走れメロス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4539
レビュー : 515
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006062

作品紹介・あらすじ

人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な力強い文体で表現した『走れメロス』など、安定した実生活のもとで多彩な芸術的開花を示した中期の代表的短編集。「富士には、月見草がよく似合う」とある一節によって有名な『富岳百景』、著者が得意とした女性の独白体の形式による傑作『女生徒』、10年間の東京生活を回顧した『東京八景』ほか、『駈込み訴え』『ダス・ゲマイネ』など全9編。

感想・レビュー・書評

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  • 全九遍の短編集で、一番有名なものは表題となっている「走れメロス」だろう。私も中学時代に読んだ記憶があり、あまり面白いとは思えなかった。教科書に出てくるものではやはり「富嶽百景」の方がよほど面白いと思う。
    九遍の中でのお気に入りは「ダス・ゲマイネ」と「駆込み訴え」。
    「死ぬことだけは、待って呉れないか。僕のために。君が自殺したなら、僕は、ああ僕への嫌がらせだな、とひそかに自惚れる。」(ダス・ゲマイネ)p.20

  • 自分の命がどうであろうと、他人を助けようとするところに感動した

  • 短編小説だが語り継がれる正義についてのお話
    感動し勇気もらう

  • まあ

  • ダス・ゲマイネ
    ドイツ語で通俗性、卑俗性の意。一説には津軽弁の「ん・だすけ・まいね」(それだからだめなんだ)のもじりとも言うそう。もじり説の方が好き。
    太宰本人が登場する展開には驚いた。だけど作中人物は全員太宰の分身ではと思えるほど似たところがあり、「太宰」が一人しかいないのが不思議なくらい。
    悪夢のような演劇のような非現実感のある作品。

    「富嶽百景」
    何度目かの自殺未遂の後、心機一転にと山梨県御坂峠の天下茶屋で缶詰したときのことを描いた作品。ここで井伏が紹介してくれた甲府のお嬢さんと、井伏の媒酌で結婚したとか。
    折々変わっていく富士への心情が面白い。『この人を頼みます』と雑にお願いするシーンが和んだ。
    月見草のくだりは思ったより短めで、どちらかといえば月見草の凛とした姿を褒めている感じ。

    駆け込み訴え
    一番好き。
    はじめ何もわからないところから始まり、「おや?まさか?」と思いながら読んでいき、「やっぱり!」で終わる珍しい形式だと思う。
    最後の、「私は、ちっとも泣いていやしない」で毎回涙腺崩壊します。

    東京八景
    太宰32歳までの総まとめ。尋常ではない迷走ぶりが痛々しくてちょっと辛い…最後は開き直り的ポジティブさが窺えるけれど、でも最後アレだしと思うとやっぱりつらい。

  • 2019.4.23(図書館)

  • 2019年2月20日、「ダス・ゲマイネ」を読み始める。

    ウィキペディアによると、

    題名になっている「ダス・ゲマイネ」は、ドイツ語で「通俗性」や「卑俗性」といった意味がある「Das Gemeine」に由来し、云々。

    23頁まで読んで、図書館に返却。

  • 走れメロスだけ読んでみた。よく知っているお話。さすがに素晴らしい。また機会があれば他のお話も読んでみたいと思います。

  • 若い頃は読めなかった作家だが
    繊細ながら豊かな感性に惹かれる
    富嶽百景はユ-モアに溢れ太宰さんってこんな人だったんだ

  •  『(寝てんじゃねえよ死にてえのか、ブン殴られたくなかったら)走れメロス』そんなタイトルでもいいんじゃないだろうか。

     由布院に旅行する計画を立てていた際、太宰治が暮らしていたアパート「碧雲荘」が移築されていることを知り、せっかくだから久々に太宰治を読んでみようかと思い手に取ったのがこの本。この短篇集を選んだのは、「碧雲荘」が登場する『富嶽百景』が収録されているから。
     今までに読んだのは、『人間失格』『斜陽』『ヴィヨンの妻』。非常にダークな印象は言うまでもなく抱いており、温泉への旅路で読むような本ではないかもしれないな、と思って読み始めたが、その予想は鮮やかに裏切られることとなった。

     『富嶽百景』『東京八景』『帰去来』『故郷』など、人の弱さと優しさが描かれる、きりっと冷たくも奥底に暖かみのある短編が多かった。小説を読んでいるというより、太宰治という一人の人物の足跡を辿っているようで、相変わらず不思議な心地になる。
     そして、そんな短篇を書いた太宰が今後破滅してしまう事実が、私にはまだよく飲み込めていない。

     表題『走れメロス』のキレッキレな文も非常に面白い。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ」というメロスが余すところなく見せる自身の弱さ、それとの葛藤。
     自分がクズだからこそ誇り高く生きることを志向しなくちゃ、と日々考えながらクズな生活を送っている自分には、この話は笑えると共にひどく心を打たれるのだ。

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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