人間失格 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 15907
レビュー : 1940
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006055

感想・レビュー・書評

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  • 名著です。そして、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』と同じ種類の嫌な物語です。読者の魂にストロー挿して吸ってとんずらするんじゃねえよ!と愚痴りたくなる読後感がポイントです。

  • 太宰治が完成した最後の作品。
    「恥の多い生涯を送って来ました」で始まる。
    その通り、人間社会で生きていくことに失格したと最後に自認する人間の半生を描いた作品。
    太宰治の率直さと純粋さが愛される理由なんだろうなぁと思います。
    内容に関しては、とくに触れないですが、なぜかわからないけど、読み終えたあと涙が止まりませんでした。

  • 「不幸。この世には様々の不幸の人が、いや、不幸な人ばかり、といっても過言ではないでしょうが、しかし、その不幸は所謂世間に対して堂々と抗議ができ、また『世間』もその人たちの抗議を容易に理解し同情します。

    しかし、自分の不幸は、すべて自分の罪悪からなので、誰にも抗議のしようがないし、また口ごもりながら一言でも抗議めいたことを言いかけると、ヒラメならずとも世間の人たち全部、よくもまあそんな口がきけたものだと呆れかえるに違いないし、
    自分はいったい俗にいう『わがままもの』なのか、またはその反対に、気が弱すぎるのか、自分でもわけがわからないけれども、とにかく罪悪のかたまりらしいので、どこまでも自ずからどんどん不幸になるばかりで、防ぎ止める具体策などないのです。」


    よく、他人から、「一体何で悩んでいるの?話聞くよ」なんてことを言われることもあると思う。

    深く思う。ああ、これだ、これなんだ・・・。自分が自分であるが故の苦しみなんだ、と。
    自分ですら、良く分からない苦しみなんだ。

    そして、誰にもそのことを分かってもらえないがゆえに孤独で、「世間」と疎外され、そのなかを不安とともに生きていかねばならない。
    人の独りよがりの「善意」―それも、マジョリティがそろって「善い。何が悪いのか」という善意―によってかえって傷つき、生きていくべき場所を失いつつ、なおかつ生きていかねばならないという矛盾。

    ほのかな光を見つけても、再び闇へ闇へと引きずり込まれていく描き方は読者の胸に深く突き刺さるのではないだろうか。

    とくに、「自分」が精神病院に入れられ「廃人」という烙印を押されるまで、友人たちが優しく接してくれたという顛末。


    胸にたたみかけるような迫力で文字が迫ってくる体験だった。

    特に「第3の手記」の後半、「自分」が人間失格になってしまうまでの性急に堕ちていくたたみかけを読みつつ鳥肌の立つような興奮を覚えた。

    「自分」は神に罪を問うが、この作品では「神」が立派なテーマになっている。それも救いの側面が一方的に取り払われ、ただ、絶対的に恐れるしかない対象―「世間」「自己」の表象のみでなく、その深く、人間存在の深淵の混沌―のようなものである「神」。

    読んでいるときは、あたかも自分の人生が主人公と重ね合わされて堕ちていくような怖さに襲われるのであるが、
    死ぬことすら許されない煮え切らない「バッド・エンド」の読後に思うことは不思議と意外と「スッキリ」したものであった。それはなぜかはわからないが。

    それまでこの作品を忌み嫌おうとして遠ざけていたのかもしれない。しかし、人間の深淵の混沌から正面と向き合うことで、「それをどうするか」、それに対して「自分」はどう生きるかというヒントを投げかけられ、物事をごまかさずはっきりみる目をもつことが与えられたように感じる。

  • 10代の頃,太宰治に共感しました。
    人間失格をはじめ、何冊か読みあさりました。

    人間失格は人間としての限界が何かを考えるのに役立つかもしれません。
    世の中の幅の広さを知るための1つのものさしとして読み返しています。

    太宰治ほど才能がありません。
    ある人にとっての自信のなさは、他の人からみると自信があるからやっているように見えるかもしれません。
    他者の目が必要なのだと思いました。

    宮部みゆきの「人質カノン」の「生者の特権」を読むと均衡が取れるかも。

  • 恥の多い人生を送っている最中です。

  • 久しぶりに、ほぼ休まず一気に読んだ小説でした。
    個人的にはすごく惹きこまれる小説でしたが、内容的に、好き嫌いがはっきり分かれそうな話かもしれません。
    他の太宰治の小説を読んでみようかなという気持ちになりました。

  • どうも受け付けられなかったな

    暗い気持ちになるというか、反面教師的な小説だと位置付けている

  • 何回も読むたびにきっと考えさせられる本

  • 読んでいて、自分は葉蔵とは違う、と思いつつもところどころ共感してしまう。
    強烈に響くフレーズも多くある。
    彼は最後に自分のことを人間失格と記した。では、人間とは何なのだろうか?エゴの塊か?

    自殺未遂、酒に溺れ、果てには精神病院に収容と、緩やかに堕落していく葉蔵。
    救いようのない話なのにどことない安らぎを感じてしまうのは何故だろう?
    あとがきのマダムの言葉も意味深。

    連載中に太宰が自殺したこともあり、よく人間失格を読むと死にたくなるという話を聞くが、なぜだろう、私は逆に生きたくなった。

    文章自体は読みやすいし1日で読破できるが、今の私には一度読んだだけでは完全に理解することは不可能に感じた。
    いつかまた読みたい。

  • 「人間、失格」って、太宰さんに烙印を押されたいです。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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