人間失格 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 1939
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006055

感想・レビュー・書評

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  • こういうダメ人間のストーリーは、映画でも本でも惹かれるし気に入りやすい。
    私は、酒もタバコにも溺れないけど葉蔵みたいに道化として生きてきた。人間性は共感するところが多かった

  • 太宰治の本ははじめて読んだけど、これはたぶんどんな人間でも少しは主人公に共感する部分があると思う。

    それだけ人間は人間を信頼していなくて、心の奥底と対面的なもののずれを日々の振る舞いで調整するので、感情が不安定になる。

    主人公の場合、それが極端に悪い方に行ってしまったんだけど、言い換えれば誰もがそうなる可能性があるという怖さを感じました。

  • 10年くらいぶりに読み返してみた。

    初めて読んだときのズガーンと撃たれるような感覚はなかった。
    一度目に読んだときよりも自分がちょっとだけ大人になったのか、「何を甘えてやがる、みんな多少は他人との分かりあえなさを抱えて、その上で笑ってるんだよ」と思わないでもなかったが、他方で、主人公にひどく共感してしまう気持ちもやはりあったりする。

    『弱虫は、幸福さえおそれるものです。綿で怪我をするんです。』
    良い表現だよね

  • 友達が「読むと引きずり込まれる感じがする」と言っていたからすこし警戒して読むタイミングを迷っていたけれども、読んでみたら太宰治はかわいいなあ、という感想ばかりだった。
    もちろん、主人公=作者ではないけれど。

    はじまりと終わりに主人公・葉蔵とは別の第三者視点の文章が入る。
    そして、物語のベースが太宰治の人生ということは明らか。
    徹底的に、自分の人生を客観視しているような作風だと思った。

  • 思わず、太宰治の友達や知り合いになりたくなる。 これだけ、心の純粋な人だと、 世間で生きるのは辛いだろうなと。 太宰治は心の弱ってる人の味方ですね。 上手く言えないけど、分からない人には分からない辛さを分かってくれるような唯一の存在な感じがしますね。 「君はひとりじゃないさ」 って言ってくれてるみたい。

  • 読了後静かに雪が胸の中に降り積もってゆくような寂寥感が残った。葉蔵に対する嫌悪感だけは拭い去れないものの、三十路を過ぎて再読してみると違う味わい深さがある。私なんかはバーのマダムに共感を覚えた。葉蔵の頭をヨシヨシと撫でてあげたい感じだ。初読時も思ったがヨシちゃんはやっぱり可哀相。堀木には半可通という言葉が似合う俗物だ。折に触れて読み返したいただ暗いだけで済ませてほしくない文学だと思う。あと葉蔵は萌えキャラ。反撥を覚えながらもどこか葉蔵に惹かれてしまうのは浮き世の垢を清濁合わせ飲むことを拒否した無垢さ故か。

  • 相当もてたんだろうなぁ、と。ところどころ気持ちがわかるわ。手紙をわざと横で書いて、見せてみろって言ってあげるとあらいやよあらいやよって嬉しそうに言うのをみて鳥肌が立つみたいな表現、女の私でもすごく理解できると思った。

  • 最初、主人公はサイコパスなのかと思ったけど多分違った。人間の心理などが理解できなくて、人間世界を恐れ、ひたすら道化を演じて世の中を生きていく主人公のお話。共感はできないけれど、ぐいぐい読ませられる。前半はただひたすら人間を恐れ、自然な感情を持てない極めつけの道化師だった主人公が、だんだん少しずつ人間らしくなっていく様子を見てなんだかほっとした。最後のほうで、主人公が死にたがるところで感情移入した。あと、あとがきの最後に書かれていたバーのマダム(と思しき人)の一言が、多少人間不信のある私には、「他人はあなたが思っているほどにはあなたを酷く思っていないよ」と言っているように思えた。面白かった。

  • 通常、読書はレビューありきではない。
    ただ読書好きとして、少なかれ備わっている性質と言える。
    だが、この本の読書中は、解説も分析も無駄かも知れない。
    かの男の手記を、只管追うことになるのだから。

    苦痛
    苦悩
    恐怖
    脅迫観念
    罪(犯罪あるいは原罪)
    因果応報
    自業自得
    等々

    この作品は、全ての感想を許容すると同時に、そのいずれかでもない。
    かの男の言動には、否定も肯定もあるだろう。
    私は現時点での感想に決着を付けるため、非難を覚悟のうえ敢えて書評を記す。

    『人間失格』は手記の体裁を採用しているため、のっけから読者を引き込む。
    「はしがき」から「あとがき」まで含む、実に興味深い構成を成している。
    本書は、恐らく著者の精神的な叫びであろうか。
    私の告白について来れるかい?
    そう問われている錯覚に囚われる。
    太宰と時代を共有した、連載当時の読者が羨ましい。

  • 数年前に読んだ時は、途中で嫌になって、なんとか読了、という感じだったが、今回読んでみて、前より読みやすい感じがした。
    学校の宿題で、記述式のワークシート2枚を埋めながらやったからだと思うけれど。

    私は葉蔵とは違うかな、と思いながら読んだ。
    堀木とか、ヒラメタイプになりそう。

    今読んでもまったく色あせない作品なのが、本当にすごいと思う。
    好きな人も嫌いな人も、どっちもいるけど読み継がれる、傑作だと感じた。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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