きりぎりす (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1978
レビュー : 183
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006130

感想・レビュー・書評

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  • 前に読んだ 走れメロスと違い 作者の作家としての自己批判がところどころにあらわれる作品集です。面白かったのは「黄金風景」「蓄犬談」「きりぎりす」「佐渡」。文体も意外に読みやすく他の作品も読んで見たいとおもった。

  • 『ヴィヨンの妻』の余勢でそのまま中期の短編集を読んだのだが、
    とても良かった。気に入った。
    この年になって、この良さが感じられるようになったのだと思うが、
    またあと10年ぐらいしたら読んでみたいと思う。


    『燈籠』
    「私は、水野さんが、もともとお金持の育ちだったことを忘れていました」というところ、おっと思った。

    『姥捨』
    太宰の心中は趣味のような一面もあったような気になるが、
    それぐらい、淡々としている。
    最後の一行がとてもいい。

    『黄金風景』
    6ページの短編なのに、やられたと思った。
    見事な切れ味。

    『畜犬談』
    主人公は最後に思い出した希望をまた忘れるかもしれない。
    しかしこの一瞬だけでも、泣けた。

    『おしゃれ童子』
    健気なところが哀しくもおかしい。

    『皮膚と心』
    「だって、女には、一日一日が全部ですもの。男とちがう。死後も考えない。思索も、無い。一刻いの、美しさの感性だけを願って居ります。生活を、生活の感触を、溺愛いたします。女が、お茶碗や、きれいな柄の着物を愛するのは、それだけが、本当の生き甲斐だからでございます。」

    『鴎』
    『善蔵を思う』
    切実。
    しかしどちらも、やはり作家としての才能に感嘆する。

    『きりぎりす』
    とてもいい。すごくいい。

    『佐渡』
    最近は町中では砂利道というのはめったにない。
    まれに砂利道を歩くと道を踏みしめるザク、ザク、という音がやけに心地いい。
    北海道と本州とでは土の感じが全然違うと作者は言う。
    確かめてみたいが最近では道はアスファルトなのでどこも同じである。

    『千代女』
    主人公が小学生の頃に書いた2編の作文にホロっときた。
    最後、とてもよかった。

    『風の便り』
    なんか読んでるのがつらかった。
    僕ならこんな手紙をもらったら泣く(笑)
    文学者(強烈な自我)は強いものだ。

    『水仙』
    これもつらい話だ。
    悲しい話でもある。

    『日の出前』
    虚しい読後感。

  • 太宰が28歳から33歳の時に書かれた14の短編小説。
    この作品集を前回読んだ時はあまり心に
    ひっかからなかったが、今回は、
    とても美味しいチョコレートの詰め合わせを
    ご馳走になった後のような満足感。

    どの作品も主人公や登場人物が
    太宰の分身であることが強く感じられる。
    彼は、作品中の人物に自分の想いを、
    読者という「社会」に向かって、
    吐き出させる。

    本当にどの作品も好きだけど、
    特に「鷗」「きりぎりす」「畜犬談」「水仙」が
    良いなと思う。

    「鷗」で己の価値について過小評価する際に
    使われる言葉は一つ一つ、
    不思議な輝きを持っている。

    「きりぎりす」を以前読んだ時は
    夫が嫌なヤツだと思っていたが、
    再読してみると、
    いやいや、妻もこれでなかなか
    強烈な自我やエゴを持つ。
    女って、妻って生き物は、
    へちまの棚一つ作ってくれなくても、
    相手を許せなくなるところがあるかも。
    よくわかっているな、太宰氏。

  • 短編はあまり好きな方ではなかったが、太宰の短編を読んで、その考えがひっくり返された。
    それは、太宰の卓越した心理・情景描写、言葉の選び方が、写真のように一場面を切り取る短編という文章のかたちに、ピタリとはまったからだと思う。それはもう、読んだ後に鳥肌が立つような「切り取り方」だ。
    特に、始まり方の表現がすごい。
    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-427.html

  • 太宰治読んだことなかったけど、すごく良かった!好き嫌いはあるものの、すごい。今と通じてる。

  • 4-14
    あまり覚えていない。

  • 作家太宰治の中期作品を収録。このころの太宰さんは健康的でよかった・・・。作家としてスキルアップすべく試行錯誤のあとも見られる。

    初期・後期の退廃を極めた作品が好きなひとにとっては少しものたりないかも?

  • 太宰治の短篇集。畜犬談、水仙、日の出前あたりがおもろかった。

  • 畜犬談、水仙、佐渡、善蔵を思う、きりぎりす…が好きでした。
    太宰治の短編集。

  • この暗さと影が誰にでも持っている自分にダブるところが・・・。
    これぞ太宰という感じ。

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著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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