走れメロス (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006062

感想・レビュー・書評

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    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101006067
    ── 太宰 治《走れメロス 200502‥ 新潮文庫》
     
     走るな、メロス! ~ 三ツ星レストランにて ~
     
     二人でレストランに入る。もし勘定が足りなければ、どちらかが立替
    えるか、いったん貸しをつくり、返すのを待つような関係だった。
     ところが、食事中に喧嘩して、片方が怒って先に帰ってしまった。
     
     帰りぎわに、自分の分だけ払ったとしても、残された方に持ちあわせ
    がないと面倒なことになる。店によっては、ガラリ態度が変ったりする。
     持たざる者は食うべからず、というわけだが、友情はいずこ?
     
     メロスとセリヌンティウス
     
    (20140825)
     

  • 言わずと知れている太宰治の代表作
    「人間失格」のイメージが強い人からすると、人間不信の面を除いては、とても太宰治とは思えない疾走感ある作品だと思う。

  • 「駆込み訴え」が実に王道、と聞いたので読んでみたけど一つ目の「ダス・ゲマイネ」の時点ですごかった。
    「女生徒」の、ころころ考えていることが変わる思春期の可愛らしさにロマンを感じた。

  • 太宰治の短編小説集です。太宰の作品は新潮文庫からたくさん出ていますが、その中でもお買い得な一冊かと思います。というのも、この短編集は他の作品集と比べても特にバラエティに富んでいて、太宰作品のいろいろなスタイル、魅力を知ることができるからです。

    冒頭の「ダス・ゲマイネ」は初期の太宰にみられる独特の「捨て鉢感」みたいなものが全開に出ている作品です。一度読んだだけだと何のことやらさっぱりわかりませんが、何度か読み流しているうちにハマるところがところどころ出てきます。

    中盤に収録されている「富嶽百景」、「女生徒」、「駆込み訴え」、「走れメロス」は、それぞれ非常にキャラの立った作品だと感じます。特に「走れメロス」、教科書で読んで以来ひさしぶりに読みましたが、さすがの完成度。

    後半の「東京八景」、「帰去来」、「故郷」は、太宰の得意とした自伝的作品。自虐的ともいえる表現を交えながら、読者の共感を呼び覚ますような、なんともいえない哀しい心境がとつとつと語られていきます。

    わたしは『晩年』、『二十世紀旗手』という初期作品集が大好きで、正直に申し上げると本書は「インパクト不足」に感じました。しかし冒頭に申しあげたとおり、太宰の多様な側面を伺うことができるという意味では群を抜いている作品集という印象です。

  • 女生徒っていうのは、読んでいて楽しいな。こんな女の子、今、いないでしょうね。メロスは、泣けます。知っていても泣けます。歳をとればとるほど泣けます。本当です。

  • 駆け込み訴え、満願、東京百景が特に好き。太宰治にハマった。

  • すばらしい短編集。題名の作品以外も佳作あり。個人的には『女生徒』が文体を含め話に好感持てる。

  • 「ダス・ゲマイネ」
    芸術家きどりのほら吹き連中に振り回されて
    なにが真実かわからなくなった男の子が
    ぼうぜんとふらついて
    列車にはねられる

    「満願」
    ここに語られる二元論とはつまり健康と不健康のことだ
    もちろん健康が大事である
    しかし太宰の創作を支えたのは、むしろ不健康だったのではないか

    「富嶽百景」
    太宰治の実家は津軽の名家であるが
    その実家から、半ば見放されたような状態にあった彼は
    富士山と向き合って己の精神を立て直していく
    筋のない、「心境小説」というやつだ

    「女生徒」
    現在・過去・未来
    人生の幸福は、いったいどこにある(あった)のか
    それがわからないから、娘は不安定だ

    「駆け込み訴え」
    聖母マリアは現在に幸福を見た
    マグダラのマリアは、イエスに出会うまで、己の幸福を
    過去に過ぎ去ったものと信じていただろう
    そしてイエス・キリストは未来を信じていた
    イエスは、ユダの心に己の未来を見たはずである

    「走れメロス」
    ヒューマニズムを無邪気に信仰するような
    なにかプロパガンダじみたお話で
    通常の作風と比較するに、半分ジョークで書いたんじゃないかと
    疑わしい部分はある
    ただ、この作品に裏切られた人々の怨念が
    やがて後世の「リアル鬼ごっこ」に結実したのではないかと思えて
    そら恐ろしい部分もある

    「東京八景」
    自殺から生還するたびに、その時だけはみんなが優しくしてくれる
    ついたウソも、全部うやむやにできてしまう
    まさしく生まれ変わったようなもので
    しかも、それをネタにして小説を書き、お金がもらえてしまうのだ
    ……太宰治の短編小説には、芥川龍之介の影響下にあるものが多く
    この本においても、「女生徒」「駆け込み訴え」「走れメロス」などは
    芥川的な、人間の精神の揺らぎを描くものであるが
    この、「東京八景」における
    「自分は愛されているはずだ」という根拠のない確信をもって
    周りの人を小説のネタにしてしまう図太さだけは
    どうあがいても、芥川に持ちえなかったところのものである

    「帰去来」
    実家に顔向けできない太宰が
    世話してくれる人のすすめで里帰りする話

    「故郷」
    「帰去来」発表の翌月に、太宰の母は亡くなってしまう
    母危篤の報をうけてふたたび実家を訪れる話だ
    故郷において、まるでよそ者のような心地を味わう彼の
    さみしさ・寄る辺なさが、哀感とともに書かれている
    しかし、これって実家に読ませたくて書いてんじゃないかなあ、という気は
    しないでもない

  • 申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い。酷い。はい。厭な奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。
    2014/04/04-04/15

  • 表題作「走れメロス」ももちろん面白かったが、それ以上に作者がどこまでも落ちぶれていく様を描いた「東京八景」のインパクトが凄かった。またそこから「帰去来」を経て「故郷」に至るまでの、完全に絶たれてしまっていた故郷との縁がとても寂しく感じた。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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