津軽 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2002
レビュー : 187
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006048

感想・レビュー・書評

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  • 津軽の地理、文化、歴史、人全てが愛おしく感じられる描かれ方で、太宰らしく無いくせにとても太宰らしい作品。

  • 太宰が自分自身の出生地である津軽を訪ね、昔を訪ねる。飲んでばかり(笑)

  • 太宰治の他の著作とは異色の本作。

    風土記、回想録のような構成で語られている。生家の重荷を背負い続け、自己自身の否定を繰り返してきた。故郷の面影は以前の自分自身を辿るルーツになるが、最終の目的は乳母のたけとの再会にある。

    母性を追い求めた彼の究極がたけにあったことはあとがきで書かれている。女性との入水自殺を度々起こした太宰はたけのような安心感を持てる女性を求め続けたのだと感じる。人を楽しませる気遣いから、太宰は大胆さや繊細さを兼ね備えており、それらが文章によく表れている。そういった性格ゆえの寂しさや孤独を感じていたことも。

    最終文の「私は虚構を行わなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。」が深く胸にくる。彼自身は自殺してしまうが、自分自身に言い聞かせているような気がしてならない。

  • 太宰のお国自慢紀行記。隣県に住んでいるし深浦や鰺ヶ沢にも数回行ったことがあるので、まあそんな感じかなという感想。巻末に書かれた初期短編「思ひ出」の女中たけさんとの再会のところがいい。この作品、この部分だけまた読み返したくなった。

  • 太宰作品としては異色の作品ですね。津軽人としての郷土愛や誇りのある、素直な一面を覗かせる紀行文風小説です。蝦夷に三種あり、近きを熟蝦夷、次にあら蝦夷、遠きを都加留(つがる)という。津軽北端の景色は、風景ではない。竜飛は点景人物の存在さえ許さない。荒涼とした海、吹き荒ぶ風が目に浮かびました。本書を読もうとする方は、太宰らしくないと途中で止めないこと。ラストがいい、とてもいい気持ちになります。

  • 薄い本だがじっくり味わいながら読んだ。昭和19年、津軽風土記の執筆を依頼された太宰が故郷の津軽を3週間に渡って旅をしたという太宰の著書でも異色の旅行記。これがとても心に沁みる。太宰が安定していた時代を感じることができる。紫に変色した国民服を着て旅に出た太宰に笑った。作中はのびやかなユーモアに満ちており、戦時中でありながらふしぎな安らぎさえ漂っている。旧友との酒盛りで珍道中を繰り広げ、クライマックスの乳母だった「たけ」との再会では泣かされた。太宰がこの本から数年後に入水してしまうなんてあまりにも悲しい。

  • 風土記の執筆を依頼された太宰が津軽を旅行して書いた作品です。
    津軽の歴史などについても少し書かれていますが、やはり津軽にいる人たちと出会って会話しているところが一番読んでいて楽しかったです。思い出がある場所や懐かしい人と一緒に行く場所は、良く見えるんだろうなと思いました。
    私は津軽と全く関わりがないのですが、太宰と関わりのある場所と考えたら、訪れたとき胸が躍りそうです。

  • 聖地めぐりしてみたい・・・。
    最後の「元気で行こう、絶望するな。」という文が好き。

  • 明るくてとても良い。

  • 太宰の作品は『斜陽』しか読んだことがなくその時の印象、また一般的なイメージにより太宰文学は暗く重いという考えを持っていました。しかし、今回この『津軽』を読んで彼の新たな一面をみた気がします。最後、たけの言葉ひとつひとつに強い愛情がこもっているのが感じられ、思わず泣きそうになってしまいました。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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