猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005058

感想・レビュー・書評

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  • 品子の目線からの猫の描写がとにかく愛おしく、何度も読み返してしまった。福子と品子の庄造へのいらだちと隠しきれない愛情(や未練)の描写が、いい意味で"男性が描く女性"らしくて良かった

  • 猫と庄造と二人のおんな
    (和書)2010年02月12日 19:23
    1951 新潮社 谷崎 潤一郎


    最近、谷崎潤一郎が好きになって猫も大好きなので楽しみにしていました。

    猫との関係がとても面白い。

    良かったです。

  • めずらしくのっけからひき込まれて、一気に読み切った。全編リリー=猫のはなし。谷崎は猫派だったのだろう。私は猫も犬もあまり得意ではない。飼ったこともない。高校生のころアメリカで1年間ホームステイをしていて、その家には2匹の猫がいた。広い家だったが、私のベッドの上に寝ていることが多かった。そのせいか、私のすねにはつねにノミに刺されたあとがあった。だから、猫についてあまりいい思い出はない。このリリー、尼崎から芦屋まで1週間ほどかけて1匹で帰ってきたという。猫でそういう話はあまり聞かない。ずいぶん歳をとってから、今度は六甲から戻ろうとしたがそれは無理だったようだ。庄造のリリーに対する溺愛ぶりが何とも言えない。二人のおんながその猫に嫉妬する。そこに母親がからむ。それほど大きなはなしの展開があるわけではないが、庄造と品子の心の持ちようがなかなか興味深い。庄造とリリーはそれぞれの屁のにおいをかぎあった間柄だということだが、猫好きの人々にはその気持ちがわかるのだろうか。私にはわからない。ところで、「細雪」でもそうだったけれど、芦屋あたりの土地勘があるともっと面白く読めたのかもしれない。

  • ジャケ買いした本。
    初めての谷崎潤一郎作品です。
    文豪の作品は私なんかに読みきれるだろうかと思いながら読み始めましたが、読み始めるとテンポ良くて、あっという間に読了。
    リリーがとても可愛くて、猫好きにはたまらない本だと思います。

  • 題名の通り、主な登場人物は3人と1匹だが、この物語の主人公はリリー(猫)と言ってとよいかもしれない。読んでいると分かるが、リリーはただ平凡な毎日を過ごしたいだけなのに、周りがそれぞれの事情で色々騒ぎ立て、本来関係のないリリーも巻き込まれるのだから冗談じゃないと思う。
    自分が猫を飼っているから、猫特有の描写についてはあるあるの内容が多く、何度もその可愛い姿が浮かんだものである。

  • 猫が一番!女房はそれ以下!!何という男よ。谷崎の短い長編だが、田辺聖子さんか?と思うくらい軽快でユーモア垣間見えるナイスな一冊。小心者でろくでなし男、庄造。策略家で我の強い元妻・品子。小金持ちの娘でふしだらな現妻・福子。こんな三角関係の絶対的トップに君臨するのはリリーちゃん。美しきメス猫。庄造は恋人のようにリリーを愛することから、不穏な元妻と現妻。そんなドタバタ話だが、とにかくリリーが可愛すぎ。猫を飼ったことがない私にも、猫の魅力が存分に伝わる描写が流石。で、ラスト、ここで終わるの!?という唐突さに驚き。

  • 面白かった。リリーすごすぎ。みんな変な人だけど、人間味がありました。人ってこんなもんだよねみたいな。もしいつか猫と飼ったらリリーって名前付けたい。すごい色気のある猫になってほしい。

  • サビ猫を見かけたらリリーと呼ぶことにする

  • 2017.9.25

  • ここで終わり!?というとこで終わって拍子抜け。
    リリーのなんとも薄情というか、気位が高いというか笑

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著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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