人間失格 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.70
  • (1756)
  • (1854)
  • (3161)
  • (251)
  • (66)
本棚登録 : 15901
レビュー : 1939
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006055

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 文字から漂う狂気がただひたすらにヤバい。

  • 再読。以前読んだときには、全然おもしろくなかったのに。

  • 20年ぶりくらいに読んでみたら、印象が全然違った。
    自分ももうすぐ太宰が死んだ歳かと思うとしみじみ。

    それを超えたら中年の危機が待ってる気がする。
    なんとなく。

    しかし、情死する相手は無し(笑)。

  •  自意識を拗らせ、道化を演じ、破滅していく主人公と自分とを重ねあわせ、彼と自分は紙一重であると震える。

  • 2015.11.25
    後半が自殺以後に発表された、太宰文学の総決算ともいうべき作品。生きる能力を失い、なりゆきに任せ、癈人同然に生きる男の手記......それはこの世を去るに際してこれまで胸底にひた隠しに隠していた自分の正体を書きのこした陰惨な自画像ともいうべきものである。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」(裏表紙より)

    何度読んでも、ああ...と思ってしまうというか。私はどうやら、救いようもない人を描いた小説が好きなようである。この作品の主人公葉蔵然り、ドストエフスキーの小説の主人公や、嵐が丘の主人公同様、もうこれは、この人間は救われない、なんで、ああ、なんでそういう道を選ぶのか、なんでそんな運命を選ぶのか、どうして、でもそれしか選べないのか、もはや抗えないのか、単純に運命に翻弄されているのではなく、自らの人間性、自らの狂人性に翻弄される姿に、どうしようもない人間がどうしようもない道をどうしようもなく選んでいく姿に、なぜか美しさを、人間の美しさを感じてしまうのは、そしてなぜか慰めというか、共感というか、そんな気持ちになってしまうのは私だけだろうか。過去に何度か読んだことがあるが、その時よりもだいぶ、客観的に読めた気がする。この主人公のような人間の心理を、理解することは、正直難しい。下手にこの悲劇的主人公と自己を同一化しようとすることを省けば、正直なぜここまで、世界を恐れ、それでいて世界を愛そうと、信じようと願ったのか、さっぱりわからない。にも関わらず、何か、共感できるものも感じてしまう。酒にタバコに麻薬にというあの渇望は、日常生活でよく感じることではないだろうか。愛することも信じることもできず、そしてそれを良しとすることもできず、孤独を苛み、世界を恐れ、世界に受け入れられず、世界に裏切られ、世界から目を背け見えないふりをすることができず、なんなら見ないということもできず、剥き出しの心のままで真実を見据えながらズタボロに生きた主人公の手記。

  • さすが、永遠のベストセラー、インパクトは錆びませんね。心象的自叙伝に、救いがなく、力削がれていく感じがあり、妖しく強い芳香を放っています。改めて読むと、巷間の俗物の小狡さやしたたかさ、偽善の描写への容赦のなさに目がいきます。太宰は、死ぬまで世間と折り合えず、居場所のない居心地の悪い孤独な時間を過ごしたのでしょう。

  • 太宰は、読んで深く共感して信者みたいになる人と、嫌悪感を感じて批判する人に分かれるというイメージがあった。そして自分は絶対に後者だろうと思っていた。思春期に「メロス」を読んで嫌悪感を感じた経験があったからだ。でも自分のダメなところも冷静に見られるようになった今、初めて太宰の代表作を手に取り、この主人公に共感する自分に驚いている。人間誰しも道化を演じたことがあるということだろう。

  • 頭脳明晰、裕福な家庭に生まれ、顔は端正。非常に恵まれて育った葉蔵だがその人生はモルヒネに自殺未遂と波乱万丈だった。
    他人の感情が分からず怯え、自分を守る為道化の上手になる。物語のラストでは葉蔵を知るマダムが彼を「神様みたいないい子」だったと言った。
    そんな男が人間失格の訳がない。
    恐らく葉蔵はいい子過ぎたのだと思う。
    他人の感情が分からないなんて誰だってそう、普通の人間は分からないなら自分に都合良いよう冷酷にも解釈する。それが彼の場合いい子過ぎて出来ず自分自身を失い、出会った人全てに流されてしまい、自殺未遂、モルヒネといういい子とは縁遠い結末を迎えてしまっただと思う。

  • 再読した。人間の中のドロドロしたものを再認識した。やはり太宰は面白い。

  • 火花と一緒に購入。太宰治も人間失格も、ずっと前から知ってはいたのだけど、この歳になって初めて読んだ。

    簡単に言ってしまえば、主人公の人間が怖い、女は難解、そして父との関係性など、とにかく「自分もそうだ」と当てはまる事が多々あって、最初から最後まで通して、共感の嵐という感じだった。

    解説にも書いてあったが、「読者はまるで自分ひとりに話しかけられているような心の秘密を打明けられているような気持ちになり、太宰に特別の親近感を覚える。そして、太宰治は自分と同じだ、自分だけが太宰の真の理解者だという同志感を持つ」というのが、本当その通りだと思った。

    また読み直したいし、太宰治の他の作品も今度読んでみたい。

全1939件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

人間失格 (新潮文庫)のその他の作品

人間失格 (青空文庫POD(シニア版)) オンデマンド (ペーパーバック) 人間失格 (青空文庫POD(シニア版)) 太宰治
人間失格 (青空文庫POD(ポケット版)) オンデマンド (ペーパーバック) 人間失格 (青空文庫POD(ポケット版)) 太宰治

太宰治の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
遠藤 周作
ヘルマン ヘッセ
武者小路 実篤
坂口 安吾
谷崎 潤一郎
ヘミングウェイ
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする