刺青・秘密 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3466
レビュー : 331
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005034

感想・レビュー・書評

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  • なんとなく読まず嫌いしていたのですが、文章の美しさに定評があるということで初めて谷崎潤一郎の作品に触れてみました。
    読んでみて成る程確かに美しいと感じたのですが、情景や台詞の美というよりは、圧倒的な女性への執着と崇敬の念が感じられまるで聖母かのように描かれているのが印象的でした。
    「刺青」は実質処女作だそうですが、美しい身体に完璧な芸術を施したいという執念と共に、背中を這う「女郎蜘蛛」という不気味な生物を描くことで恐ろしい程の美に縛り付けられたいというマゾヒズムを感じました。
    私自身、谷崎潤一郎のことはあまり知らないのですが
    解説や調べ物によって得た印象では複雑な家庭環境で幼少期を過ごし、特に乳母と一緒でないと登校できないという程内気な少年だったようで、その経験もあり絶対的な母という安らぎを渇望し女性に心酔するようになったのかなと思いました。

  • 谷崎氏の変態さというか、性壁みたいなものを感じた。

  • 自分好みの美しい女に入れ込んで、こだわり強い刺青師が刺青を勝手に入れるという、それだけだといえばそれだけの話。
    だが、刺青を入れたことによって、女の表情、しぐさ、話し方、全てが変わるのが印象的。
    人は見かけに沿っていくものなのだろうかと思った。

  • 「刺青」と「少年」以外は私には難しかったなぁ。
    「母を恋うる記」の冒頭、月明かりの描写を数行にわたって
    実に綿密にされていて、
    すごく重みがある。そしてなんともブキミなお話だった。
    「母異端者の悲しみ」が毛色が違って面白かった。

  • マゾフェチ短編集です。イヤー本当に歪みないですね谷崎潤一郎。
    「少年」が恐ろしかった…無邪気なところが怖すぎる。いじめられっこだった友人の姉が覚醒して女王様に変貌し、調教されてMに目覚める少年の話。
    谷崎作品をそんなにたくさんは読んでないけど、上品な色気が漂うものが多いイメージだったのですが、これはえげつない…!
    夜な夜な女装して出かける男が主人公の「秘密」が面白かった。
    匂い立つような妖しく美しい世界にくらくら、最後のほうは少し食傷気味になってしまいました。

  • 070411-0502 刺青師が美しい女の背中に蜘蛛の絵を彫り、その女が変わっていく話。

  • 女に刺青をいれる男とその女への何か

著者プロフィール

明治十九年(一八八六)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大学国文科に入学するも、のち中退。明治四十三年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和四十年(一九六五)七月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和二十四年には、第八回文化勲章を受けた。昭和三十九年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた。

「2018年 『父より娘へ 谷崎潤一郎書簡集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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