも在った人物達に次々と探りを入れる。そうした活動に対し、妨害も発生し、それにも対応しなければならない。
伊兵衛達が突き当たる「事の真相」とは如何様なものか?色々と書き残されている史料をも意識しながら解き明かそうとする真相はなかなかに興味深い。そして、どちらかと言えば弱小勢力ながら、必死に役目となった探索を遂行する伊兵衛率いる一党の奮戦振りが面白い。
愉しい作品に出会えた! -
本能寺の変を軸に話が進みます。
歴史をなぞりつつ、戦闘シーンや登場する忍者が少なく、少し物足りない感じがしました。 -
まさかまさかの展開で面白かった。まだまだ、謎の多い本能寺の変。歴史の真実が明らかになる時、私は、「あぁ、やっぱり」と思うのか、それともがっかりするのか、その時を楽しみに待ちたいと思う。