細雪(中) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1649
レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005133

感想・レビュー・書評

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  • 夢中で読みふけってしまった。まだ中巻、そしてこれで谷崎の本は4冊目だというのに、外国の人に日本の作家を紹介するんなら、谷崎だろうと思うところまできた。この縦横無尽さは何だろう。この人は何だって書けるんじゃないかという気がする。

    さて中巻は日本の(娘さんの)美だけではなく水害やある人の死などもあり、緊迫したシーンもあって飽きさせない。面白いのは妙子。今だったら、自分の考えを持った自立志向の女の子とたたえられてもいいところを、姉に「こんなに迷惑をかけて」と思われてしまって気の毒というかもったいないというか。

    幸子視点で話が進むから、妙子が男二人をどう比べて決断したのか気になる。計算しているようで純粋なようで、謎な女の子。

  • 中巻もゆったりと進むのかと思いきや、後半怒涛の展開で、ザーッと読んだ。続きは下巻で。

  • 波瀾万丈の(中)でした。
    相変わらず、雪子ちゃんの行く末だけが心配です。

  • 上巻は雪子の縁談が中心で、差し当たり大きな事件はなかったけれど、本巻では妙子の恋愛を中心に物語が展開される。昭和13年の阪神の豪雨の様子なども、こと細かく記されている。この豪雨が妙子に大きな変化をもたらすのだが、読んでいてとても臨場感があった。

    その他に隣家のドイツ人一家や妙子の弟子のロシア人の家族との交流なども描かれている。妙子は見るからに活動的だが、おとなしい雪子のしたたかさが垣間見られた。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/sasameyuki.html【書評】『細雪』〜きめ細かに女性心理を描写した谷崎潤一郎

    2016.04.05 読了

  • 中途半端な終わり方やと思ったが、三部に分けたのは筆者の知るところではないハズなので仕方ないか。
    「上→中→下と、どんどん引き込まれる。」とは言えないダラダラ感。
    さて、「下巻」に感動をもらえるのでしょうか・・・?

  • 四姉妹の物語であると、それぞれの女性の性格の違いによって読者が肩入れしたり気に入らないと思ったりしながら読むことは必定だろう。

    長女鶴子は関西の本宅から東京へ転居することもあり、物語で取り上げられることは少な目となる。堅実で控えめといった印象の鶴子が、わたしは個人的には嫌いでないので残念ではある。

    次女幸子は物語の中心であり、性格としても姉の鶴子への気遣いと共に妹たちへの目配りといったことが細やかに行える幸子が一般には好まれるだろう。

    三女雪子の縁談がまとまるかどうかが、雪子自身にとっても姉たちにとっても気がかりであるのに、煮え切らないというかグズグズはっきりしない雪子は読んでいてももどかしい。

    四女妙子は末っ子とはこういうものといった奔放さ。やりたいことを好きにやって自分が一番という身勝手ともいえる様は、同じ末っ子であってもこんな自由気儘に生きたことがないわたしには羨ましいやら呆れるやら。

    この作品が映画化されるのもよくわかる。
    美しい四姉妹というだけで十分華やかなところへ、昔ほどの繁栄はなくとも経済的に豊かな日常は、まさに絵巻物といった風で、映像として見せたら映えること間違いなしだ。
    原作を読むまでは映画は観ないと決めていたが、この美しい物語を映像で観てみたくなってきた。

    雪子と妙子がどうなるのか気になる下巻へ。

  • (2016.06.13読了)(2013.01.25購入)(2009.09.10・93刷)
    中巻は、四姉妹の末っ子の妙子さんがメインでした。
    奥畑の啓坊(啓三郎)と結婚するにしても、経済的に自立できるようにしておきたいので、人形制作ではなく、洋裁をメインにしていきたいと、洋裁学校に通い始めています。
    さらには、洋裁学校の先生の勧めもあって、フランスのパリへの留学を考え始めています。そのためには、まとまったお金が必要です。両親が妙子さんの結婚に際して必要なお金を本家に残しているという話があったので、そのお金を留学費用に充てようと、本家にお願いするのですが、了承してもらえませんでした。
    他には、神戸を襲った洪水の話、東京を襲った台風の話、舞の発表会の話、など、ドキドキハラハラさせられる話が満載です。
    隣人のドイツ人一家(シュトルツ)の帰国の話もありました。時代を反映した話でもあります。
    女中のお春さんの活躍も大変なものでした。ご褒美に日光まで観光に行ってきました。
    奥畑さんのライバルとして、板倉さんが登場するのですが、哀しい結末が待っていました。さて下巻はどうなるのでしょうか?

    シュトルツ、シュトルツ夫人(ヒルダ)、ペータア、ローゼマリー、フリッツ
    本家の子供、輝雄、哲雄、秀雄九つ、正雄、芳雄、梅子四つ、
    十五を頭に、十二、九つ、七つ、六つ、四つという六人の子女
    奥畑啓三郎(啓坊)
    板倉勇作(米吉、米やん) 写真屋
    山村さく 舞の師匠
    ボッシュ 瑞西人

    ●恋愛(16頁)
    恋愛と云うものは、相手の男が見込みがあるからとか、下らないからとか云うことのみで、成立ったり破れたりするものではあるまい、少なくとも自分は、なつかしい初恋の人をそう云う功利的な理由で嫌いになれない、自分は啓ちゃんのような下らない人を恋するようになったのも何かの因縁と思うばかりで、後悔はしていない、
    ●山津波(55頁)
    此処ばかりはそんな山津波の痕跡などは何処にもない。電気と、瓦斯と、水道が停まったことだけは、被害地並みであるけれども、ここの家には水道の外に井戸もあって、飲料その他の使い水には不自由をしない
    ●山津波の記録(84頁)
    阪神間には大体六七十年目毎に山津波の起こる記録があり、今年がその年に当たっていると云うことを、既に春頃に予言した老人があって、板倉はそれを聞き込んでいた。
    ●阪神間と東京(164頁)
    此処に彳んで松の樹の多い空気の匂を嗅ぎ、六甲方面の山々を望み、澄んだ空を仰ぐだけでも、阪神間ほど住み心地のよい和やかな土地はないように感じる。それにしてもあのざわざわした、埃っぽい、白っちゃけた東京という所は何と云う厭な都会であろう。東京と此方とでは風の肌触りからして違う、
    ●夫の条件(216頁)
    彼女はもう、家柄とか、親譲りの財産とか、肩書だけの教養とか云うものには少しも誘惑されなくなった、
    自分の夫となるべき人は、強健なる肉体の持主であることと、腕に職を持っていることと、自分を心から愛してくれ、自分のためには生命をも捧げる熱情を有していること、この三つの条件にさえ叶う人なら、他のことは問わないと云うのであった。
    ●自由結婚(337頁)
    父母の同意を得ないでする結婚。戦前の民法では、男子は三十歳、女子は二十五歳に達すると、父母の同意なしに結婚することも出来た。が、親の意志に背くことは、すべて親不孝であり、道徳的な非難の対象になった。

    ☆関連図書(既読)
    「細雪(上)」谷崎潤一郎著、新潮文庫、1997.04.10(1955.10.30)
    「痴人の愛」谷崎潤一郎著、新潮文庫、1947.11.10
    「鍵・瘋癲老人日記」谷崎潤一郎著、新潮文庫、1968.10.25
    「源氏物語 巻一」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.06.10
    「源氏物語 巻二」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.07.10
    「源氏物語 巻三」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.08.10
    「源氏物語 巻四」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.09.10
    「源氏物語 巻五」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.10.10
    (2016年6月18日・記)
    内容紹介(amazon)
    雪子と対照的に末娘の妙子は自由奔放な性格で、男との恋愛事件が絶えず、それを処理するためにも幸子夫婦は飛びまわらざるをえない。そんな中で一家は大水害にみまわれ、姉の鶴子一家は東京に転任になる。時代はシナでの戦争が日ましに拡大していき、生活はしだいに窮屈になっていくが、そうした世間の喧噪をよそに、姉妹たちは花見、螢狩り、月見などの伝統的行事を楽しんでいる。

  • 上巻の静けさが嘘のようだった。
    中巻はやや分厚くなり、話の中心は四姉妹の末娘妙子、こいさん、当時における現代っ子である。
    タブーであった身分差の恋愛がテーマであり、こいさんの相手である写真家板倉について使われる言葉がすごい。
    家柄、財産、教養が強健、腕に職、情熱とおもいきり対比較される。

    東京へ移った長女一家への行き来も多々あり、当時の東京が描写される。目に浮かぶその風景は今とあまりかわらないようでおもしろい。

    次女幸子の一人娘悦子とお隣さんドイツ一家の子供達のエピソードがかわいらしい。
    そして遊ぶ子供達の言葉遣いの綺麗さに驚く。

  • 上巻からさらに4姉妹の立像が明確になっていく。4姉妹の中で現代的な妙子の話が中巻の筋。大正、昭和初期の上流階級の中で異端といえる行動、発言をする妙子。いつの時代でも、四人も兄弟がいると一番下は強くなるのだなと、自分が4兄弟の中で育ったので、一番下の妹を思い出しながら読み進めた。この話し、どうやって終わるんだろう。雪子が結婚する以外にはエンディングが思い付かないがどうなんだろう。下巻が凄く楽しみ。そして下巻が終わればこの美しい世界が終わると思うと今から残念な気分になっている。

著者プロフィール

明治十九年(一八八六)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大学国文科に入学するも、のち中退。明治四十三年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和四十年(一九六五)七月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和二十四年には、第八回文化勲章を受けた。昭和三十九年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた。

「2018年 『父より娘へ 谷崎潤一郎書簡集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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