それから (新潮文庫)

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レビュー : 346
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010052

感想・レビュー・書評

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  • 前半は途中飽きることがあったが、後半から一気に引きこまれた。主人公・代助の変化が面白い。三千代への愛が彼をこんなにも突き動かすのか、と圧倒された。最後の「赤」の描写が怖い。狂気を感じる。
    三千代と会った後、百合の花をまき散らした場面が綺麗だった。月の光で白く光る花弁や百合の匂いが映画のワンシーンのように脳裏に浮かんだ。
    明治時代の東京の風景がところどころに描かれていて興味深かった。資生堂や丸善って当時からあったんだなあ。

  • 自らの意思を持って生きることは、実際的には真っ赤だということ。
    代助は、三千代と向き合う前までは、基本的にはその場凌ぎで適当にやりすごし、それを得意としていた。また、生活のためではない自らの時間の消費の仕方は、崇高で神聖なものとしていた。一方で、生活のための時間の消費は、愚として多くを見下していた。
    思索家としての肩書きは、実際にはただの現実と向き合わないただの口だけの職であった。

    しかし、三千代を介してはじめて自分の意思を公言すようになってから、もはや思索家としては生きていけずに、それは泳ぐことができない人間がむりやりプールに蹴り飛ばされ、必死で犬かきして泳ぐように、現実社会で蹴り飛ばされた代助は必死になって生きなければならなくなった。

    その瞬間のおいて、世界は目まぐるしく急なもので、今までの実際の行動には移すことのない思索家は、実は何の役に立たないものであることを最終ページで晒す。

    オチが代助とだれかではなく、結局代助1人のみに集中するところが、最初からブレることのない物語として仕上がった。

  • 課題図書として購入。
    『三四郎』からちゃんと読んでおくべきだった。

    「働らくのも可いが、働らくなら、生活以上の働でなくっちゃ名誉にならない。あらゆる神聖な労力は、みんな麺麭を離れている。」

    という代助の労働への説は、理想でしかない。だけれど、ふと立ち止まってしまうような魅力を持っている。

    食う為に働くか、働く為に働くか。

    しかし、そんな彼の持つ甘い魅力も最終的に恋の前には崩れてしまう。

    結局は無理解な父や兄から見放されて、社会のど真ん中に投げ出されてしまう代助に一体どんな『それから』が待っているのだろう。

    赤、白、黒。
    場面に応じた色のイメージも鮮やかだった。

  • 話しとしては高等遊民である主人公が略奪愛をする話しです。主人公は悩んだ末に"自然"に従います。

  • 読んでいるうちに代助の鬱屈した感じがうつったような気もした。ここまで徹底したモラトリアムぶりには脱帽。

    誰かが漱石の描く女性にはリアリティがないと書いていたのを思い出した。

  • ものすごく高等遊民。
    こういう人を読んでて、年配の人はイライラするのかなーでも私もちょっとイライラするなー。一回身体を動かして働いてみて、その上で高等遊民になって偉そうなことを言えばいいのに、と思った。でも、『三四郎』『門』の何も起こらなさと消極性からすれば、代助は頑張った。
    先の見通しも糊口を凌ぐあてもないまま決意表明だけしてしまった主人公、本当に「それから」って感じでした。

  • 周りに何を言われようが、自分のしたいことをしていた代助だが過去に自分の気持ちより友情を優先してしまい、平岡に三千代を譲ったことを後悔。結局今になって親友、家族を捨てて美千代を貰う話。それからどうなるのか。

  • 2017.10.15

  • 十数年ぶりの再読。漱石やばいなー、面白すぎる。もう漱石だけ読めばいいじゃないか、という気にすらなる。漱石さいこー。

著者プロフィール

夏目漱石(なつめ そうせき)
1867年2月9日 - 1916年12月9日
江戸・牛込馬場下(新宿区)生まれの小説家、評論家。本名は「夏目金之助」(なつめ きんのすけ)。1890年、帝国大学文科大学英文科に入学。1895~96年には『坊っちゃん』の舞台となった松山中学校で教鞭を執る。1900年、イギリスに留学。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載し始め、作家活動を本格的に開始。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に『三四郎』『それから』『こころ』などの代表作を連載。日本の文学史に多大な影響を与えており、作品は多くの人に親しまれている。学校教科書でも多数作品が採用されている。

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