土と兵隊,麦と兵隊 (新潮文庫 ひ 2-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101008011

感想・レビュー・書評

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  • シナ戦線における「バンド・オブ・ブラザーズ」。これを読んで、シナ戦線について具体的には殆ど知らない自分に気づいた。調べてみると、徐州の占領は5/20。そういう背景を知ってこの作品への理解が一層深まった。<br><br>

    検閲や圧力があったに違いないが、本書は戦争賛歌などではなく、当時の一市民が兵隊としていかに戦争に関わったかを知る事が出来る貴重な一冊。その点からは、「麦と兵隊」よりも「土と兵隊」の火野伍長の視点の方が、本当のシナ戦線の姿に肉薄していると思う。<br><br>

    先の戦争についての批判が根本的に欠けるとの意見もあるが、戦中に書かれたと言う背景からも、当時の兵隊の偽らざる姿がここにあると思う。読み継がれるべき一冊。

著者プロフィール

1907年1月、福岡県若松市生まれ。本名、玉井勝則。
早稲田大学文学部英文科中退。
1937年9月、陸軍伍長として召集される。
1938年『糞尿譚』で第6回芥川賞受賞。このため中支派遣軍報道部に転属となり、以後、アジア・太平洋各地の戦線に従軍。
1960年1月23日、死去(自死)

「2016年 『青春の岐路 火野葦平戦争文学選 別巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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