新樹の言葉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.56
  • (38)
  • (50)
  • (115)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 627
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006161

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 小説と書き手が親密のようで乖離していることはよくよく承知なのだけれど、やっぱり読むほどに、どれもこれも太宰のことを書いているような気がして、好きでたまらなくなるのは、本当にいけないのである…

  • 何度も繰り返し読んだ表題作。人生を再出発する決意が込められた、「黄金風景」と並ぶ温かい作品。

  • 明るい太宰、と言うと語弊があるかもしれないし、太宰らしい作品を好まれる方も多いかもしれないけれど、一度は読んで欲しい太宰の一面がこの作品集にはある。読んでいて思わず吹き出してしまうものや、頬が緩んでしまうものがここにはあって、彼の「道化」の真骨頂を感じずにはいられない。

  • 太宰治の「葉桜と魔笛」は
    生きること、死ぬことに対する悲しみが
    とても分かりやすく表現されている。
    読みやすい。つまり、伝わりやすい。

    そして優しい。痛々しいほど、優しい。
    優しさとは何か。
    優しさとは、こういう家族のことだ。
    姉も妹も父も、それぞれに優しい。


    家族愛の美しさは
    「新樹の言葉」にも溢れている。

    血のつながりではなく
    乳のつながりが描かれている。
    主人公が大人になってから
    乳母の子供らと出会う。
    この関係性がいい。

    そして「偉くなりたい」というストレートな前向きさがいい。

    作品全体に危うさがあるからこそ
    明るい気持ちが、いっそう輝きを増す。
    それから、この兄妹のために、という感情が強い点もまた
    男が持つ良さなのだろうと思う。

    偉くなりたい、と
    ○○のために。
    この2つがあれば
    やっぱり「いい男」になるらしい 笑
    いつの時代も、それは変わらないのかも。

    一見、この感情は、太宰らしくない気もするけれど
    逆に、太宰だからこそ、これは外さない、
    という感じかもしれない 笑

  • さちよってどんな女性なんだろう・・?
    太宰治の作品はついていけないところがよくあるけど、個人的に好きな作家です。

  • 「火の鳥」が衝撃的だった。
     三人称で、視点移動をしながら綴られる、女優高野幸代についての話。太宰には珍しい構成だったと思う。
     構成だけじゃなくて、ひとも、太宰にしてはつかみにくいというか、性格の飛躍がある気がして、そこから太宰が何を表現したかったのか、本当に気になる。
     物語が助七の思惑通り進む気もするし、あれだけ意味深に絡んでおいてその辺に転がってるだけみたいなのもらしい気がする。まったく予想できない。火の鳥ってタイトルを見ると、助七の思惑通り進んだと見せかけて、みたいになる気もするけど、やっぱりわからない。
     題材たる高野幸代についても、「男は弱いもの」「陰から支えて、支えたことに気づかれないでいい気分にしてあげたい」みたいな考え方を持ってるのに、舞台で脚光を浴びて、しかもその事を自分自身醜いと感じてる。それで自分を軽蔑してくれた人に答えを求めたりする。高須と幸代の対話が見たかった。
     三木さんも、人づてのこととはいえ、「君が評価されるのは君がうまいからでなく、周囲が下手だからだ」とか言っちゃって、幸代がそれをどう処理するのか気になる。
     もうとにかく未完なのが惜しまれる。箇条書きでも続きを見せて欲しかったです本当に。

     それ以外だと、「愛と美について」でろまん燈籠の五人兄弟に会えてうれしかったり、「女生徒」の主人公が書いた体のお手紙が読めてうれしかったりで、にこりとしたくなった。
     あと「懶惰の歌留多」も結構好き。私は物語を通さない太宰自身の言葉をあまり楽しめないんだけど、懶惰の歌留多は、創作と愚痴が交互で、最後までさらりと読めて、怠ける太宰のおまおれ状態に楽しく笑えた。

  • 春の盗賊はいい。

  • 太宰治の中期の作品。
    短編集です。
    初期や後期の作品と異なりすっきりしていて読みやすいかと。
    太宰作品読みたいけど難しそう…という方にオススメ。
    「葉桜と魔笛」「花燭」「火の鳥」が読みやすい。

  • これものすごく好きやな。特に前半。

    「火の鳥」は始めのほう解説どおり文体がフラフラしてたけど、登場人物が長話をしだすとすっかり落ち着いて、女の人が語る男の独りよがりがもう素晴らしく味わい深かった。

    「愛と美について」は「ろまん灯篭」より登場人物の個性が出てたけど、私はろまん灯篭の方が好き。おじいさんよりラプンツェルやろ、やっぱり。

    08.01.06

  • いちページ目から引き込まれ、太宰治さんという人の文章の力を何となく感じた一冊

著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新樹の言葉 (新潮文庫)のその他の作品

新樹の言葉 (青空文庫POD(ポケット版)) オンデマンド (ペーパーバック) 新樹の言葉 (青空文庫POD(ポケット版)) 太宰治
新樹の言葉 (青空文庫POD(シニア版)) オンデマンド (ペーパーバック) 新樹の言葉 (青空文庫POD(シニア版)) 太宰治
新樹の言葉 (青空文庫POD(大活字版)) オンデマンド (ペーパーバック) 新樹の言葉 (青空文庫POD(大活字版)) 太宰治

太宰治の作品

ツイートする