津軽 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.66
  • (151)
  • (189)
  • (298)
  • (27)
  • (9)
本棚登録 : 2003
レビュー : 187
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006048

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 青森の地歴を解説するところは読み飛ばしてしまったが、太宰の飾らない旅風景は何やらジーンときた。ふ、と抱いたことのおる名前のつかない感情を、太宰も感じていたことを知り、安心した。

  • 前半の津軽でのゆかりのある地と人を尋ねる道中から最後のたけとの出会いの一節で一気に光が見える。この明るさは太宰作品とは思えないくらいの実に幸福な描写だった。

  • 太宰治が戦時中の津軽を歩く本です。
    内容は津軽についてが半分、太宰治自身についてが半分といったところでしょうか。
    津軽についての解説は、りんごの歴史が明治からとか、雪に吹かれず往来するためのコモヒの構造とか面白い部分もあるのですが、大半は説明調で引用も多くあまり面白いものではありませんでした。
    一方で、太宰治の帰郷記としては、昔の知人に会う楽しさや気恥ずかしさが太宰治らしいひねくれた筆致で描かれており、これはなかなか面白いところがありました。
    太宰治のファンや青森にいく予定のあるかたは、手にとってもいいのかもと思います。

  • 作者自身が故郷の津軽へ里帰り中の紀行文。生まれた家柄にコンプレックスを抱えたまま生涯を閉じる彼だが、この作品を書き上げるに辺り津軽の歴史や気質を調べ新たな発見をしたのか土地、すなわち津軽人としての誇りを持ったようである。作者の人格的な部分が見られる作品。

  • 太宰のお国自慢紀行記。隣県に住んでいるし深浦や鰺ヶ沢にも数回行ったことがあるので、まあそんな感じかなという感想。巻末に書かれた初期短編「思ひ出」の女中たけさんとの再会のところがいい。この作品、この部分だけまた読み返したくなった。

  • 旧友との和気あいあいとした、酒盛りの様子や、滑稽に描かれた津軽人の過分な接待ぶり、地域名産・風土史など、故郷への愛を感じる紀行文。 …んが、しかし、あの締め言葉のインパクトたるや! “さらば読者よ、命あらばまた他日。 元気で行こう。 絶望するな。 では、失敬。” 本作のおける、太宰の不安定さを、より感じてしまった次第。。

  • 最後より数ページの幼少期の話題になってから、しみじみとした小説になって、味わえた。
    それまでは、いつもの酒飲み。

  • 風土記のような小説。最後の台詞がいいね。
    「私は虚飾を行わなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。」

  • 20130727 三十年ぶりに読んだ。懐かしいが今読むと作者の気持ちがわかる気がする。太宰より年上になってしまった。

  • 青森出身の親父と絶望的に仲の悪い私に、知り合いのおじさんが「お父さんのことがわかるかもよ」と貸してくれたのがこの小説。

    太宰治の小説はわりと好きだと思うけど、この小説は数ページ読んで放置、時が経ったころまた最初から数ページ読んで放置。
    その繰り返しで、今回やっと読みきることが出来た。
    (私の脳はとても残念で、小説に出てくる「風景」を想像するのが極端に苦手である。そのためこの小説でも太宰がどこを歩いているのか全然想像できなかったため何度も心が折れた。あと文献難しくてわからないよ!!)

    「卵味噌のカヤキ」!これには驚いた。なんせうち(千葉県民)では昔から病人食のお粥に卵味噌を乗っけていたので、青森のものだとは知らなかった。大好物!
    ばあちゃんがお母さん(外国人)に教えてくれたんだっけな・・としみじみ。

    客人のもてなし方も親父と完全一致で苦笑。もてなしたい一心での行動なのかと思うとちょっと憎めない。

    小説の最後、たけとの話は感動。

    太宰治ってこんな笑いを誘うような文章も書けるんですね。すみません知りませんでした。喜劇チックな小説を他にも出しているなら読みたい。それと、太宰のエッセイがまだ何冊かあるようなのでこちらも読みたい。

著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

津軽 (新潮文庫)のその他の作品

太宰治の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ドストエフスキー
夏目 漱石
三島 由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする