近代絵画 新版 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2020年9月29日発売)
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  • 本 ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101007144

作品紹介・あらすじ

詩は単に詩であれば足りる──ボードレール。絵画が宗教的権威や政治的支配から逃れ、絵が絵として屹立するまで。光と色の関係、モチフの探求、狂気の受容、西欧文明嫌悪、崩壊の直観……著者の慧眼は、画家達の独創精神の振る舞いを通し、その歓喜、そして絶望的哀しみを悉く見抜いていく。近代という奔流の中での絵画芸術の躍動を捉えた野間文芸賞受賞の歴史的名著。カラー図版61点収録。

感想・レビュー・書評

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  • ルノワールってなにがおもろいのか分からず読んでみたけど、小林秀雄もあまり面白いとおもってないみたいだった。ゴッホやモネと同じ空気を吸いながらあそこまで凡庸だったところが逆にヤバイよねみたいな話をしていた気がする。

  • 近代絵画(新潮文庫)
    著作者:小林秀雄
    発行者:新潮社
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    画家達の独創精神の振る舞いを通したその歓喜

  • 小林秀雄の文章を読むといつも思うことがある。
    この人の人間と向き合う異次元なまでの執念はどこから生まれるのだろうと。
    ある境涯と人格を生きた人間の内面に迫る、その執拗さに毎回のことながら圧倒される。

    一枚の絵を前にしているとき、一冊の書簡を前にしているとき、この人は一体どんな思考を巡らせているのだろう?ただ単純に感じ考えているだけとは思えない。全身を賭した何か尋常ではない営為のように思われる。その根源的なモチベーションがなんなのか、それが私は知りたい。教えてほしい。

    "自己を知るとは学術ではない。寧ろそれは一種の芸術だ。なんと当り前のことだろうか"

    "自己観察の型は、他人を観察する型と同じである外はない"

    "自己発見は、無論、芸術家の特権ではないのだが、もし本当にそれが行われるなら、それは芸術家風に行われざるを得ない"

    そう述べる小林秀雄は、やはり自己とも徹底的に向き合ったであろう。
    私は批評に興味はないが、自己と向き合うということには大変興味がある。本当に自己と向き合おうとするとき、自己に対して批評家的態度を取ることは避けられないのだとする。そうだとして、批評という行為を自己に向けることは、躊躇われるような冷たい行為ではないのかもしれない。自らにナイフを突きつけることでは全然ないのかもしれない。この本を読んでそう感じた。もっと沈潜することであり、それはおそらく、その人だけの、その人特有の果実をもたらすことができる、特別な行為なのである。

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著者プロフィール

1931年2月12日生まれ、東京都出身の作曲家。東京藝術大学卒。作曲を長谷川良夫、ピアノを水谷達夫、宅孝二、奥川坦、稲垣寿子に師事。1959年・1961年 NHKから委嘱された芸術祭参加作品のラジオ音楽劇2作がそれぞれ芸術祭奨励賞を受賞する。1966年に中田喜直らと「波の会」(現・日本歌曲振興波の会)を創設し、第二代会長を経て、後に社団法人となった同会の名誉会員を務めた。「落葉松」をはじめとする歌曲・合唱曲やピアノ曲、童謡「まっかな秋」、オペラ、器楽曲、小学校校歌など数多くの楽曲を手掛ける。また、本人が直接合唱団を指導することも。東京藝術大学音楽学部講師、愛知県立芸術大学教授、聖徳大学・同短期大学教授、活水女子大学教授などを歴任した他、1979年には文部省派遣在外研修生としてパリに留学した。このほか、ショパンやリストのピアノ作品の校訂を手掛けた。2017年7月25日死去。86歳没。

「2024年 『混声合唱のための組曲 優しき歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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