虞美人草 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1947
感想 : 137
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010106

感想・レビュー・書評

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  • 重厚かつ流れるようなリズムを持った日本語が本当に美しい。三島や谷崎を読んだ時の充実感が蘇る。
    文学的には酷評されたみたいだけど、登場人物達が繰り広げる箴言に満ちた会話が好きだったな。
    注釈を追うだけでかなり勉強になりそうな一冊。

  • どうして藤尾が非難されるのか分からない。結婚するつもりだった小野にデートをすっぽかされ、別れの言葉もなしに小野に婚約者を紹介される。そりゃあ憤死もするわ。

  • 正直読みにくい作品でした。美文調で書かれている所は意味が理解しづらいですね。それに反してストリーは一見勧善懲悪のようです。また、読んでみようと思います。藤尾という男のような名前は、江戸期の高尾太夫からのヒントなのかな。富士(不二)(不治)尾なのかな。高尾山より美しくかな。治らない性格なのかな。

  • この小説に描かれている女たちは皆悉く男の目から見た女、想像上の女だと思った。ある意味ファンタジーだ。それとも明治ってこんな奴ばかりだったの?

  • 漱石が職業作家になっての第一作目だったと思う。そういう意味を持つ作品。

  • 藤尾が最後に自殺をしたのは意外な展開だった。
    けれど、虚栄心が強い彼女は、周りの人間に深くプライドを傷つけられ、自殺をするしかなかったのかもしれない。

  • 夏目漱石が朝日新聞社に入社し、職業作家として書いた1冊目の本。虞美人草ってなんだよ!って思いながら読んでました。ま、けど漱石の小説は100年も前に書かれたのに、わりかし今でも読みやすいと思いました。

  • 通勤電車の中で毎日読んでたのに2週間ぐらいかかった・・・・。
    かなり我慢して我慢して我慢して最後の10ページぐらいはちょっとテンションが上がった。というか、これ現代文という名の古文よね?昔の人はこんなん読んで(たしか朝日新聞掲載・・・)たなんて・・・かなり頭いいんじゃないかな・・・いや私の頭が阿呆なだけか・・・orz まぁ当時新聞読める人は教養人だろうけど、それにしても!!恋愛が一方的に楽しいのは片思いだけですよ、うん。てなわけで私の頭がついていけなくて☆みっつ!

  • 藤尾に共感して読み進めていたのでラストで鬱になった。
    藤尾はプライドの高い嫌な女として描かれているが、彼女は悪いことをしただろうか。打算的で妙なこだわりがあるが、自分の価値観で男を選ぶのは悪いことではないはずだ。

    逆にやたら古風で一度捨てられたにもかかわらず父の恩というお情けで戻って来たような男と大人しく結婚する自分のない小夜子にはイライラさせられた。
    また登場人物に魅力的な男がひとりもいない。中二病の兄貴、デリカシーのない筋肉バカ、優柔不断で頼りないエリート。
    時代が違うので、現代の価値感で考えてはいけないのかもしれないが、美人でプライドの高い女性は好きなので、藤尾が気の毒でならなかった。

    文体は読みにくいし、話の筋は気に入らないが、なぜか心に残っている作品。

  • 購入:2009/2/1
    読了:2009/3/19

    知識をひけらかすような文体が読みづらい。今まで読んだ漱石のようなテンポの良さがない。
    後半p.189辺りからは読み進めやすくなる。誠実な人間が報われる話か、と思ったら、藤尾があっさり死んでしまって読後感が良くない。

    p.380「眼は先(さっき)母が眠らした。眠るまで母は丹念に撫(さす)ったのである」

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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