ヴィヨンの妻 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4875
レビュー : 459
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006031

感想・レビュー・書評

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  • 2回目。どうしようもない夫に素晴らしい妻。この設定が大好きだし憧れすら感じる、というと私はおかしいかもしれない。だけどこの奥様の献身的で真面目で芯の強いところには同じ女性として憧れを感じざるを得ない。そう思わない女性の方が幸せになれるのかもしれないけれど、そんな家庭に(父はそこまでひどくない、母が献身的であるという面で)育った私には女性たるものこうあらんと染み付いてしまっているのだろう。

  • これらの作品を書いているとき、太宰治本人は非常に鬱々としていたんだろうなと読み取れる。大戦後の混乱と様々な要因から来る絶望。
    掲載されている作品からは希望が感じ取れなかった。
    読了が非常に不愉快だった、親友交歓だがじっくり考えてみると作者なりに一見被害者かもしれない者が、否者だけが被害者なのだろうか? と投げかけているように見える。罹災したのは彼だけではない。不愉快と称した親友も大戦を経験し、少なからず罹災している。
    「威張るな!」は被害者で居続けるなということなのではなかろうか。

    鬱々としながら小説を通しなにかを伝えようとした晩年の8作品は軽い語り口ながら色々なことを考えてしまう、そういった意味合いでは理解しづらい作品でした。

    ときにこの一冊、節々に太宰治を想像するように誘導されているが本当に小説なのだろうか? 半自伝ではなく? 
    つらつらとくだらない事を書き込んだ他人の日記を読んでいるような気分。

  • 太宰ナイトの教科書として購入。まったんの帯だ。
    「親友交歓」好きだわー。
    課題小説は「父」「ヴィヨンの妻」「おさん」「家庭の幸福」「桜桃」だったけど、実際扱われたのは「家庭の幸福」「ヴィヨンの妻」「桜桃」。
    「ヴィヨンの妻」の考察、興味深かった。今度から客電つけてほしい。本を持参しているお客さんが多くいたが、暗くて見えんかったろう。

  • 大昔に読んだ記憶がかなり曖昧だったので確認。太宰先生の描く女性達は逞しいことこの上ない。

  • 夫はダメすぎるし、暮らしはとても悲惨なのに、
    妻の前向きさ、したたかさに
    なぜか読んでいるほうも前向きな気持ちになる。
    とてもよかった。

    **********

     私は格別うれしくもなく、
    「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」
     と言いました。

  • 青空文庫で読了。妻が酒場で働き始めて変わっていく姿がリアルだった。映画版はまだ観ていないのでぜひ観てみたい。読んだイメージでは黒木華さんをイメージしてしまった。夫は本当にしょうもない人なんだけど、この妻は何故尽くせるのか…現代の感覚では計り知れないものがある。太宰治が好きな人にはつげ義春の漫画もお勧めしたい。だめんずパラダイス(地獄?)ですよ!「家庭の幸福」は三浦しをんばりに妄想炸裂していてすごい笑えた。いや、笑ってはいけないのかもしれないが…。

  • 酒と金銭絡みで堕落した男性か、その妻目線で記される話が中心となった短編集。これは作者自身をモデルにしているんだろうな・・・と思われる、似た種類のクズが多く登場していることが特徴的とも言える。

  • これは読み切れた。
    短編だったから読みやすかった。
    荒廃的な部分が描かれてて面白かった。

  • 一寸の仕合わせには一尺の魔物が必ずくっついてまいります。人間三百六十五日、何の心配も無い日が、一日、いや半日あったら、それは仕合わせな人間です。

    「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」

    ああ、悲しいひとたちは、よく笑う

    気の持ち方を、軽くくるりと変えるのが真の革命で、それさえ出来たら、何のむずかしい問題もない筈です。

  • 短編集。「ヴィヨンの妻」好きだった。

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著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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