文豪ナビ 夏目漱石 (新潮文庫)

制作 : 新潮文庫 
  • 新潮社
3.39
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本棚登録 : 595
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010007

作品紹介・あらすじ

漱石の作品は、かなりヘンテコリンで面白い。『こころ』は男同士の恋愛を軸に展開する話とも読めるし、『文鳥・夢十夜』では文鳥を眺めて美しい女の影を夢想しながら、実生活では奥さんの尻に敷かれがちな漱石の姿が見えてきます。それは普通の人間の、百年経っても色褪せない日々の姿です。

感想・レビュー・書評

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  •  既刊の著名な作品の存在をアピールしたいという思いから出版されている「文豪シリーズ」。わかりやすい評伝、ストーリーの要約、声に出して読みたい場面の紹介…。さまざまな工夫で「文豪」を身近なものにしてくれる。
     以前から時々『こころ』を読み直してみたいなぁと思っていたので、自分の本棚にあった「文豪ナビ 夏目漱石」を手に取った。小学生の頃、高校生の頃、夏休みの読書感想文の宿題のために読んだが、いろいろ疑問だらけだった。親友のKを出し抜いて「お嬢さん」との結婚を決める。Kの自殺。幸せとはいえない先生の結婚生活。そして死。
     本書の中にある三浦しをんさんのエッセイに、私の疑問の解釈がいくつかあって(というかツッコミを入れていて)笑った。だいたいサブタイトル?も「先生ったら、超弩級のロマンティストなのね。」だし。
     北村薫さんが書かれているように「小説というもの」は、「注意深く読むことにより、さまざまな姿を見せる」。じっくり読んで自分なりに考えてみたいと思った。
     
     

  • 夏目漱石は全集を持っているのにハンディではないので、文庫本を購入して読んでいると、新潮文庫の「文豪ナビ 夏目漱石」が目に留まり、んなもの読んでもしょうがないと思っていたが、これがおもしろい。

    その中に三浦をしんがエッセイ「百年経ってもそばにいる」で「漱石の作品って、実はかなりヘンテコリンでおもしろいのだ。」って書いているが、すごい!あたり。

    「それから」「門」と続けて読み進んでいるが、ほんとに変。というかもう、息苦しくて…。でも、やめられない。もちろん文豪だから読むに値するわけだけど、しつこさは半端じゃない。

    親友がいて、恋人をとりあって、自分のものにしたのに、うじ、うじ、うじ。たまらん。このナビによると、漱石の小説は独特の「三角関係」によって「真実の愛」「愛の高揚」を表現しているのではないかと。そして「こころ」がクライマックスの小説らしいと。

    漱石作品ナビ「夏目漱石おすすめコース」は

    「坊ちゃん」…痛快ハードボイルド、ロールプレイングゲーム。
      ↓
    「三四郎」「それから」「門」…ほろ苦青春恋愛+三角関係
      ↓
    「彼岸過迄」「行人」「こころ」…結婚て何んだろう
      ↓
    「草枕」…富、地位、名誉、家庭の安楽がだいじか
      ↓
    「道草」…幸福はどこにあるのか
      ↓
    「明暗」…漱石文学の真骨頂
      ↓
    「吾輩は猫である」「虞美人草」「坑夫」…人生こなれて
      ↓
    「硝子戸の中」…深い哀しみ、あきらめのあじわい

    だそう。うーん、読み極めようという気になってきた。

  • まるごと漱石ガイド。いくつかの作品は概要もわかる。

    中でも三浦しおんの「百年経ってもそばにいる」は面白かった。これを読んだ後で漱石の作品を読むと彼女のように色々ツッコミながら読んで、新しい楽しみ方ができるかもしれない。

    先日『道草』を読んだ。今度は『硝子戸の中』を読みたいと思っている。

  • 『今さら漱石』の指南役として買いました。ダイジェストですが、1つの書籍として読み応え満点です。

  • 夏目漱石の書いた有名どころのあらすじが10分くらいでわかる。素晴らしい。

    学生のときに1年かけて「三四郎」を読んだので、最後には三四郎は彼女の本質を見極めて終わったよなーとこの解説をちょっと不満に思いつつ、ストレイシープとか懐かしすぎだわー!
    とにかく、しをんさんの「こころ」の解説がツボ。
    車内で絶対ニヤニヤしてた。
    「おまえはもうとっくに、俺に惚れてるだろ」って!
    たしかになんでそんなに先生に執着すんだとは感じましたけど。
    そして「おいおい、死ぬ前にずいぶん書いたな」って私も思ってたので、モヤモヤをすぱっと代弁してみせてくれます。
    「こころ」っていうと「ようござんす、さしあげましょう」ってお嬢さんをくれるおかみさんが印象的で、お嬢さんの魅力がよくわからなかったし。
    「こころ」はもう一度「そういう目」で読んでみなくては。

    齋藤孝さんや北村薫さんの解説もよくて、いろんな視点で夏目漱石を楽しめる。
    けど、評伝でやたらと森鴎外と対比するのはちょっと興ざめ。森鴎外が好きじゃないからなんだけどさー。
    小説だけでなく夏目漱石という人物についても考えさせられた。

    • あいさん
      こんにちは。
      私は太宰治を読みました。このシリーズよさそうですね。他の作家も読んでみたくなりました。
      こんにちは。
      私は太宰治を読みました。このシリーズよさそうですね。他の作家も読んでみたくなりました。
      2015/06/18
  • しをんちゃん、最高だよ٩(๑>∀<๑)۶

    大学の課題レポートのために吾輩は猫である、を読まないといけなくなったのでいきなり大作を読む前に心構えを、と思って読みました。
    吾輩は猫である、より、こころ、が読みたい気もするし、草枕の文章の美しさは素人の私でもわかった。

    2023.6.11
    99

  • 「ナビ」なので
    入門書としておもしろかった。

    漱石ラブ(๑>◡<๑)な人たちの寄稿も
    掲載されているのですが
    三浦しをん嬢…ぷぷぷ。
    新潮文庫でも、しをん節、妄想炸裂。

  • 文豪・夏目漱石を訪ねる前にこれを読んでおけば、肩肘張らずに漱石センセと付き合えそう。作品解説も生い立ちも、とても分かりやすかった。なかでも三浦しをんさんの「百年経ってもそばにいる」という漱石談は、例の調子でやっぱり面白かった。

  • 中学2年生です。
    夏目漱石の人生〜入門編〜って感じの本です。文豪ナビは薄くて読み切りやすい。大作の要約や漱石の人生について知識のある人達が語っているのですが、さすが頭のいい人達が書いた文章だ…ってなります。(いろんな視点で夏目漱石を理解できます。)感受性の高い人ならちゃんと影響受けるんじゃないですかね…?

  • さらっと読めて、夏目漱石の作品ジャーニーが楽しみになる一冊だった。
    何から読んだら楽しめるのか、作者はどんな生い立ちでどんな人柄なのか?
    そういったことも大まかに教えてくれた。
    焦らず気ままに夏目漱石の作品を読んでいこうと思った。

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