草枕 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2828
レビュー : 267
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010090

感想・レビュー・書評

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  • 「智に働けば・・・」で始まる1ページ目の文章は印象に残り、諳んじてみたくなる。直後の文章も好きだ。「住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る」この世の中に心地よい理想の居場所など存在しない。そんな世の中を少しでも心安くするために、美しいものを生み出すのが芸術家の本分。難解な言葉が頻出で脚注だらけなので、全体的な読みにくさはある。それでも文章の流れに身をまかせて読み進めていくと、ハッとさせられる部分がある。何度か読み返したい1冊だ。

  • 読書をするのにかなりの知識を要する

  • お盆の帰省中に読んだ。それから2週間。全く記憶にない。どんなストーリーだったのか、全く覚えていない。全くストーリーのない小説であるということだけ覚えている。柄谷行人が解説で指摘しているが、この小説は文学として受け入れられないということを承知の上で、漱石は挑発的に「草枕」を書いたと言える。冒頭部分はあまりにも有名だ。「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」しかし、本当はこの後に続く芸術論が本書の読みどころなのかもしれない。最初のページを読み返してみてそう思った。「住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る。」主人公の画描きは、最後に那美の「憐れ」を見る。「それだ!それだ!それが出れば画になりますよ。」と小声で云う。胸中の画面はこの時に成就している。

  • 『智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい』。漱石の長編を通読したのはこれが初となります。漱石の芸術観を登場人物に語らせているように感じられました。それからルビの振り方が独特でそこも面白かった。

  • 有名な序文はいい。ただし、ネガティブに落ち込みそうでなんか好きになれない文章。叙述も大事だけど、読者への作用も大事だよ!

  • 今読むと、高校生時代と違った感覚が残る。
    年を取ったってことか?

    • 山下正人さん
      50を前にして読むといいですね。
      100年前の時代も、その時なりに生きづらいと感じたのですね。
      50を前にして読むといいですね。
      100年前の時代も、その時なりに生きづらいと感じたのですね。
      2014/05/04
  • 冒頭の文章が夏目漱石の小説家としての才能を凝縮していると思います。ものすごく読みやすいので文学の入門には夏目漱石が最適だと思っています。

  • 「山路を登りながら、こう考えた。」で始まるあまりにも有名な冒頭部分に、高校時代現代文の授業で初めて触れたとき激しくココロ惹かれましたが、この歳になるまで読まないままできてしまいました。でもそれでよかった。古今東西の芸術作品や芸術家の名前が無数に散りばめられたこの作品を当時読んでいたら、知らないものだらけで巻末の「注解」に首っ引きでなければ読めなくて、内容なんて味わえなかっただろうから。若い頃の私にはこの作品はもったいなかった。
    主人公の「余」は画家であり、歌も詠みます。芸術には「非人情」(冷淡ということではなく、個人的な世間並な感情に拘泥しないという意味だと私は解釈しました)が不可欠であると考えています。でも冷たかったり気難しかったりせず、人好きのする面白がりな人物。彼と他の登場人物との会話は全て、弾むように楽しく面白い。特に那美さんとの会話は楽しく、とてもお洒落。
    最後で那美さんが元夫に見せた「憐れ」の情が絵を成就させた、という「余」の思いは、芸術は「非人情」でなければ、という彼自身の考えと矛盾するようですが、やはり彼はそれだけ彼女に惹かれていたのかな、と思いました。
    養老孟司さんの本で「言葉と音楽と絵は人間の表現方法の典型で、これらは本来同じもの」ということが書かれていましたが、この作品を読んで実感しました。芸術作品や情景の描写は言葉として読んでもとてもリアルに美しく映像が浮かぶし、きれいに整った言葉はそのまま音楽のようです。
    あまり起伏のない、ドラマティックでもないストーリーですが、とにかく美しい作品です。読んでよかった。

  • どこにいるかはそう重要じゃなくて、いくらいる場所が違っても自分は同じままなわけで、そういうことは旅の高揚感に溺れると錯覚してしまう
    悟った時に詩が生まれて文学がはじまる云々

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“文壇レシピ”で登場。

    夏目漱石の草枕に登場する羊羹を再現。
    山奥の温泉宿に逗留していた主人公の洋画家と宿の若女将が会話するシーンで登場します。
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/recipe/


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

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著者プロフィール

夏目漱石(なつめ そうせき)
1867年2月9日 - 1916年12月9日
江戸・牛込馬場下(新宿区)生まれの小説家、評論家。本名は「夏目金之助」(なつめ きんのすけ)。1890年、帝国大学文科大学英文科に入学。1895~96年には『坊っちゃん』の舞台となった松山中学校で教鞭を執る。1900年、イギリスに留学。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載し始め、作家活動を本格的に開始。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に『三四郎』『それから』『こころ』などの代表作を連載。日本の文学史に多大な影響を与えており、作品は多くの人に親しまれている。学校教科書でも多数作品が採用されている。

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