新ハムレット (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 829
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006123

感想・レビュー・書評

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  • 古典「ハムレット」を素材に、翻案、新たな肉付けを試みた「新ハムレット」をはじめ、中篇を集めた作品集。

    「新ハムレット」は、善悪の輪郭がはっきりしたオリジナルと趣きを異にし、登場人物がうねうねと逡巡したり、意志が揺れたりする印象があって読みづらく、私にはしっくりこなかった。

    「女の決闘」も、同様にドイツのオイレンベルクの作品『女の決闘』を基に、新たな作品に仕立て直した中篇。
     この作品では、原作・原型の骨格を基に、云わば行間の部分で、女の思いや情の部分を膨らませたようだ。

    「乞食学生」。玉川上水の土手で、風変わりな青年と出会う。妙に自信家で傲岸な男で、彼との奇妙な1日が始まる。井の頭公園(らしきところ)の池のほとりの茶店を経て、吉祥寺、渋谷へと至る道行。そして、意外な落ちで終幕する。

    古典を基に新たな作品を創造せんとしたこれらの作品、私は好みではない。

著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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