文豪ナビ 太宰治 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2004年11月28日発売)
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本棚登録 : 686
感想 : 58
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  • 本 ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006000

感想・レビュー・書評

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  • 母の本棚から、太宰本をごっそり譲り受ける。
    大切に読み継いでゆきます、感謝。
    太宰、坂口、三島の小説がこれだけ本棚にずらずら並んでいると、人に何かしら思われそう。
    漱石も同じくらいあるからセーフかな。
    わたしの今の太宰作品のイメージはまさに副題のとおり、ナイフを持つまえに読む的なものなんだけど、何やらすごく変わりそうな予感。
    このナビを読んだだけで。

    「ああ、なぜ僕はすべてに断定をいそぐのだ。
    すべての思念にまとまりをつけなければ生きて行けない、そんなけちな根性をいったい誰から教わった?」
    最近 やたら事象を言語化して説明してくる現代作品ばかり読んでモヤモヤしていたので、この強烈な巻頭カラーの太宰にいきなり引き込まれた。

    処女作品集のタイトルに「晩年」なんてつけるんだから普通じゃない。
    その冒頭にいたっては「死のうと思っていた。」っていうんだから、もはやお笑い。
    わたしの好きな、シリアスな笑いが待っているきがして楽しみすぎる。

    巻頭カラーと手帖の走り書き がよかった。
    「女生徒」が気になる。
    まずは「ヴィヨンの妻」を読む。

  • 友達が太宰のお勧めを聞いてくれた。太宰をもっと勉強しなくてはと張り切って読んだ。太宰作品おすすめナビ、名場面の紹介、熱烈エッセイ等が書かれている。
    重松清さんのエッセイが特にいい。太宰治を読もうとグイグイ誘ってくる。太宰の作品の中には「ぼくたち」がいるそうだ。もちろん私も何度も太宰の作品で自分を見つけている。

    太宰の作品は好き嫌い分かれると思う。だからお勧めするのがちょっと怖い。
    太宰作品は冒頭、ツカミがすごいと言われている。だからまず読んでみて太宰の世界を覗いてもらえたら嬉しいなぁ。

    • 佐藤史緒さん
      こちらから失礼します。
      けいたんさん、フォローとコメントありがとうございました。
      ドクターテンマかっこいいですよね(=´∀`)
      私も好...
      こちらから失礼します。
      けいたんさん、フォローとコメントありがとうございました。
      ドクターテンマかっこいいですよね(=´∀`)
      私も好きです。
      あとキートンやテンマのように万能の男性もいいですが、太宰のようなダメんずも私は割と好きです。
      実際身近にいたら大変でしょうが(笑)
      これからもよろしくお願いします。

      2015/06/01
    • shuwachoさん
      お花とコメントありがとうございます!
      文豪ナビシリーズ、面白いですね。
      太宰治は確かに好みが分かれそうなので、こういう本をおすすめするの...
      お花とコメントありがとうございます!
      文豪ナビシリーズ、面白いですね。
      太宰治は確かに好みが分かれそうなので、こういう本をおすすめするのはいいですね。
      次は太宰治ナビ読んでみようと思います~!
      2015/06/19
  • 太宰治でまず思い出すのは「斜陽」の「ひらりひらり」とスープを飲むシーン。
    今でもキチンとした食事の席でスープを前にすると、ひらりひらりと頭の中でいってる。
    確かに導入部のインパクトは強いなあ。

    この歳になって太宰治から遠ざかっているのは、彼の本を読むと10代で初めて読んだ頃を思い出して体のあちこちがむず痒くなったり、重く痛くなったりするからだな。
    「ただ、一さいは過ぎていきます。」に微妙に励まされたあの頃。

    ただ、10代で太宰治の本を読むなら、先入観なく体当たりで読んで大きな衝撃を受けるべきと思う。「人間失格」なんかはとくに。
    こういうナビはとりあえず、あらすじ程度を読んで、読後の衝撃やモヤモヤをいろんな人の解説で解き明かしていくのが良さそう。
    10代ならそのモヤモヤは宝なので、無理に解釈する必要もないかも。

    重松さんと田口ランディさんの解説も楽しかった。そうそう!って。
    評伝は、太宰治の生活がウンザリするくらい詳細に語られるのだけど、ウルシだの源氏だのと例えが多くて返って分かり難いのは私だけかな。
    太宰治を取り巻く女性陣が究極のだめんずウォーカーであることはよくわかりましたが。

    「ぼくは、若いひとにとって”ひとりきり”の時間はとてもたいせつだと思っている。”ふり”をしなくてもいい、ひとりきりの時間にこそ、ひとは暗い自分や弱い自分と向き合えるはずだから。
    でも、”ひとりぼっち”にはなってほしくない。”ふり”に疲れて、そのしんどさを誰とも分かち合えずに、暗い自分や弱い自分に押しつぶされたすえにナイフを手に取るのなら・・・その前に、太宰治を、読んでくれ。」
    「絶望するな。では、失敬」

  • 太宰治ガイドとしてとても分かりやすい。
    「太宰には滅び行くものの美がよく似合う」と評されておりとても共感した。

    繊細で純粋なダメな男だったんだろうなぁ…

  • 太宰が読みたくなる一冊。重松さんのエッセイに読書欲が掻き立てられた。早速本屋に直行して「ヴィヨンの妻」を買ってしまった。

  • 太宰文学のガイド本である。太宰は「走れメロス」だけではない。より心に響く小説がいくつもある。本書の中に収録されている、重松清の太宰治についてのエッセイ「ダザイくんの手招き」を読むと、太宰をもっと読みたくなるだろう。太宰治は、一度熱中した後には、いつのまにか忘れるという「はしか文学」だと言われているが、そんなことはない。憂鬱になったときや、一人ぼっちになったとき、そして死にたいと思ったときに読み返すからこそ、本の価値があるわけだと思う。太宰の小説を1冊も売らないのは、そのためなのだ。

  • 難解な太宰作品のガイドとしては、よくまとまっていて、分かりやすい。旅行記も付いていて、津軽への興味も湧く。太宰の人生がどういうものか、わからなかったので、とても理解と興味が進んだ。

  • 表紙にドカッとタイトルより大きく書かれている、
    重松清の推薦文。
    「ナイフを持つまえにダザイを読め!!」
    なるほど、なるほど。
    簡単な伝記と著作案内、
    太宰好きによる「ここがいい!」エッセイ、
    足跡を訪ねる旅コラムに、
    評伝まである盛りだくさんな一冊。

    中に、要約といって
    本当に一部を抜き出したやつが掲載されています。
    あらすじのように言葉を変えて
    内容を説明したんじゃなくて、太宰自身の文章だから、
    自分との相性がわかっていいわ~。
    今までとっつきにくいかと思っていたけれど、
    わりと読みやすいです。
    でも、内容が…ううーん、どうしよう。
    ちょっと楽しそうな
    『トカトントン』を読んでみようかしら。
    それにしても、太宰君ってダメンズなのに、
    本当に写真かっこいいわ…。

    ちなみに、この文豪シリーズ、
    役に立つ上、しっかり自分とこ(新潮社)の
    宣伝にもなってるのが巧い。

  • 気になるけどなかなか作家の作品に手を出せずにいる方へ、ちょっとしたガイドになりそうな文豪ナビシリーズ。
    私はと言うと、太宰治は元々好きで読んでいたというのに、なんとなく手元に置きたくなってしまったのだけれど。

    この作家の文章は自分にとって読みやすいか否か、初めて触れるにあたってどの作品が良いか等々。
    この定価に対する感覚は様々あるかもしれないが、軽い気持ちで、この作家の小説を手にしてみてもいいかなーと、思える切っ掛けになるかもしれない。

    本書は決して文豪の偉大さをツウぶって饒舌に紹介するものではなく、
    「ダザイの小説は、読者の一人一人の心の中の本当の顔を映し出す「鏡」のようなもの。その顔が醜いので読者はたじろぐが、そのうち…」など、楽しい切り口で読者の興味を惹いてくれる。
    超早分かりナビや、10分で読む要約など、まるで何かの付録のような楽しい小冊子だ。

  • 人間椅子の和嶋慎治さんのファンでもあり、
    太宰治ファンなのでもあるので、以前から
    和嶋慎治さんの聖地巡礼等で、東北旅行には行きたい
    と思ってましたが、ますます行きたくなりました!
    コロナの終息を祈ってやみません。

    “人間は夢の中では太陽と自分の顔だけは見ることが出来ない。見てしまったら長くは生きられない”と書いてあり。

    『確かに太陽は見た事ない!』と実感!自分の顔は
    鮮明じゃないけど、鏡で見た様な気がする。
    太陽はさすがに見た事ないから、私はまだ生きてます(笑)

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