卍(まんじ) (新潮文庫)

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レビュー : 239
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005089

感想・レビュー・書評

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  • 谷崎の変態異常性欲小説として有名(!)な本書ですが、自分としては、葛藤する恋愛心理や策略のド派手さ、どこまでも果てしのない疑心暗鬼、そして、誰もが陥っていく性愛の強欲ぶりが特に目を引き面白かったです。
    とかく女性同士の性愛の方が脚光を浴びがちですが(自分も見学したいですけど(笑))、本書の本質からするとそんな異常性欲も可愛らしいものになって見え、むしろ、強欲ぶりと、それに伴う駆け引きというか策謀というか策略の凄まじさの方に圧倒されてしまいました。
    性愛に取りつかれてしまった面々は誰もが真面目でもあり、誰もがねじれているようにも思え、一体全体、どういう駆け引き具合になっていて、結局、誰がどうしたいのかがまるで掴めないようなドロドロの愛憎劇に、こちらの頭もドロドロになってしまった感もあります。(笑)
    つまるところ、このドロドロ劇の中心にいたのは美少女で処女(?)の光子であり、光子も含めて皆が強欲な性愛に翻弄されていたのですが、こうした泥沼から抜け出しひと皮剥け新たな段階に昇華できたのはやはり光子で、こうしたストーリー展開は美少女崇拝の谷崎の美的感覚の真骨頂であったともいえるでしょうね。
    登場人物の誰もに驚かされる人物設計となっていて、「女の腐ったような」綿貫や語り手の園子夫人のハズ、それにお梅どん等の行く末を考えると、最初にレズに目覚めた語り手の園子夫人が一番真面目で正気であったのではとさえ思えてきます。(笑)
    本書の構成がまたふるっていて、園子夫人が先生(谷崎を擬していと思われる)に振り返り語るというスタイルで全てが大阪弁で語られていて、凄まじい愛憎状態にもかかわらず、こうした趣向により、弾んだ調子とともに柔らかで温かくオブラートに包み込まれたような丸みを帯びた語り口がクッションとなって、なぜか読者に安心感を与えていたともいえます。光子が園子を「姉ちゃん」と呼ぶ様などはどこか可笑しみすら感じさせます。このような異常性愛もなんだ大したことはないのではないかという・・・。これは谷崎の術中に陥っていますかね?(笑)
    谷崎が大阪に行きたての頃の作品ということで、後年のスマートな(?)異常性愛を基調とする作品と比べると少しごちゃごちゃ感があるように思えます。以降、より純化路線(性愛の)を歩んでいくことになるのでしょうね。(笑)

    • nejidonさん
      mkt99さん、こんにちは(^^♪
      そうそう、ものの見事に陥っておりましてよ!
      さてわたくし、長年秘密にしてきたのですが、だいぶ前に映画...
      mkt99さん、こんにちは(^^♪
      そうそう、ものの見事に陥っておりましてよ!
      さてわたくし、長年秘密にしてきたのですが、だいぶ前に映画化されたものを観ました(笑)
      若かりし日の若尾文子さんの、まぁ美しいこと可愛いこと。クラッときますよ。
      そして岸田今日子さんの魅力的なこと。
      このふたりだけももう十分なほどの作品でした。
      カメラワークも相当にねちねちしてて、スタッフさんは楽しかっただろうなぁと推測できましたよ。
      で、肝心の性愛の描写はとても穏当なものでした。
      でも公開当時は「けしからん!!」だったのかもしれませんね。
      谷崎が何を描きたかったのか、ようやく理解できる年齢になりつつあるので、カミングアウトしてみました(笑)。
      本の方はあいにく未読ですが、機会がありましたら映画のほうもどうぞご覧あそばせ。

      2015/10/13
    • mkt99さん
      nejidonさん、こんにちわ。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      そのような秘密をひた隠しにされていたのですかー...
      nejidonさん、こんにちわ。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      そのような秘密をひた隠しにされていたのですかー!(笑)
      これを機にゲロって、すっきりされたことと思います。(笑)

      若尾文子の美しさは想像できますが、自分としては岸田今日子も含めて、お歳を召された頃のイメージしかなくて、その二人の親密シーンを考えるとちょっと何かコワい感覚もあります。(笑)
      しかし、若い魅力的な二人が文字通り絡み合うシーンなどはさぞや楽しかったことでしょうね!(^o^)
      DVDを見つけたら、観てみたいですね!

      原作もあまり性愛の描写はありませんで、初期の頃に二人が鏡の前で抱き合うシーンが唯一の艶めかしい箇所といえるかもしれません。大半は自己中心的な強欲がらくる疑心暗鬼と壮烈な駆け引きの心理描写が物語の中心でして、背景はアブノーマルですが、どちらかというと昼ドラの脚本のような気もします。

      自分が一番面白かったのは、誰もが強欲に絡んでいく物語進行でして、終盤には「○○よ、お前もかー!」と思わず心の中で叫んでしまいました。(笑)
      処女(?)の美少女の進化も見逃すことはできません。

      若尾文子、ちゃんと進化していますかね?(笑)
      2015/10/14
  • 一人の女性の口から語られる、ある美しい女をめぐる愛憎劇。関西弁だからこそ出せる味が、ドロドロな内容に色っぽさと上品さを与えている。
    ただ、園子が光子に惹かれ、のめり込んでいく過程の心理描写が意外に少なかったような。「綺麗な人」というだけで禁断の関係になるのは、少し現実味に欠ける。既婚女性が同性に恋をするというのには、もっと複雑で特殊な感情があるのではないだろうか。
    同性愛を描いたというわけではなく、ただ純粋に、女性の美に翻弄される愚かな人間の姿を描いた作品なのだと思った。

  • 同性愛をテーマにした小説を選んでレポートを書くという課題で読んだ本
    レポートを書くのに必死で内容をあまり覚えてないのでもう一度読みたい

    • hagecchi55さん
      もっとホモホモした小説なんで選ばなかったのさ!
      もっとホモホモした小説なんで選ばなかったのさ!
      2012/12/04
    • やよいさん
      ユリユリという新たな世界が開けると思って…
      ユリユリという新たな世界が開けると思って…
      2012/12/06
  • 新潮文庫の2018プレミアムカバーの赤い表紙に惹かれ購入。
    学生時代の『刺青』以来の谷崎作品ですが大阪弁での告白体小説という設定のせいで読みづらくてなかなか頭に入って来ず......束縛された状況の中での恋愛の熱情はより過激に爆発する。現代では実現しないお話しだろうなあと読みながら思いました。

  • 細雪にど嵌まりしたあとで、読んだ卍。後ろのほうの解説にもありましたが、この小説のあと年月を経て、細雪に昇華したんだなーと思うと感慨深いです。

  • 私がこれまでに読んできた本に登場した女性の中で、もしかすると一番こわい女かもしれない、光子。
    恋に純粋で悪気がないところが、余計に狂気を感じてこわい。
    そして綿貫が気持ち悪い。
    途中で綿貫が園子に接近してくるところで、もしや綿貫と園子もくっつくのか?と思ったが、違った。
    まさかの園子の旦那までが光子に落ちた。
    三人で死ぬつもりが園子だけが生き残り、疎外感と恋しさは消えずに苦しむ。
    それぞれの立場でだまし合い、探り合い、何が嘘で何が本当なのか、途中読んでいてこんがらかった。
    当事者である園子が語っているという形式で書かれているので、園子の主観が入っていることを念頭に置くと、そのまま直球で受け取っていいものか、と余計に考えてしまう。
    題材といい、書き方といい、ツボにはまった。
    同性への憧れは大なり小なり誰でも持っていると思うけど、谷崎がそれを題材に書くとこうなるのか。突き抜けてるな~。

  • ある若奥様が(谷崎)先生に自分にふりかかったけったいな愛憎劇を告白する話。
    初めはちょっとした悪戯から始まった光子との関係が、嫉妬、同性愛、不倫と、一言では云いきれなくなり、途中からは裏切りの連続が続いて、誰と誰がグルになってるかわからなくなり、
    はて、僕もだれかに騙されてるのか知らん。
    という気イさえするのんです。

  • 谷崎潤一郎が1928年に雑誌"改造"に発表した長編小説。主人公の柿内園子が自分が係わった事件について先生に話すという体裁の作品で、初めて読む人は、関西弁の口語体で書かれている文章で面食らうと思いますが、慣れればけっこうすらすらと読めます。前半の園子と光子の同性愛的な話から、後半、光子の婚約者である綿貫が登場した辺りから展開が不穏な空気を漂わし始め、ラストの園子の夫まで巻き込んだ事件への発展はハラハラして、物語に引き込まれます。誰に感情移入して読むかによって感じ方が変わる作品です。

  • 最初はいたずら心から始まった同性愛ごっこがやがて三角関係になり、四角関係になり、破綻するまで。

    綿貫さん最初は普通の人かと思っていたのに、豹変しましたね。それはお梅さんも同じ。光子も同じ。

    お互いを狂ったように求める愛と言うのはとても情熱的で頭がぼーっとするようにのめり込むものなのだろうけど、その結末として一人残されるというのはどういう気分だろうか。

    段々と登場人物が正気をなくしていく姿が生々しく描かれています。恋にのめり込む人ほどこういう傾向が強いのかしら。ちょっと怖い。

  • 光子どんだけ魅力あんねん。
    私の中ではかなりの美人。

    大阪弁ばりばりで。同性愛で。

    えええええ!!ってゆう裏切りが沢山。

    光子に会ってみたい。

  • 初谷崎。

    貸していただきました。

    やー、妄想たっぷり(笑)

    狂ってました。

    イカれてます。

    大好き。

  • 今、授業の演習で谷崎潤一郎作品を扱ってて、初めて谷崎を読んでいるンだけど、これが面白い。「鍵」「瘋癲老人日記」と二作読んで、種種思うところがあって文章にしようしようと考えるうち、今日「卍」を読み終わったンで、とりあえず「卍」の話から。

    片平にある二郎系ラーメン屋のことではねえです。

    物語論的にはあらすじはあらすじ作者のものなのであまり良くないらしいンですけど、マア読んだことない人もいるでしょうし、なんとなく筋をば。

    光子って観世音菩薩ばりの美女が、男女を次々虜にしていく話です。ンで、その虜の中の一人、園子の告白体で文章が綴られてる、と。全編告白体なもンで、地の文がないので尚更あらすじにすると具合が悪い。

    この光子て女がすごいんですな、兎に角人に自分を恋させるのが上手、らしい。園子の談だと。僕はもう「鍵」と「瘋癲老人日記」でさんざ信用できない語り手にブンブン振り回されたのでもう語り手の言うことはいちいち括弧付きする! その光子のすごさってのは、どうあっても、相手が自分から光子にしてあげたように仕向けて、自分からああしてほしい、こうしてほしいと頼まないの。自分を崇拝させるわけ。

    始めは園子と光子の百合百合な話なのかと思ったら、そこに光子の恋人やら園子の夫も絡んで、みんながみんな光子に魅入られていくんですな。園子もプライド高そうに振る舞うと見えるや、泣いてイヤンイヤンしてみたりなもンで、光子萌えな人々はもう、ついつい許しちゃったりする。更に光子はその、自分の崇拝者同士の嫉妬を煽る。崇拝者同士は疑心暗鬼になって心身共に疲れちゃう、やつれていく。それに反して光子はどんどん艶を増して、光り輝く、そう! 観音菩薩のように!! 光子観音!! イヤ、冗談じゃなくて、作中で本当に出てくるの、光子観音。シャラーン。

    光子の恋人が綿貫てンですがね、これがもう気持ち悪い。光子も厭なんだけどなんだかんだ脅されてて別れられない。どうしても厭なもんで園子と心中芝居をひとつ打つ。これは弁護士である園子の夫を仲間に入れるための二人の計略だった。二人は死なない程度の量の睡眠薬を飲んで、ちょっと昏睡する。ところが、光子はすぐ恢復したのだけれど、園子は空腹状態で服用したために吸収が良くって、暫く昏睡しちゃう。光子は寝ぼけた振りして、光子に興味なかった園子の夫を誘惑して出来ちゃう。その間2頁半。オイー!! 早いよ!! どういう神経してるんだッてなもんです。谷崎ェ……。マア最終的には光子、園子、園子の夫の三人で心中するんだけど、光子を信用しきれなかった園子だけ生き残りました、というのが大体。さっぱり説明になってませんね。気になったら自分で読んでくださいまし。

    読んでて僕は登場人物次々にむかついた。もうむかついてホームで立ち読みしてた時なんか線路にブン投げるところだった。まず園子! オイ、座れ! まず本一冊分も告白して小説家のおっさんの仕事の邪魔すンな!! いちいちいちいちうじうじうじうじしやがって、ごちゃごちゃごねる同性愛者は僕嫌いなんです! うじうじしてるせいか結局独り生き恥曝すのでちょっとすっきり。

    次! 綿貫! 証文証文うるさい! スッテキボーイ!!
    光子! はもうどうしようもないです負けました。すごいテクニークすなあ……。
    最も僕が気に入らないのは園子の夫、孝太郎、テメエだ。もう作中で唯一恋に狂ってないまともな人物だナアー、堅物でもいいじゃない、なンで園子は大人しくできないわけ? と孝太郎に好印象抱いていたのですが、光子とできちゃってあっさり陥落。最初は妻のために綿貫と戦ってたのに、その後は「僕が光子さんを護る」なンて言い出して、園子のためと言ってた以前よりも積極的に頑張る。元々大した腕のない弁護士という設定だったのに、急に有能になる。なんじゃソリャア?? もー男ってイヤ、だからイヤ、でも自分の中のそういう部分と共鳴して、だから谷崎作品て読んでて辛くなるけどちょっぴりウキウキするのよね。

  • わざわざ言うまでもない名作。最初から最後までたちこめる官能的な空気と柔らかい関西弁、背徳の恋……どろどろとした愛憎劇なのにどこかさらっとしている。卍というタイトルを読み終えてから反芻するとぞくりとした。ややこしくこじれた話だけれど人間が皆美しい。重なる嘘と裏切りと倒錯する人間関係に、うっとりと酔う。

  • 内田樹先生がブログで無人島に一冊持って行くとしたら「細雪」と書いておられるのを見て、半年前に初めて谷崎の細雪を読んで面白かったので、この卍で2冊目。こんな昔(昭和初期?)に同性愛を描いた小説があったんだっていう単純な驚きと興味。
    超美人の独身光子と柿内夫人園子の関係を中心に、ストーカーのように光子につきまとう性的不能の綿貫、最後は光子と深い関係を持ってしまう園子の夫等が複雑に絡んできて繰り広げられるドロドロの愛憎劇。 嫉妬、疑心暗鬼、狂言、駆け引きの中で皆が狂気に駆られて行く様に背筋が寒くなる一方、なぜ誰もこの泥沼から抜け出そうとせずに、むしろこの状況に耽溺しようとすら見えるのは滑稽な感じもしたのだが、これが美の持つ魔性なのか。 読み終わって、蓮池の淵から地獄の底を眺める仏様の心境。細雪も卍もどちらも金と暇のある有閑階級のお話。

  • 園子の独白
    3人で心中して光子と夫だけが死ぬところ
    光子が睡眠剤飲ませてくところ

    2019年9月6日

  • 今まで読んできた小説のどれとも似ていない。
    読んでるはずなのに言葉が耳に残る。
    読み終わった後、タイトルがとても良いと思った。

  • 全編ほぼ会話でちょっと読み難さを感じてしまいましたが、関西弁の会話が生き生きとしていて面白かったです。
    園子と光子の恋愛ものかと思っていたら、誰か出てきた…えっ、そっちとくっつくの!?とびっくりでした。
    光子の悪女っぷりがすごかったです。
    ラストの展開も好きです。これからどう生きていくんだろう園子。。

  • 読みやすいんだけど、なかなか共感出来なくて大変だった……。
    評価も個人的な感想ですので…!

  • 変態的なのに気持ち悪さがないのが不思議

  • 谷崎さん、あなた叙述の天才です。
    特に関西弁でこれをやらせたら右に出るものいません。
    おかげで内容が内容というこんな話を、まぁよくもこれだけぐいぐいと、読ませてくれました。
    なんか、もう参りましたと言うほかはない。

  • 垣内夫人、その夫、光子、綿貫の四つ巴にからんだ愛欲を、全編まったりとした大阪弁で語られる希有な小説。

  • 谷崎潤一郎二冊目。この歳で文豪の本を読むとは・・・もっと早く読んでおけよと思った。

    古典の文庫版には後ろに懇切丁寧な解説があり、いつもついついそっちを先に読んでしまうのだが、その解説に「変態小説」とあった。これは変態小説なのか!!

    最初は二人の女性(一人は人妻の園子、もう一人は独身の光子)の恋物語かと思って読み進めていたのだが、光子の「中性的」な恋人との三角関係が終わったと思ったら、なんと最後の方で園子の夫2を交えた三角関係になってしまい、夫婦二人で光子を分かち合い(というか完全に光子に翻弄され)、光子にネチネチといじめられたり嫉妬に狂わされたり薬でヘロヘロにされたり、なかなかの急展開だった。しかもそれを改行なしの会話文で延々とやっているのだから、ページすうそのものは少ないのに濃厚である。セックスの描写なんて全然ないのに、二人の女が夢中になって貪りあってるようなイメージが浮かんでくるので、出版された時代を考えると、これはかなりエロくて変態的とみなされたのかなとおもう。
    私は関西の言葉はわからないのだが、会話の掛け合いが深刻な場面でちょっとコミカルだったりして、生粋の東京人だった谷崎がうまいこと書いたものだなあと感心した。

  • 一貫して語られる大阪弁がやわらかで美しく、力強く、この見事なまでに複雑に絡んだ人間関係の中に自らも組み込まれていくような感覚を抱いてしまう。

  • 名前だけはうんと昔から知っていたけど、いやぁ、面白かった。

    サイコロの目のような小説だと思った。最初一番上の目だと思っていた主人公がコトンコトンと回転し、主役が入れ違い、さっき一番下に敷かれてた人がいつの間にやら主役になっている、みたいな感覚。

    語り口の大阪弁が強烈で面白い。

  • 『痴人の愛』で懲りたはずなのに何故また買ってしまった谷崎作品…。

    ほんとすごい、ずーーーっと大阪のおねぇちゃんが最初から最後まで話し続けるやつ。
    ラストもまぁ(笑)

    でもわりとこれ面白かったっていうかずっと半笑いで読んでた。

    しかも解説で変態性欲変態性欲連呼されてて笑う。

    でも『細雪』はこんなんじゃないんですよね…それはそれで気になる…いつか読もう。

  • 正直、読みづらかったです。
    昔の癖の強い大阪弁での告白体で綴られる夢か現か。
    まさに魔性の女に振り回される男女。
    結末は冒頭で予測できるけど、読み応えはあります。
    大阪弁の「あてかて」=「私だって」が多用されており、何度読んでも笑ってしまいます。
    面白いので小5の娘に読み聞かせると、意味は分かるけどそんな言葉誰も使わない!と。
    そりゃそうだ。
    谷崎はこの癖の強い大阪弁に色香を感じてこの作品を書いたそう。

  • こんなに理解があって優しい夫がいるのに我儘だなぁなんて思っていたら、終盤カオスすぎて…。現実でも一家を洗脳して殺人にまで追い込むサイコな事件が稀に起きるけど、光子はまさにそういう犯人と同じ種類の人間。

  • 関西弁の独白によって話が進む。おまけに、改行が少なく文字がギッシリ。かなり集中しないと読めない。でも読み始めると、不思議と読みにくくはない。文章が上手いということなのだろう。内容としては、解説にあるような変態性欲を扱ったというより、サイコスリラーといったほうがよさそうだ。光子さん、まさにサイコパスですよ。

  • とある未亡人が、自分が関係した「事件」を先生(小説家)に語るという形式で描かれる恋愛物語。
    三角(四角?)関係の中心人物である光子が、己の美しさと奔放さで関係者が次々籠絡されていく様が鮮やか。ドロドロの関係っちゃ関係なんですが、全体を通して上方の女性言葉で綴られているので妙にソフトでエロチックな印象になるのが流石谷崎ですね。

  • 谷崎が好きなのと、装丁の美しさに惹かれて購入。
    谷崎らしい狂人の愛、後年の谷垣に通じる関西貴婦人の柔らかい言葉。 ラスト10頁くらいの話の展開には驚く。

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著者プロフィール

明治十九年(一八八六)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大学国文科に入学するも、のち中退。明治四十三年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和四十年(一九六五)七月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和二十四年には、第八回文化勲章を受けた。昭和三十九年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた。

「2018年 『父より娘へ 谷崎潤一郎書簡集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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