津軽 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2017
レビュー : 188
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006048

感想・レビュー・書評

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  • 太宰治というと人間のクズぐらいなイメージしかないのだけれど、本書を読んだら、お酒好きな面倒くさい性格だけど人好きのするおっさん(失礼だけど)なイメージに変わった。
    本当は普通のお酒が飲みたいけど、配給がないだろうからリンゴ酒が飲みたいと言ってみたり、駅で迎えに来てくれた知人の子にお土産を持ってくれば良かったと後悔したり、津軽愛にあふれていたり。酔って、もっと自分の作品をほめてくれと口走ったり。
    あと時々言葉遣いがかわいい。口語体。
    なんというか、太宰モテただろうなあとしみじみ思った。

  • 旧友との和気あいあいとした、酒盛りの様子や、滑稽に描かれた津軽人の過分な接待ぶり、地域名産・風土史など、故郷への愛を感じる紀行文。 …んが、しかし、あの締め言葉のインパクトたるや! “さらば読者よ、命あらばまた他日。 元気で行こう。 絶望するな。 では、失敬。” 本作のおける、太宰の不安定さを、より感じてしまった次第。。

  • 不思議なくらい明るく健康的な旅行記、非常に良い

  • 故郷「津軽」に、育ての親「たけ」に自身の生きる力である「愛」の源流を求めた太宰渾身の力作。「私には、また別の専門科目があるのだ。世人は仮にその科目を愛と呼んでいる。」心を欺くこと無く、前向きに自身を振り返った特別な一冊。「友あり遠方より来た場合には、どうしたらいいかわからなくなってしまうのである。ただ胸がわくわくして意味もなく右往左往し、そうして電燈に頭をぶつけて電燈の笠を割ったりなどした経験さえ私にはある。」素直に言い切った一文に太宰の「心の平和」が見える。

  • 太宰の故郷を巡りながら読むといい

  • 戦時中に書かれた、太宰の故郷を巡る紀行文。人間失格などに流れる自己否定というか、暗い感情はそこはかと出ているものの、全体的に明るい語り口で楽しんでいる様子が目に浮かぶ文章でした。
    津軽に対する愛情、故郷に対する愛情など、人間臭さがあって非常に読み終わりがよかった。
    最後の『さらば読者よ、命あわばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。』がとくにいい。

    あと、非常に注釈が多くて驚いた。日本語の表現力を改めて見直すと共に、今の自分の語彙力の無さが情けなくなった。せめて意味くらいわかるようになりたいです。

  • 太宰治「津軽」◆昭和19年、太宰は自身の故郷である津軽を旅行。その時の様子を綴った、津軽と津軽人への愛に溢れる紀行文です。太宰が懐かしい人との再会を喜んだり少年のように友人と会話したりするのを読むと、「人間失格」を書いた彼も、なんだ普通に人間やってるじゃないかと嬉しくなった。

  • 最後より数ページの幼少期の話題になってから、しみじみとした小説になって、味わえた。
    それまでは、いつもの酒飲み。

  • 太平洋戦争のときに特攻隊に志願したという童門さん。終戦後、生きて戻ると世間は打って変わって冷ややかでした。「まだ17歳ですから、心に響いて...ちょっとぐれました」

    そんな童門さんの心を捉えたのが太宰治の小説。「本を開くと活字が飛びかかってくるように感じた」「フレッシュで魂に響いた」といいます。

    続きはこちら→
    GUEST 109/童門冬二:スミスの本棚:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京  http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/2013/12/post156279.html

  • 津軽旅行記。
    子供のころの思い出と織り交ぜて、
    どこに行くにも酒を飲みつつ、
    最終的には心の奥のよりどころだった子守のたけに会いに行く。
    津軽の風土記でもあるので、旅行の際に一読していくと良いかも。

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著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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