坊っちゃん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010038

感想・レビュー・書評

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  • 出張中にポアロを読もうとして忘れてきた!オーマイガー!ということで、駅で何を読もうか5分間探索、結果、「坊ちゃん」。何故、坊ちゃんだったのかは不明。「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」で始まる冒頭、流石のインパクト。これだけでも面白い。自分の中で一番腹立つのは「マドンナ」。この悪女のイメージが拡大中。日陰育ちのカボチャみたいなパッとしない容姿だけど、心底人柄が良くて優しくて正直なうらなり君から、変に気取ったお高くとまった赤シャツ野郎に乗り換えたこと。正直者がバカを見る不条理。男として辛い。⑤

  • はい、実は読んだことありませんでした。
    「死ぬまでに読まねばリスト」に着手中。

    ***
    「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」
    子供の時からまっすぐな気性の“坊ちゃん”は、その気性で周りとも衝突することが多いが、唯一の理解者…というか盲目的に可愛がってくれる相手はばあやさんの清。坊ちゃんという名前も清が「坊ちゃん坊ちゃん」と呼んでいるもの。

    さて、坊ちゃんは学校を卒業すると四国の中学校に数学講師として赴任する。
    東京で御家人筋の家柄の坊ちゃんには町も教師たちもつまらん。だからみんなに渾名をつけてやった。
     校長には「狸」、
     気取った教頭には「赤シャツ」、
     顔色が紫でやたらに控えめの英語の教師は「うらなり」、
     悪僧のような風貌の数学教師は「山嵐」、
     赤シャツの腰巾着の画学は「野だいこ」。

    初めての宿直の晩、やってられんと温泉に抜け出した坊ちゃん先生。学校に戻ったら寄宿生徒たちのいたずらの洗礼を受ける。短気な坊ちゃん先生と田舎の生徒たちの噛み合わない遣り取り。
    「おれの床の中にバッタを入れたのは誰だ!!」
    「バッタとはなんぞなもし」
    「バッタとはこれのことだ!!」
    「それはイナゴぞなもし」
    「べらぼうめ!バッタもイナゴも同じようなもんだ!なもしだか菜飯だか知らんが誰が入れたんだ!」
    「なもしと菜飯はちがうぞなもし」
    坊ちゃんは憤る。
    ここの生徒どもいたずらに対して罰を受けるという覚悟ができていないからダメだ、いたずらと罰はセットだ、罰があるから安心して悪さができるんだろう、こんなやつらにだれが負けるか、今日勝てなければ明日勝つ、明日勝てなければ明後日勝つ、明後日勝負がつかなければ勝つまで相手になってやる!

    数日後、赤シャツと野だいこに釣りに誘われた坊ちゃん先生は、「山嵐が生徒たちを扇動し…」とかいう二人のわざとらしい会話にあっさり乗っかり、「おれに仕掛けたのは山嵐か!喧嘩上等!」といきり立つ。

    しかしその翌日の職員室、山嵐は山嵐で「おれが紹介した宿で坊ちゃん先生が無礼を働いた」という讒言を信じて詰め寄ってきた。

    …この二人、気性がまっすぐ…と言っていいのか、とにかく人の話を途中までしか聞かない、他人からの讒言をあっさり信じて直接本人に聞かない、そして思い込みで突っ走る。大丈夫かこの二人。

    さて。宿直の夜の騒動は職員会議の議題になる。
    その会議で山嵐の態度を見た坊ちゃんは、山嵐を見直し(というかお互い讒言を信じただけのコミュニケーション不足)、二人はその後意気投合。

    坊ちゃん先生が唯一敬意を払っているのは青白い顔のうらなり先生。なんか聖人君子という感じじゃないか。
    しかしうらなりの婚約者も同然だった”マドンナ”を赤シャツが狙うというややこしい人間関係が繰り広げられていた。
    赤シャツは策を弄してうらなりを度田舎の学校に追いやる。

    ある日坊ちゃんたちの学校の生徒と、師範学校生ととの間に大規模な喧嘩が勃発し、坊ちゃん先生と山嵐が首謀者と見做されてしまう。
    憤った坊ちゃん先生と山嵐は、赤シャツと野だいこの芸者遊びの現場を捕え、二人に鉄拳制裁!!!を加えると、辞表を叩き付けて東京に戻ってやったぜ。

    …あれ?先生生活1か月?気が短いとかいう問題か(笑)

    ともあれ東京に戻った坊ちゃんは、清を引き取り鉄道工場の技師ついて働きましたとさ。

    ***

    有名な作品のため粗筋は知っていたし、なんかアニメで見たような覚えはあるんだが、この作品は夏目漱石の文章で読んでこそだろう。
    「焦慮ている」「愚迂多良童子を極め込む」など独特な言い回し、坊ちゃん先生と生徒たちのイナゴバッタ菜飯論争などかなり笑える。

    坊ちゃんは「策略は苦手、風流も苦手、口が回らないこともないが喧嘩の時に取っておいている」というが、彼の独白はなかなか軽妙で洒落が効いている。
    釣りに行った時のつまらなさを「沖へ行って肥料を釣ったり、ゴルキが露西亜の文学者だったり、馴染みの芸者が松の木の下に立ったり、古池へ蛙が飛び込んだりするのが精神的娯楽なら…」とか、
    怠けている様子を「愚迂多良童子を極め込んで~」など、
    悪口にしてもかなり頭が回るではないか。

    しかしこの小説は坊ちゃん先生の一人称なのだが、最初から最後までヤられる前にヤッたるぜ!のテンションなので、「直接相手の話を最後まで聞け!」と何度思ったことか。
    そんな坊ちゃんを心配した清が手紙で「そんなことをしたら人に恨まれる元になる。気を付けて酷い目にあわないようにしろ」と書いてきたが全くである。

    さらに坊ちゃんと山嵐は、それぞれ真っ直ぐな気性で、職場の学校での事なかれ主義や、大人のいじめ、長いものに巻かれろ精神に対抗しようとするが、真っ直ぐ過ぎて結局跳ね返されてしまっている。
    坊っちゃん先生が嫌っている赤シャツや野だいこからも「あの坊っちゃん先生はカワイイもんだ」と言われていて、ようするに与し易い相手と思われているのだ。
    この小説が妙に現実的と言うか、世間とはなんともどうにもしようもないところ。

    そして小説のラストは清の消息で閉じる。死ぬ間際の清が坊ちゃんに、坊ちゃんの家のお墓に入れてもらい、お墓の中で坊ちゃんを待ちたいといたいと願う。
    「だから清の墓は小日向の養源寺にある」
    このなんともぶっきらぼうな報告口調で幕を閉じるのだが、このぶっきらぼうさが坊ちゃんの“情”だろう。

  • 夏目漱石『坊っちゃん』新潮文庫。

    何度目かの再読となる。最近、関川夏央と谷口ジローの共著『『坊っちゃん』の時代 』を第一部から第五部までを再読し、後書きと解説で関川夏央と川上弘美が揃って『坊っちゃん』は哀しい小説だと評していたのを読み、内容を再確認したくなった。

    因みに最初に『坊っちゃん』を読んだのは小学校低学年の頃である。父親が会社帰りに毎月1冊ずつ刊行の度に購入してくれた世界の文学なる分厚い全集に収録されていたのだ。子供向けの全集なので、平易な文章で書いてあったと思う。その後は何度か文庫本でも読んでいる。

    主人公の坊っちゃんは、兎にも角にも何処までも一本気で融通の効かぬ反骨精神の塊のような青年である。両親にも兄にも疎まれ、『親譲りの無鉄砲』と言い訳しながら後先を考えぬ行動ばかりをする坊っちゃんは自分の気質を理解していながら、行動を改めることが出来ないのだ。そんな坊っちゃんの唯一の理解者は下女の清だ。清は事あることに坊っちゃんを褒め、影に隠れて自分の給金で菓子やら足袋やらを買い与える。

    坊っちゃんは両親を亡くし、兄にも半ば見捨てられ、勢いで物理学校を卒業するなり、清に別れを告げて、四国に中学の数学教師として赴任する。東京に比べれば明らかに田舎の四国では生徒たちに行動を監視され、彼らの稚拙な悪戯に閉口し、校長や教頭、仲間の教師ともなかなか馴染めないままに見知らぬ地で孤軍奮闘する坊っちゃん。

    やがて反骨精神の塊の坊っちゃんも、周囲の愚劣、無気力などに反撥し、職をなげうって東京に帰る。『坊っちゃん』は、一本気であればあることがさらに滑稽で、生きることが下手な男の哀しい敗北の物語なのだ。

    勧善懲悪、正義は勝つと言うのはテレビドラマや映画の中だけで、何時の時代も悪者が得をし、しぶとく生き残るのだ。清く正しく生きる精神は大昔から培われて来た日本人の美徳であるが、哀しいことにそれが得とはならないのだ。坊っちゃんはそれを知っていながらも敢えて一本気な不器用な生き方を選択しているようにも見える。

    本体価格310円(古本100円)
    ★★★★★

  • 東京生まれ、直情で気短な青年「坊ちゃん」。両親亡き後、遺産の600円で学校を卒業。四国松山の中学に数学教師として赴任。そこでの学園ドラマ。

    登場人物がコミカルで、キャラクターが確立。先生方は、ニックネームで話が進む。学園コミックの原点。校長や教頭、マドンナと、キャラクター配分が絶妙で、バランスを真似したくなりますね。

    坊ちゃんは、自分の意志を貫きますので、揉め事も多い。正論派ですが、なかなか、田舎の社会がしぶとく思うようには捗らない。
    最後に、一矢報いるのですが、辞めて東京へ帰るんですね。この、正義の味方的な行動が、ファンが多いところだと思う。

    それにしても、松山の事を、田舎だとか、温泉だけは良いとか、書いているのに、ご当地で『坊ちゃん』人気高いですよね。良い人達だ。






    漱石の著名な作品ですが、全編読んだのは初めてかもしれない。

  • 世の中の理不尽なことに屈せずに自分を貫く無鉄砲で真っ直ぐな坊っちゃん。

    あだ名付けや田舎を馬鹿にする所など、ユーモラスに描かれていてクスッと笑ってしまう箇所が所々ありました。

    夏目漱石は高校時代授業で扱った「こゝろ」の印象が強かったけれど、こんなユーモアのある人だったなんて、印象変わりました。



    【追記】
    読んだ後に、中田敦彦のYouTube大学で坊っちゃんの解説動画を視聴しました。

    あっちゃんの解説によると、夏目漱石は江戸の終わり、明治時代の初めから終わりを生きた人だった。

    「坊っちゃん」はまさに、江戸→明治を描いた、明治維新の象徴のような作品だったのです。

    「坊っちゃん(江戸)・山嵐(会津)/ラストサムライ」VS「赤シャツ/新時代エリート」という構図です。

    そして、江戸時代の武士の美学が、「敵討ち」です。坊っちゃんは曲がったことを許さず、赤シャツへ天誅を加えました。

    しかし、山嵐と松山を去るという結果は、赤シャツに勝ったようで、実は負けてしまっている。権力に屈したということだ。これは、江戸→明治という時代の変わり目に散っていった敗者の美学だ。という解釈はなるほど時代の背景が分かるとより面白いなぁと思いました。

  • 最近の文学だけではなく、幅広く文学を…と思い手に取った本作。
    夏目漱石さんの作品としては「こころ」に続き読了。

    うんうんうん、本作とても面白い作品ですねー( ̄∇ ̄)

    真っ直ぐだけどちょっとズレのある主人公、でも何だがニクめない…(笑)

    分かりやすい勧善懲悪モノであり、友情的な要素もあって、今読むと何だかとてもベタ満載の展開です。
    でありながらも、軽快な文章と、そしてバッサバッサと切り捨てまくる主人公の口の悪さ?が面白いのか、気付けば全く飽きることなく一気読みしてしまっていました(笑)

    これだけ昔の作品を、今も普遍的に楽しく読めるというのは、やはり物語として純粋にスゴいことなのかなと。

    「こころ」のように重みのある小説の方が、いわゆる夏目漱石さんウリの「ロマンチスト」感(笑)を味わいやすいかもしれませんが、本作にはまた違った良さがあるように思いました。

    引き出しの多さ…さすが明治の大文豪だなぁと…(´∀`)


    <印象に残った言葉>
    ・親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間程腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階から飛び降りて腰を抜かすやつがあるかと云ったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。(P5)

    ・死ぬ前日におれを呼んで坊ちゃん後生だから清が死んだら、坊ちゃんのお寺へ埋めてください。お墓の中で坊ちゃんが来るのを楽しみに待っておりますと言った。だから清の墓は小日向の養源寺にある。(P179)


    <内容(「BOOK」データベースより)>
    親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている――。
歯切れのよい文章のリズム、思わずニヤリのユーモア、そして爽快感。マドンナ、赤シャツ、山嵐…、登場人物もヒト癖、フタ癖。自身の体験をもとに描く、漱石初期の代表作。

松山中学在任当時の体験を背景とした初期の代表作。物理学校を卒業後ただちに四国の中学に数学教師として赴任した直情径行の青年“坊っちゃん"が、周囲の愚劣、無気力などに反撥し、職をなげうって東京に帰る。主人公の反俗精神に貫かれた奔放な行動は、滑稽と人情の巧みな交錯となって、漱石の作品中最も広く愛読されている。
近代小説に勧善懲悪の主題を復活させた快作である。用語、時代背景などについての詳細な注解、江藤淳の解説を付す。

  • 文豪作品は敷居が高かったけれど、
    レトロな色合いの表紙に惹かれ…
    ふと手にとってみました。

    読み始めてすぐ、テンポの良さにびっくり。
    さらっと読めました。

    坊ちゃんの真っ直ぐさが、読んでいて爽快。

    正義感って、時に人間関係を壊すこともあるし、
    素直な気持ちを貫くって難しい。

    現実に坊ちゃんみたいな人がいたら、
    もう少し上手くやればいいのに…って
    多分思う。

    でも、その「上手くやる」というのは、
    自分の気持ちを押し殺したり、
    不本意ながらも周りに合わせたり、
    そういう小さな我慢の積み重ね。

    そういう立ち振る舞いを
    無意識でしてしまっている自分がいるから、
    坊ちゃんを読んでハッと気づくことが沢山あった。

    坊ちゃんのように真っ直ぐ生きることは難しいけれど、真っ直ぐな気持ちは忘れずにいたい。

    そう思わせてくれる作品です。

  • いつも同じことを言ってますが、昔の小説ってどうにも読むまでに気合いというか“読むぞ”って意気込みみたいなもんが要るんですけど、いざ読み始めると、とても読み心地が良いです。

    特に漱石先生は、未だにいろんな人に読み継がれているだけあって、その心地良さがとても顕著で、文章に不自然な部分がなく、スルスルと頭に入ってくる感じがして気持ち良いです。

    とは言ってみたものの、漱石先生の作品は“こころ”くらいしか読んだことなかったので(本棚には何作品か差さっているのだけれども、、)今回なんとなく“坊ちゃん”を読んでみました。

    この“坊ちゃん”、ストーリーはもの凄くシンプルで、東京育ちの主人公が学校を卒業してから、松山の中学校に数学の教師として赴任したのだけれど、、、ってだけの話なのに、こんなにも面白いのは、やっぱり登場人物のキャラ立ちの良さなのかなぁ、、と勝手に思ったりします。

    冒頭の「親譲りの無鉄砲で子供のときから損ばかりしている。」って文に全てが集約されているよね、、とか、したり顔で言いたくなるような、主人公のキャラ。
    良く言えば正直で真っ直ぐ、悪く言えば空気の読めない主人公、、、(多分名前は出てきてない?)そりゃあんたの言っていることは正しいよ、正しいけどさぁ、、って場面が物語の最初から最後まで貫かれていて、主人公の心の声というか独白のシーンでさえ、独りよがりで共感できないのに、なぜか憎めない、この絶妙なラインのキャラ設定が出来てしまうのが漱石先生の漱石先生たる所以なのだ!と勝手に納得してみたり、、。

    劇中に主人公が、街中で団子やら天ぷらソバやらを食べたら、次の日に黒板に団子やら天ぷら先生やら書かれて、生徒にからかわれる、みたいなシーンがあるのですが、こんな昔(時代設定は恐らく本書発行当初の1906年(明治39年)?)から、生徒が教師をからかう文化があったのか、と思うとなんだかドス黒い気持ちになりました。

    あと、昔の小説なだけあって分からないところが結構あって、巻末の脚注のページにポストイットを貼って、行ったり来たりしながら読んでいたのですが、“赤シャツ”の策略だったり、主人公に起こったいろいろなことは、結局は彼の被害妄想だったのか、それとも実際に主人公が“正直者”だからこそ、引き起こしてしまったトラブルなのか、、その辺が気になるところです。

    それにしても主人公の田舎のディスりかたが凄かった。
    でもそれすらも、「上手くいかないことを田舎のせいにして自分を守っている小せぇ器の主人公」ってニュアンスを遠回しに表現することが狙いなのだとしたら、やっぱり漱石先生凄いなぁとか思ってしまいます。

  • いまさらながら言うが面白さといい、構成といいよく出来た傑作、夏目漱石の「坊ちゃん」。

    昔読んで印象に残っていた場面は、布団に入れられたバッタでへいこうした坊ちゃん先生が生徒たちの「そりゃ、イナゴぞな、なもし」でぎゃふんとなったところ。かけあいがたまらん。

    再読してみて、ユーモラスな新任先生騒動記だけれど、読み方いろいろ今回は「赤シャツ」が気になった。

    坊ちゃん先生をいろいろ親切にしてくれると思いきや、ずるい策士であった。やさしい声でのここちいい話の裏にはたくらみがあった。

    これは坊ちゃん先生でなくても経験する。とくに入学、入社、入院、引越しで新天地に入った時。

    やけに親切にすりよってくるひとには注意。後で必ずわけがある。しかし、みぎもひだりもわからない時教えてくれるひとは有難く、ついほだされる。

    こういう私めも、かずかずのほろ苦い思いをしているので笑ってしまった。

    「坊ちゃん」の最終章、一本気の坊ちゃん先生、そういう「やから」をやっつけてしまうカタルシスがあるのだが、結局職を失うという痛みがあるのである

  • 古典作品はいつも脱落してしまうのだが、短いのもあってかスラスラと読めた。
    今の時代からすると坊っちゃんや赤シャツは珍しい部類の人間かもしれない。
    そういった人間の悪い部分というか、人間らしい部分を表現するのがとくに上手だと思った。

    坊っちゃんの1人1人に対する接し方や態度の違いが面白い

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著者プロフィール

夏目漱石
小説家・英文学者。1967年(慶応3年)東京生まれ。帝国大学を卒業後、教師となる。1900年(明治33年)にイギリスに留学し、帰国後の1905年(明治38年)に処女小説『吾輩は猫である』を発表。1907年(明治40年)に新聞社に入社し、以降職業作家として活躍した。1916年(大正5年)に胃潰瘍により死去。享年50才。代表作に『坊ちゃん』『三四郎』『こゝろ』『明暗』などがある。

「2022年 『夢十夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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