パンドラの匣 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2669
レビュー : 279
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006116

感想・レビュー・書評

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  • 今度甲府に行くので、ひっさしぶりに太宰読み返した~。
    ああ、やっぱり私は永遠の中二病なのかすら・・・太宰はやっぱりイイ。
    しみじみ優しい。その優しさが染み渡る。読んでて、そりゃモテるわ!!とひしひしと感じる。女性に対する目線も優しいんだもんなー。
    とりあえず、私の中で、「ひとが描けている!」みたいに思う二台巨頭はやっぱ太宰とトルストイだなー。

  • 明るい太宰治は意外でしたが、青春小説としてあまり自分にはヒットしませんでした。

  • 太宰治の中編小説、『正義と微笑』と『パンドラの匣』の二作が収録された本です。

    裏表紙によると"明るく希望にみちた青春小説"との由。ここ数カ月はそんなの読むような気分ではなく、長らく積読状態にあった一冊です。このところ少し頭がほどけてみたので改めて読んでみました。

    実際に読んでみると、どちらの主人公にもなんというか、陰影があって、単純に明るいだけではありません。特に『正義と微笑』。この主人公の自意識というか自己回転というか、若干の痛々しさがなんともいえずリアルです。自分が高校生の時に書いた日記の痛々しさと共通するものがあります。10代後半って、どうしても世界がクリアに見えてしまうんですよね。

    『パンドラの匣』からは、特に女性の描写に作者の才気を感じました。こんなふうに生き生きと人間を描くことができたら、世界はもう少しおもしろく見えてくるのかもしれません。

    日記形式と書簡形式という一風変わったスタイルで作られた二つの作品ですが、その文体はまごうことなき太宰節。良作だと思います。ただどうしても初期作品と比べてしまうとインパクトに欠けるかな、とも思います。

  • 初めはサナトリウムの恋愛模様に終始するのかと思いましたが、最後は自分自身に有る活力や原動力に火を付けてくれたような、非常に前向きな気持ちになれる作品。恋愛模様は恥ずかしいくらい少女漫画のようでした。

  •  幕ひらく。僕はちっともしょげていない。胸の病気もちっとも気にしていない。匣を開けたばかりにあらゆる不吉の虫が這い出しぶんぶん飛び回った。しかし匣の隅には希望というけし粒ほどの光る石が残った。希望にはあざむかれるが絶望にも同様にあざむかれる。世界の最後の空襲の夜に喀血をした。きのう迄の無理な気取りは消えたのだ、悲痛なんてウソの表情だ。

  • 【本の内容】
    ホントは明るい太宰治。

    二十歳の青年の恋心と純情をユーモラスに描いた傑作青春小説。

    「健康道場」という風変りな結核療養所で、迫り来る死におびえながらも、病気と闘い明るくせいいっぱい生きる少年と、彼を囲む善意の人々との交歓を、書簡形式を用いて描いた表題作。

    社会への門出に当って揺れ動く中学生の内面を、日記形式で巧みに表現した「正義と微笑」。

    いずれも、著者の年少の友の、実際の日記を素材とした作品で、太宰文学に珍しい明るく希望にみちた青春小説。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    暗いイメージを持つ方も多い太宰治ですが、この「パンドラの匣」はそんなイメージを覆す、明るい作品です。

    結核を患いながらも明るく生きようとする青年が健康道場という療養所で過ごす日々を書簡形式で描いています。

    思春期真っ只中の主人公のモヤモヤとした表現にはなんとなく昔を思い出し、こそばゆくなります。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 22.人間失格に続き、2作品目。太宰治の作品は暗いときき、そのようなイメージを持っていたけど、固パンと、かっぽれのやりとりをひばりが第三者的立場で見ているところは笑いが出ました。笑ってしまっていいのかなぁと不安を持ちつつ・・・。なんというか、甘酸っぱい、自分も本当は気になっている人の事を悪く言ってたりしたときあったなぁと、思い出してしまいました(笑)友達にその人を好きにさせないために必死で悪く言ってたけど、相手が親友だったので見破られていましたが(笑)看護師もマア坊のような感じの人も居るし、竹さんの様に真面目一徹の人も居るし^^ とっても楽しく読めました☆ 正義と微笑は近日中に読みたいと思います。

  • 太宰治の作品にしては、明るくて読みやすかった!青春を感じさせてくれる一冊。

  • 再読。太宰治と言えば暗いイメージですが、この作品は珍しく明るいです。
    「正義と微笑」が日記形式で「パンドラの匣」が書簡形式という珍しい形。軽いタッチなので読みやすいです。
    若いときならではの葛藤とか、期待していたのに外れたりとかがよくわかります。
    「パンドラの匣」で主人公がマア坊に好き好き言ってたのに、次ではあっさり翻したりとかして面白いです。照れくさくなって否定する今の私たちみたいに見えました。
    どちらも最後は爽やかに終わっていて、こっちも爽やかな気分になりました

  • 正義と微笑
    16歳の少年が迷える将来を手記の形式にして独白。
    躁鬱とも言えるような気分の高まりと次の日に迎える憂鬱の極み、どことなく自分の今に似ている。

    パンドラの匣
    結核患者と看護士のその療養所「健康道場」でのやりとり。
    太宰治の中でも比較的明るい青春讃歌。

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著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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