津軽 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.70
  • (199)
  • (263)
  • (349)
  • (38)
  • (12)
本棚登録 : 3515
感想 : 276
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006048

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 土瓶さんのお薦め本です。
    ありがとうございました!

    昭和19年、津軽風土記の執筆を依頼された太宰治が
    故郷の津軽を3週間に渡って旅をした旅行記。
    自身のルーツを振り返る本名の津島修治としての
    人となりを感じられた作品だなと思った。
    自虐的で、卑屈で暗い面ばかり強い印象だったけれど
    こんなにも優しくてあったかい人だったんだなぁ…と…。

    故郷津軽の情景や歴史を詳細に説明しているところは
    私にはちょっと難しい漢字だったり古い表現、言い回しなど多くてそこは正直、読みにくい部分もあって大変だった…
    でもそれだけ故郷愛を感じられたし、この時代の作品の趣もあって頑張ってなんとか、かんとか読みすすめた感じ…(汗)

    でも旧友との、行く先々での和気あいあいとした酒盛りの様子は、何とも微笑ましくホッとして読めたところも多くて良かった…
    特に滑稽に描かれた、ひとりの津軽人の過分な接待ぶりで太宰をもてなす描写や、太宰が宿に持ち込んだ鯛を姿焼きなどの料理ではなくて五つに切られ料理されてしまった時に太宰が拗ねてしまう様子には、クスッっとなった。

    そんなふうにユーモラスな部分が
    いろいろある一方で、
    実家の家族たちへの複雑な思いや距離感なども
    吐露しているのだが
    懐かしい人達と触れあい、全体的には、
    明るく楽しんでいるところがよく伝わってきて面白かった。

    そして何よりもラストのシーンが感動的!!
    子守で教育係の たけ との再会がもう、泣けてしまう。
    思いがけない再会で落ち着かない気持ちになって
    桜の小枝の花をむしりながら話したりしてしまう…
    たけの様子と台詞の中にも、そして太宰治(というか津島修治)の心情描写の中にも、二人の心の深く強い繋がりがあるんだなぁと思えてジーンとさせられた、いい場面だったから…。
    旅の終わりに、生まれてはじめての心の平和を与えてくれるたけの元へと帰りつけてホントに良かったなぁとしみじみした…

    そしてラストに記されていた
    「さらば読者よ、命あらばまた、他日。
    元気で行こう。絶望するな。では失敬。」

    この、たった数年後に38歳という若さで…
    自殺してしまった事を考えると
    どうして〜⁉…と複雑な気持ちになるのだが…。

    でも最後に出かけた「津軽」旅行が
    心安らぐ素敵な旅行だった事が
    わかる作品だったので…
    読めて良かったです!

    • 土瓶さん
      傍らに珈琲を。さんに勧められて読みました。
      そしてチーニャさんへ。
      次は誰が読むのかな。

      たけとの再開は、たけの思いは本当によかっ...
      傍らに珈琲を。さんに勧められて読みました。
      そしてチーニャさんへ。
      次は誰が読むのかな。

      たけとの再開は、たけの思いは本当によかった。
      2024/01/30
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      土瓶さ〜ん、こんばんは!
      は〜い、私も読んでみたくなりましたよ、やっぱり良かったです。
      たけとの再会のところは泣けてしまいますよね…ホント。...
      土瓶さ〜ん、こんばんは!
      は〜い、私も読んでみたくなりましたよ、やっぱり良かったです。
      たけとの再会のところは泣けてしまいますよね…ホント。
      この本、お薦めいただかなくては手にしない本でしたよ。お二人に感謝してます…♪
      それから土瓶さん…
      インフルだったんですか…?
      心配してましたよ…。
      大変でしたね…。インフル、辛いかったでしょう…。
      …無理なさらないようにお過ごしくださいね!
      ありがとうございました。
      2024/01/30
    • 土瓶さん
      こちらこそ~(⁠๑⁠¯⁠◡⁠¯⁠๑⁠)
      こちらこそ~(⁠๑⁠¯⁠◡⁠¯⁠๑⁠)
      2024/01/30
  • 太宰治の故郷である津軽地方を3週間かけて旅した紀行文。

    津軽を魅力的に描こうとするところに、太宰の故郷への愛情を感じる。
    あぁ、旅がしたいなぁ。こんな風に友人と一緒に酒を飲んだりおいしいものを食べたりして、楽しそうだなぁ。
    当時は戦時中で、酒も食料も不足していたに違いない。そんな中で、酒やご馳走など、とても魅力的な描写が多い。

    旅のなかで出会った人々、旧友、家族など、これまでの人生で出会った人たちを通して、自分という人間を作り上げてきたものを再認識していく。そして、時々、少年時代を振り返りながら旅は続いていく。

    旅も終盤になり、太宰は育ての親たけとの再開を果たす。旅の本当の目的が達せられた瞬間だ。たけは、生家と絶縁状態だった太宰にとって母のような特別な存在。そんな2人の再会の場面にはジーンときた。

    • まいけるさん
      私も太宰が大好きで斜陽館を訪ねたことがあります!
      私も太宰が大好きで斜陽館を訪ねたことがあります!
      2023/11/30
    • ひろさん
      まいけるさん、はじめまして(*^^*)
      いいねとフォローありがとうございます。
      斜陽館まで行かれたことがあるのですね!!うらやましいです!
      ...
      まいけるさん、はじめまして(*^^*)
      いいねとフォローありがとうございます。
      斜陽館まで行かれたことがあるのですね!!うらやましいです!
      作品によって全く作風が異なっていたりと、多才な太宰作品に惹かれてます♪いつか私も斜陽館に行ってみたいです!
      これからどうぞよろしくお願いします( ᵕᴗᵕ )
      2023/11/30
    • まいけるさん
      こちらこそよろしくお願いします!
      こちらこそよろしくお願いします!
      2023/11/30
  • 学生時代、桜桃忌に青森を目指す友人がいた。
    彼の影響もあって太宰治さんの本を手に取るようになった。金木の斜陽館も訪ねた。
    ネガティブで女々しくて、、と揶揄されても私は好きだった。
    大学を卒業する頃、彼と、か細い声で壊れそうな音楽を聴いた。彼女の歌の世界には太宰が息づいていた。そんな彼女の歌が、テレビから流れてくるなんて夢にも思わなかった。
    森田童子さん。もう鬼籍に入ってしまったけれど。

    津軽にはそんなイメージとはかけ離れた骨太でユーモラスな太宰がいる。自虐の癖は相変わらずだけど、紀行文みたいな小説だ。
    金木の辺りから眺める岩木山を想像する。金木を語る太宰の体温は熱い。
    でも、なんと言っても3歳から8歳まで太宰、いや津島少年を育てた「たけ」のくだりが最高だ。
    金木に、いや自分の故郷に帰りたくなった。

  • 「太宰治」というより、本名「津島修治」による、故郷の津軽の随筆。紀行文。道中記。
    まあ、なんでもいいや。

    なかなか楽しい話であった。

    勝手なイメージだが太宰には暗くて人嫌いというものがあったが、見事にそれを覆してくれた。

    親友と呼べる友、幼馴染、親戚たち、可愛らしい姪っ子まで大歓迎で太宰を迎える。

    またこの人たちはホントに酒が好きだね。とにかく酒。とりあえず酒。戦時下であり、酒も配給制であったことから酒を出せない宿もあり、それを予想して自分たちで用意して持ち歩く。
    そこまでして飲みたいものなのかと、正直呆れた。

    ラストは太宰の育ての母ともいうべき、子守りのたけとの再会を果たす。

    【「修治だ」私は笑って帽子をとった。
    (中略)
    修治だ、と言われて、あれ、と思ったら、それから、口がきけなくなった。運動会も何も見えなくなった。三十年ちかく、たけはお前に逢いたくて、逢えるかな、逢えないかな、とそればかり考えて暮らしていたのを、こんなにちゃんと大人になって、たけを見たくて、はるばる小泊までたずねて来てくれたかと思うと、ありがたいのだか、うれしいのだか、(中略)手かずもかかったが、愛ごくてのう、それがこんなにおとなになって、みな夢のようだ、——」】

    心が暖かくなる。
    そして、それだけに腹が立った。
    俺は、太宰の入水自殺の原因は知らない。知りたいとも思わない。
    だが、その一報をたけはどんな顔をして聞くだろう。どれだけ悲しむだろうか、と太宰は思わなかったのだろうか。
    最後の瞬間までたけのことを思い出しもしなかったのだろうか。それは、酷い。あんまりだ。
    おそらく何かに追い詰められて視野狭窄の状態であったろうとは思うのだが、それでも酷すぎる。

    作品の最後の一文は来たる未来への皮肉に満ちていた。

    【さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。】




















    いやぁ~。この二、三日、私事ですがたいへんでした。
    ただの風邪かと思っていたらみるみるうちに熱が上がり39度辺りを常にキープ。咳も出始め、胸の奥に妙な違和感を感じたので、これは間違いなくコロナだろう。そう確信に近い状態で近くの病院に電話を入れて診察してもらったのですが、結果、ただの風邪でした(笑)

    意外とコロナにはかからない? インフルエンザですらなかった?
    ま、まあ、少し複雑な気持ち。
    ただの風邪であんなに苦しいならコロナになったらきっと死んでしまう(笑)

    病院でもらった薬を呑んで寝てたら38度近くまで下がったのでかなり楽にはなった。
    病院の薬って偉大だ。
    歩くのさえキツかったのに、寝ることさえろくにできなかったのに、もうすっかり通常と変わらない。久しぶりに風呂に入ろうか。

    そういえば思い出したけど、一昨年も9月に40度近い熱を出して寝込んだ。しかも間に2週間ほど空けて2回も。

    だからまた、もう一度来るかもしれないな~。勘弁してほしいけど。

    みなさんもお体に気を付けてお過ごしください。

    • 土瓶さん
      傍らに珈琲を。さん。ありがとうございますm(__)m

      そうそう。
      食欲が全く無くて苦労してます。
      今日は、フリーズドライのコンビニ...
      傍らに珈琲を。さん。ありがとうございますm(__)m

      そうそう。
      食欲が全く無くて苦労してます。
      今日は、フリーズドライのコンビニ雑炊と味噌汁と沢庵を1時間くらいかけてなんとか食べました。
      とたんに汗が噴き出ました。
      今日は寒くて(?)仕方なかったのに、やっぱり食物を摂るのは大切ですね~♪
      考えてみたら月曜から何かを食べた記憶が……ない(笑)
      ま、食べれるようになればすぐに治るでしょう♪

      生姜、いいですね^^
      なんとか摂れるよう考えてみます。
      お気遣いありがとうございますm(__)m
      2023/09/14
    • 土瓶さん
      ひろさんも、ゆーき本さんもありがとうです^^

      1Qさん。まだ現金届いてませんよ(笑)
      ひろさんも、ゆーき本さんもありがとうです^^

      1Qさん。まだ現金届いてませんよ(笑)
      2023/09/14
    • 1Q84O1さん
      あれ!?
      届いてないですか〜?
      おかしいなぁ〜?




      (・д・)チッ (笑)
      あれ!?
      届いてないですか〜?
      おかしいなぁ〜?




      (・д・)チッ (笑)
      2023/09/14
  •  太宰治というと「人間失格」を高校の国語で読み、その後「斜陽」なんかも読んだことはあるが、私の中では暗い、女々しい、キザな人という印象であった。
     だが、この「津軽」は解説にもあるよう、太宰作品の中では、特異な位置を占め、明るさとユーモアに満ち、彼の本質を表している作品のようである。
     ある出版社の依頼で太宰の生まれ故郷の津軽風土記を書くため、三週間、帰郷した時のことを書いたものである。
     序編で「おのれの肉親を語ることが困難至難の業であると同様に、故郷の核心を語ることも容易に出来る業ではない。ほめていいのか、けなしていいのか、わからない」と書いているように、太宰は自分自身の核心である故郷、津軽のことを肉親を紹介するように恥ずかしがりながらも、愛に溢れた文で綴っている。
     故郷でSさんという人のお宅に招待されて、お邪魔した時、入るやいなや、怒涛のように酒や食べ物を勧められ、面食らったエピソードがあるが、 「その日のSさんの招待こそ、津軽人の愛情の表現なのである。」と書いている。太宰自身も遠方よりお客さんが来たときには、どうしたら良いかわからず到れりつくせりの心づかいをして、お客さんに閉口されるだけの結果になることもあるという。普段ははにかみ屋で神経質なのに、お客さんに対しては不器用に精一杯もてなそうとするのが生粋の津軽人である、と太宰の本質、ルーツについて打ち明けている。
     津軽滞在中は、太宰の実家でお金持ちの津島家に昔仕えていたT君、学生時代唯一仲の良かったN君達と心置きなく過ごすのだが、みんなが太宰の前で無遠慮に他の作家のことばかり褒めるので、太宰もついつい本音を吐く。
    「僕の作品なんかは、滅茶苦茶だけど、しかし僕は、大望を抱いているんだ。その大望が重すぎて、よろめいているのが僕の現在のこの姿だ。君たちには、だらしのない無知な薄汚い姿に見えるだろうが、しかし僕は本当の気品と言うものを知っている。松葉の形の干菓子を出したり、青磁の壺に水仙を投げ入れて見せたって、僕はちっともそれを上品だとは思わない。…」
    心許せる故郷の友の前でこんな本音を吐く太宰を「かわいいではないか」と思ってしまった。
     しかし、実家では片身が狭いようである。実家津島家は名家で、お金持ちで、若くして父親が亡くなったあとは長兄が跡をつぎ、父親がそうであったように、長兄にも近寄り難い。解説では、太宰の暗い憂鬱の翳は、旧家の鬱で、自分の「家」から、自分の運命からいかにして逃亡するかという、抵抗と傷跡が、彼の文学に一筋の道として通っていると書かれている。実家での団欒の中で、明るさを添えているのは、血の繋がった兄弟よりも、津島家に仕える爺やである。
     最後に太宰が何十年来、最も会いたかった人に会いにいく。それは子供の頃、太宰の母親に代わって彼を教育してくれた女中のたけである。このシーン、ウルウルきた。まさか、太宰治の本で、涙が出るとは思わなかった。
     関西人の私からみれば外国のような津軽の人について、太宰治のルーツについて、太宰治の特異な家庭環境とそれが彼の人間形成に与えた影響について、彼自身の言葉で解説されている貴重な作品であった。

     

    • りまのさん
      macomi55さん
      新潮文庫 走れメロス という短編集の中に、入っています。
      キリストを売る、ユダの訴えの話です。私は感動しました。
      macomi55さん
      新潮文庫 走れメロス という短編集の中に、入っています。
      キリストを売る、ユダの訴えの話です。私は感動しました。
      2021/01/26
    • Macomi55さん
      有難うございます!この間、まとめて買った中に新潮文庫の「走れメロス」あったと思います。早速読んでみます!
      有難うございます!この間、まとめて買った中に新潮文庫の「走れメロス」あったと思います。早速読んでみます!
      2021/01/26
    • りまのさん
      あ、駈け込み訴え でした。漢字間違いしました。すみません。
      あ、駈け込み訴え でした。漢字間違いしました。すみません。
      2021/01/26
  • ずっと読みたかった「津軽」をようやく読了。
    ふるさとの歴史って意外と知らない。そこでの生活様式が生まれた歴史を紐解くと、新たな発見があって面白い。しかし、一地方の一地域の歴史を正確に知ることは難しく、歴史書に書いてあることは必ずしも実感として正しくないことも多い。太宰治はかような点にツッコミや自虐的な感想を入れつつも、故郷を語る口調はどこまでも温かみがある。

  • 仕事で青森に行く機会がそれなりにあり、津軽地方のことを少し知ろうかと思い読んだ一作。
    津軽地方・五所川原の金木町出身の太宰治が、改めて津軽の山深い地域を訪れ、各地で人に会い、景色を眺め、酒を飲み、最後に自分を育てた”タケ”という家政婦に会いに行く。旅行記というかエッセイというか。
    1944年に訪問したようで、ところどころ戦時中と思われる表現が出てきますが逆にいうと、それ以外は戦時中と気づかないくらい。

    自らの本が誉められないことを嘆いたり、酔っ払って珍妙な接待をする津軽人に共感し憐れんだり、津軽の人を寄せ付けない自然に哀愁を覚えたり。
    太宰は本当に日本語表現がおもしろすぎて、読んでていちいちおかしくなる。パワーワードが豊富。
    「不面目な種族」といいながら酒飲みの性で、いちいち行く先で酒の在処を心配し、宿や訪問先にあるだけの酒を飲み、リュックにビールを詰めてハイキングに向かう姿に本当にダメ人間に思えるが、いわゆる人垂らしだったんだろうか。

    青森市から北西の津軽半島に一度向かったのち、南の平野部に向かい、最後は権現崎の近くの集落・小泊でタケと再会を果たす、という道を辿ったようです。
    津軽地方は、現代でも航空写真を眺めると実に山深く、人が住むエリアは本当に限られていることがわかります。
    決して住むに楽な場所ではないのだろう、と思います。

    太宰自身の個人的なノスタルジーを感じるだけでなく、自分とゆかりのある地を巧みに描写できるのは、さすが文豪ですね。
    大きなドラマがあるわけではないのですが、退屈しませんでした。
    現在の青森県や津軽地方の成り立ちというか近現代史的な部分を知る上でも参考になりました。

  • 生まれ故郷を旧友と飲みながら巡り歩くという楽しい旅日記。
    太宰というとどうしても、女性が絡みつつ皮肉なネガティブ思考といった印象が多く持たれるが、この「津軽」を読むと印象が変わるかもしれない。
    太宰節もきかせつつユーモアたっぷりなのだ。
    しかしながら、旅をしながら自分自身を懐かしく回想し、走馬灯のように人生は儚く過ぎてゆく。
    読みごたえのあるよい1冊だ。
    一緒に、新潮社とんぼの本の「太宰治と旅する津軽」を読むと、一層深みも増すのでお薦め。

  • 旅行記風の自伝ともとれる回顧録。「たけ」との再会が良い。

  • こんなのずるい。惚れちゃう。影を背負った作家太宰ではなくて、津島修司としての、人を楽しませるのが大好きで、人好きのする男の姿がここにはある。鯛の姿焼きを眺めて贅沢な気持ちになりたかったのに切られてこれじゃただの焼き魚だ、って拗ねる30代とか可愛すぎか。
    今まで読んだどの太宰作品とも違って、すごく新鮮で、彼の文豪としての力を思い知った。
    「どうして旅に出るの?」で始まる冒頭。卵味噌で終わる津軽人の怒涛の接待。そして、なんとも美しい岩木山の描写。
    素晴らしいの一言に尽きる。

全276件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太宰治の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×