春琴抄 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 743
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005041

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。こんな関係性もあるのかと。ストイックで時にエロく。文章でここまで官能を描ける谷崎潤一郎はすごい。そしてオタクだと思う。

  • こういう絢爛豪華な文章に触れる機会、最近は無くなってしまった。誰かさんの文章のように単に表層を飾り立てるだけに留まらず、その装飾によって情緒とストーリーが身体に沁みる仕掛けになっているのが素晴らしい。文章に格付けがあるなら、これは芳醇なビンテージに匹敵するのだろう。

    内容も現代では成立しない恋愛。今後このようなストーリーを創り出す人も現れないのではないか。中島みゆきでさえ「僕は悪にでもなる」という表現に留まった。「君を愛するために盲になる」ほどの愛は、もう仮説でも見つけることができないのだろう。

  • 読書会の課題本。作者が伝えたいこともわからなくはないが、時代を考慮しても視覚障害者の描き方に問題ありだと思うし、主人公たちの行動や言動にあまり共感は出来ない。

  • 春琴の舞台は観てたけど、
    やっと読んだ

    春琴と佐助。
    私はこの2人好き。

    究極の愛

  • 盲目の三味線奏者の春琴に丁稚で献身的に支える佐助ねお話。自分の目を刺しというのにはびっくりしました。

  • 初・谷崎潤一郎。だと思う。女王様気質の盲目の美女と弟子であり丁稚である青年のこじれた純愛物語。こじれてんなー。でも本人らはそうしないといられなかったんだろうな。わからんでもないが…いやはや。何と言うべきか。

  • 谷崎文学特有のマゾヒズム的な要素が強く現れている作品。
    春琴との強い結び付きを感じるとともに、この二人の人生をただただ美しいものとして捉えていいのか迷ってしまう。
    佐助と春琴の性格や性癖的なものが一致していたからこそ成り立った物語であり、だからこそ美しさを感じるのかもしれない。

    この物語には空白部分が多いと思われる。谷崎は読んだままだという風に言っているが、素直に読んでも解釈がいくつもできるところが多々ある。
    そこは読者がそれぞれ自由に解釈してもいい所ではあるが、それにしても春琴の妊娠や、春琴に怪我を追わせたのが誰なのかなど読者としてはとても気になるところが空白になっている。
    良くも悪くも読者の自由が多い作品である。

  • 青空文庫で読んだ。
    意外とさらっとしてた。
    あと最後のほう読んで、この展開知ってたなと思い出した。

  • 佐助さん、羨ましい…。
    読みながら、読み終わった後も、そう思った。

    明らかに、自分にもそういう一面があったのかと思い知らされた。

    なんなの?この共感。

    異常 倒錯 マゾ、そうなのかなー?
    本物だと思う。

  • これもまたひとつの愛の形・・・

  • 独特の文体。句読点がないので流れる水を眺めるが如く読み進む。クレージーな愛の形の話。佐助という主人公には共感できないが、グロテスクな人間関係を覗き見している気分で読了。うーん。

  • 谷崎潤一郎の文章の魅力は、嗜虐的な表現でも、耽美的な表現でも無く、いきすぎた愛情の描写だと思う。視力を失った美女に奉仕する丁稚に過ぎなかった男の、いじらしいまでの愛情と、行動に惹きつけられて仕方がなかった。
    現代の価値観に合わせるとやれメンヘラだ何やらと言われそうな内容とは思うが、愛を描いた小説の傑作であると同時に、主演に橋本環奈と おれを構えて実写化すべき作品の一つであると思う。

  • 学生時代に読んで、何とも言えない軽いショックを受けた小説。

  • とても綺麗。これから先何度も読み返すと思う。

  • [2016年13冊目]

  • 病的な恋愛小説。佐助に共感できないので、小説には 入りこめないが

    言葉の使い方、文章の起こし方は 和歌や樋口一葉みたいに 一つ一つが 丁寧。文学が芸術であることを再認識

  • 何度読んでも、谷崎文学はいい!
    いい!としか言いようにない。
    言葉が美しい。美しいとしか言いようにない。
    近頃の本を読み慣れていると古典にも思えるけれど、日本にはちょっと昔、こういった文化が根付いていたということを忘れたくない。

  • 谷崎潤一郎作品初読み。
    句読点が殆どない。慣れるとこの文体に味を感じる。
    そして、人物の心情が書かれていない、これも又読書がよりこの世界に入り込ませる要素だ。特に、春琴が佐助に「佐助もう何も云やんな」と言った時、春琴の心の奥底にある苦しさなどの感情が明瞭に感じた。

    色々な人にキツく当たっていたのは性格によるものだと思うが、反面、自分が盲目であることに周りとの引け目を感じ、敢えて身を孤独に置き、佐助に理解を求めたのではないのかとも思う。師弟関係をつら抜き互いを信じるこの愛の形はる耽美である。…奥深い話だと感じる。

  • 容姿端麗で才気煥発な盲目の女師匠春琴と彼女を慕い丁稚から彼女の弟子兼奉公人
    になった佐助の愛の物語。

    佐助が針で自分の目を突き刺す部分は読んでいてとても痛々しく、自分には絶対にそんな真似は出来ないと思った。

    しかし盲目になった佐助が観念的で触感的な世界の中でより一層春琴に対する愛を深めていく部分は読んでいてとても引き込まれた。

    個人的な感想ではあるが、佐助はあくまでも観念的な存在としての春琴を愛していたのであって、実在としての春琴を愛していたのではないと思う。

    でなければ佐助の自ら針で目を刺して失明するほどの狂気を説明することが出来ないし、彼らが晩年になっても婚姻関係を結ぶことなくあくまで師弟という関係を守り続けた意味も分からない。

    彼の異常とも言える愛情も忠誠心も、全ては自分の被虐趣味を満足させるための手段でしかないのである。

    老いて年々かつての美しさを失っていく春琴の姿を見続けるより、盲目の世界でいつまでも彼女の気高さと美しさを思い返し続ける方が彼にとっては幸せなのであろう。

    人がどんなに佐助を哀れみ蔑もうとも、彼は自分がこの世で最も幸せな人間だと信じて疑わないに違いない。

  • 盲目の三味線奏者春琴に丁稚の佐助が献身的に仕えていく物語。マゾヒズムを超越した本質的な耽美主義を描く。

  • 春琴と佐助は、共に春琴という綺麗な珠を磨き続けただけなのだ。誰よりも近く2人寄り添いながら、その眼に映っているのはお互いではなく、この世に無い幻影である。美に陶酔する人間とは、何故こんなにも醜く、芳しいのか。人間という動物の、最後の秘密のように思える。

  • 2008/05

  • ブラインドラブ。梅の樹になりたかった男。これが日本だ(ドーン!)

  • 愛が濃密。

  • 春琴の変わり果てた顔を見なくていいように自らの両目を潰した佐助。盲人となることで初めて春琴と同じ世界を共有できたと喜ぶ佐助は完全に常軌を逸している。そこにあったのは愛というより崇拝か。読点だけでなく句点もほとんどないため息苦しく、その分この作品の世界に入り込めた気がする。

  • 上品な文面、美しい描写、類い稀な表現力。心理描写がない伝聞形式であるのに、妖しく官能的。
    2015/12/29

  • 今の世の中、視覚から入る情報が多すぎるとも感じるし、
    観念の世界で自己満足に浸ることをあながち否定もできないと感じる。

  • 熱烈。春琴の傲慢さがたまらない、そして佐助の一途さ。いいな、こういうの。現代の、条件先行型みたいな恋愛や生活感が私はすごく苦手。倒錯しているかもしれないけれど不利じゃなきゃきゅんとこない、みたいな感覚がある。

  • 初めての谷崎作品。

    読み始めたらあっという間だったが、特に表だった心理描写などなく淡々と物語が進んでいく。

    主を追って、自らも盲目となり、かつそれが幸せだと言うのである。

    これは、マゾヒズムなのか、もしくは自己満足の自己愛か、はたまたこれを究極の愛というのか。
    壮絶である。

    出来ないなぁ、自分には。

  • 佐助が春琴に対して、行っていた行為。愛と呼ぶものでしょうが、私には、あそこまで出来る自信はありません。しかし、同じような気持ちで、相手に接し、愛するように努力はして行きます。

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著者プロフィール

明治十九年(一八八六)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大学国文科に入学するも、のち中退。明治四十三年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和四十年(一九六五)七月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和二十四年には、第八回文化勲章を受けた。昭和三十九年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた。

「2018年 『父より娘へ 谷崎潤一郎書簡集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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