斜陽 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9253
レビュー : 1077
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006024

感想・レビュー・書評

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  • 一度、さらっと読んだだけでは、何となくしか意味がわからなかった。
    だが、ところどころに共感できるフレーズがあり、揺さぶられた。
    もう少し大人になったら、もう一度読みたい本のひとつだ。

  • “斜陽族”なる言葉も流行った、太宰治の代表作品。四者四様の滅びの姿を描いている。一見暗い内容に思えるがすべてが暗いわけでもなく、その中にも滅びの美学ではないが、暗いからこそ分かる明るさが覗いている。
    『津軽』を読んだ後にこの本を読んだが、太宰自身はきっと人を大切にする人だったのでは?と思った。自己否定と人間への親愛、そういった相反する考えの中でそれらを対立して書くのではなく、表裏一体でどちらも正解だと思えるものを書こうとしているのではないか、と感じた。
    読み終わって、暗い気持ちにはならず、そうだな、となんとなく腑に落ちる感じでした。

  • お母さまがスウプを飲むところが好き。描写が優しくて綺麗。
    序盤読んだらただのマザコン小説かと思ったけど違った。

  • 再読。『朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、 「あ」  と幽かな叫び声をお挙げになった』 このファーストシーンは何度読んでも何故か、胸の奥がざわざわとする。退廃も堕落も苦悩も美しいとする太宰のまさに真骨頂。どうしても影響を受けてしまう作家のひとりである。「幸福感というものは、悲哀の川の底に沈んで幽かに光っている砂金のようなものではなかろうか。悲しみの限りを過ぎて、不思議な薄明かりの気持ち、あれが幸福感」いま読み返しても哀しいほどに文章が美しい。

  • ハンマーでぶん殴られて50センチずつ3回に分けて潰されて、いつの間にか20センチくらいになってました、ってゆーのが感想です。解説にも書いてありますが、太宰氏の作品は潜在的2人称の文体で書かれていて、読んでいるうちにどことなく親近感が沸いてきました。さらっとしているけれどすっげぇ重いパンチくらってる感じです。
    戦闘、開始。
    この言葉だけで全てを包含してしまう。最強です。
    無意識的な感覚として、「ノルウェイの森」のずーんとした暗さと「限りなく透明に近いブルー」の冷たさを一緒にした感じがしました。無理やりかなーっと改めて考えると思ってしまうが。

    以下引用
    「待つ。ああ、人間の生活には、喜んだり怒ったり悲しんだり憎んだり、いろいろの感情があるけれども、けれどもそれは人間の生活のほんの一パーセントを占めているだけの感情で、あとの九十九パーセントは、ただ待って暮らしているのではないでしょうか。幸福の足音が、廊下に聞こえるのを今か今かと胸のつぶれる思いで待って、からっぽ。ああ、人間の生活って、あんまりみじめ。生まれて来ないほうがよかったとみんなが考えているこの現実。そうして毎日、朝から晩まではかなく何かを待っている。生まれて来てよかったと、ああ、いのちを、人間を、世の中を、よろこんでみとうございます。」

  • 直治の遺書の、重い死の香りが印象的

  • 太宰治ってこんなかんじなのかなあ

  • 戦後没落していく上流階級の家族。構成は母、かず子(主)、弟の直治。母と直治はか弱い人だと思う。母は生来の貴族気質で荒れる渇くことがない。弟は腐っても貴族であり庶民としては生きられない。
    かず子は「人は恋と革命の為に生まれて来た」と触れていた。愛し縋る母の死を克服し、道徳に背いて恋を成就させ1人で母になる。一方直治は、下品になる努力の結果完全に落ちるも戻るもできなくなった。道徳に背く恋の成就も望まない。生まれた目的を果たせない弟が苦悩し続け自死したのは当然に思えた。反対に目的を果たし生きていくかず子は強い。

  • 2019/02/19-02/22

著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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