門 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 218
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010069

感想・レビュー・書評

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  • 「三四郎」、「それから」に続く、前期三部作。
    世間から隠れてひっそりと生きていく宗助と御米の日常が何とも言えません。
    淡々と物語が進んでいきますが、途中に事件もあり、ドキドキする場面もあります。
    最後の日常に戻る場面が、なんとも印象的でした。

  • ああ…!!
    最後の一文にぞくぞくした。
    悪寒と快感で。
    わかり合えなさの絶望を、ほんの一言で。
    見事。
    二人の生活は微笑ましいくらいなのだけど、時折綻びが見えてヒヤッとしながら読んだ。
    タイトルにこじつけるために無理矢理ねじ込んだと評されるくだりも、私には刺さった。
    門の前に立ちつくすしかない…なんて言葉の選択が上手いのか。
    今のところ読んだ漱石作品で最も好み。
    何度も読み返したい。

  • 「三四郎」「それから」と合わせた3部作と聞き最後に読んだが、先の2冊ほどの感動は無かった。
    まぁ、期待しすぎたのかも知れないけど。

    「門」なのか・・・「悶」なのか・・・

  • 多くは語られないのだが、略奪愛の負い目を背負いつつ、崖下の借家でひそやかに生きるふたり。 宗助と御米。
    つつましく、静かな暮らし。穏やかな日々を共に過ごす仲の良い夫婦で、読んでいて暖かい心地になった。

    人生の蹉跌や行き詰まり。苦しさや辛さ。
    宗助は、そうしたものを乗り越えるべく模索する。
    その手掛かりとして、宗助は、藁にもすがる思いで、理念、禅(宗教)に救いを求める。
    だが、人生は、ことほど左様に容易なものではなく、自身で道を切り開くしかない。

    かような読後感を抱いた。

    鎌倉の禅寺への入門は、やはり唐突な印象を抱いた。

  •  役所に勤める真面目な役人野中宗助。御米という妻はあるものの、子はなくつつましく暮らしていた。そんな折り、叔父のもとで暮らしていた年の離れた弟小六の学費を、叔父の死により払えなくなったと叔母から伝えられる。困った小六は兄に何とかとりなしてほしいと頼むが、何やかにやと言い訳していっこうに行動に移さない宗助。欲もなく、野望も持たず、ささやかな日々をおくる宗助と御米二人には、後ろめたい過去があり……。

     友人安井の妻御米(「妻」とは書いてないような気もするのだけど)を奪った宗助が、御米と結婚生活をおくるも友人を不幸にしたという負い目から「幸せ」に背を向け、つつましく暮らす様を描いたもの。途中で、年の離れた血気盛んな弟小六が転がり込んできたり、隣人坂井という新たな交流があったり、はたまたその流れから忘れたはずの「安井」の気配を感じ怯えたり、怯えに任せ信仰に道をゆだねようとするも徒労に終わったり、とまぁいろいろあるものの行き着くところは、やはり「日常」というか、「現実」というか……。
     むずかしい解釈はさておき、天候や情景の描写や、何気ない表現にも心ひかれます。

  • 「三四郎」「それから」に続く三部作の最終作、と一般的に言われているとおり、この3作は登場人物こそ異なれど、異性との関係が順々に深くなっていく様子が面白い。行為を寄せた相手が結婚していく様子を童貞が指を咥えて眺める=三四郎、友人の妻である女性に思いを告げ、その女性も暗にその気持ちを受け取る=それから、そして友人の妻を奪い、共に新しい生活を始める=門。この作品の面白いところは、序盤から伏線が張られまくっている所だと思う。
    さらに、登場人物の心理描写が現代の作品ほど親切に捕捉されている訳ではないので、その場に自分がいるかのように投影しながら読む必要があり、RPG的な楽しみ方ができる。
    それだけに、終盤の「友人を裏切ってしまった罪悪感がワイを責める・・・。どうすればええんや・・・」→「せや!!10日間だけ鎌倉の寺に籠って悟り開いたろ!!」の超展開にはガッカリさせられた。

  • 駆け落ち貧乏 夫婦生活 裏切り 偶然 家族 寺 役所

  • 今読み返すと、深い…

  • 結末に向けて一気に「門」だった。睦まじいのに寂しくてサスペンスめかしてもいてはらはらする。

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著者プロフィール

夏目漱石(なつめ そうせき)
1867年2月9日 - 1916年12月9日
江戸・牛込馬場下(新宿区)生まれの小説家、評論家。本名は「夏目金之助」(なつめ きんのすけ)。1890年、帝国大学文科大学英文科に入学。1895~96年には『坊っちゃん』の舞台となった松山中学校で教鞭を執る。1900年、イギリスに留学。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載し始め、作家活動を本格的に開始。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に『三四郎』『それから』『こころ』などの代表作を連載。日本の文学史に多大な影響を与えており、作品は多くの人に親しまれている。学校教科書でも多数作品が採用されている。

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