走れメロス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4535
レビュー : 513
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006062

感想・レビュー・書評

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  • ❤︎「心臓は大切」❤︎

  • 「駆込み訴え」のみ青空文庫で読了。これはめちゃめちゃすごい。読み終わったあとゾワッと寒気がきた。端的に言ってしまうとヤンデレなユダのキリストへの歪んだ愛憎をユダの語りで描いているのだが、こんな視点もあったのかと驚き。太宰は敗者に光を当てるのが本当にうまい。若い頃読んでいたら変にカブれてしまったかもしれないが、大人になって初めて読んだので客観的に文章のうまさが味わえる気がする。これが口述筆記で一気によどみなく語られたと言うのだからすごい。読んでいる途中で「もしかして…?」と思っていたらやっぱりユダだった。

  • 大人になって読むと、自分のことが書いてあるようでハッとする作品群。

  • 「走れメロス」
    高校の演劇鑑賞会で演劇を観ました。話は読んだことがなかったのでいつか原作を読もうと思っていました。その時の情景が浮かび懐かしかったですね。

    「富嶽百景」
    甲州での美しい風景が浮かびます。河口村は郵便が直接は届かず、郵便局まで取りに3日に1回行かなければならない。険しくも自然豊かなところなのでしょう。

  • 久しぶりに太宰治を読んだ。読んで、やっぱり好きだなあと思った。
    自叙伝的な小説が多く収録されていて、彼がどれだけ悩みながら生きたかということがとても伝わってきた。
    作品はもちろんどの作品も好きだが、解説が個人的には好きだった。
    太宰治の文章を読んでると、自分との共通点をたくさん見つけられる。自分もこんな風に悩んだり苦しんだりしている、それを他の人が文章にしているのを見ると、何だか落ち着くような気がする。
    決して明るい話ばかりではない。だが、なかなか人と人生の暗い部分を分かち合えない自分にとって、それができる数少ない手段なのだと思う。
    そんな小説を書く太宰治だが、私はその文章に、オノマトペや比喩など、ところどころに可愛らしさを感じる。
    そういうところが何だか愛しいなと思いながらいつも読んでいる。

  • セリヌンティウスと呼ばれていたのを思い出した

  • 「駆け込み訴え」からの「走れメロス」はズルい。

  • 太宰治の作品はおそらくすべて読んできたが、この本の中の「女生徒」という短編は最高傑作だと思う。朝目覚めてから夜眠りにつくまでの一日を描いているだけの話。太宰の感性、想像力、構成力、その圧倒的な才能にただただ驚かされた。「富嶽百景」や「駆け込み訴え」などの名作も収録されているのでうれしい。表題の「走れメロス」は言うまでもない。「女生徒」を本のタイトルにして女性の告白体の作品を集めた短編集も角川文庫から出ているが、私は新潮文庫で読んだのでこちらにした。

  • 走れメロスを含む短編集。非常に面白かった。特に「駆込み訴え」は人間の本質と揺れ動く心をこれでもかとえぐっている。

  • 太宰の豊かな才能が感じられる素晴らしい短編集でした。

    『ダス・ゲマイネ』
    全体を通してよくわからない物語だったんですが、リズムがよく楽しく読める文章でした。なぜかくすっとしてしまいました。登場人物が魅力的だったからでしょうか。
    馬場の佐野次郎に書いた手紙が好きです。嘘ばっかりでもなんだか憎めません。佐野次郎も、佐竹に「僕は馬場さんを信じています」と言ったところが印象に残りました。

    『満願』
    3ページの短い小説ですが、ほっこりするお話で大好きになりました。私にも、奥さまの姿は美しく思われました。

    『富嶽百景』
    色んなところから見える富士山が描写されていて、姿を変える富士山が頭の中に自然と浮かび上がってきました。月見草の似合う富士山を、見に行きたくなりました。

    『女生徒』
    ある女生徒の一日を女生徒目線で描いたお話でした。思春期の少女の持つ悩みや寂しさなども描かれていたのですが、相変わらず共感を覚えさせてくれました。メモしておきたい文章がたくさんありました。
    ただ、太宰の描く少女はとても美しいです。綺麗なことばかり書いているわけではないのに、この子は素敵な少女だなあと温かい気持ちになりました。家事をきちんとこなす姿や家族への愛情は、見習いたいものです。

    『駈込み訴え』
    主人公が語りかける口調で描かれていて改行がほとんどないのですが、リズムよくすらすらと読むことができました。愛しているからこそ、その思いが強すぎるからこその、嫉妬や憎悪、殺したいとさえ思う気持ちといった人間の複雑な感情が伝わってきました。
    その分、最後のページはゾッとしました。どこまで嘘で、どこから強がりなんでしょう。

    『走れメロス』
    唯一、昔授業で読んだことがある作品でした。
    信じてくれる人がいるから頑張れるんだなと、二人の友情を羨ましく思いました。疲れると何もかもばかばかしくなってしまうのは、わかる気がします。
    途中、メロスは自分のことを正直な男と言い走るのですが、"路行く人を押しのけ、跳ねとばし"走ったシーン(p178)は、おいおい急いでいるからってそれでいいのかとつい笑ってしまいました。

    『東京八景』
    東京の風景ではなく、 風景の中の私が描かれた作品でした。
    無知なので物語がどのくらい真実なのか創作なのかわかりませんが、読んでいて苦しくなりました。怠惰な生活って他人から見たら軽蔑されることなのかもしれません。けれど実は全うに生きている人よりも非難されることも多くて、その人にしかわからない苦悩もあるのでしょう。無法者だという主人公が力になったら、強いだろうなと思いました。
    そういった人生を歩んでそれをさらけ出す太宰の小説が大好きです。

    『帰去来』
    十年帰っていなかった故郷に、北さんに連れられて帰ることになったお話でした。東京で醜態をやって来ており許されるはずがないと、生真面目な兄をこわがっていましたが、故郷や生家、家族はいいものだと思わせてくれました。北さんや中畑さんといった優しい方に囲まれているのが羨ましいです。
    太宰の生家がある金木町に、いつか行きたいと思います。

    『故郷』
    『帰去来』の続きのようなお話でした。母が重態だと知り再び生家に帰ることになるのですが、今回も兄をこわがり北さんに頼りっぱなしになっています。
    しかし最後、北さんがいなくなってから兄弟が自然と集まっていたところは胸が熱くなりました。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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