大和古寺風物誌 (新潮文庫)

著者 : 亀井勝一郎

• 新潮社 (1953年4月7日発売)

感想・レビュー・書評

[コーヒーって旨いさんの感想 · 2022年12月8日]

著者の 聖徳太子への敬慕が伝わってきました。
聖徳太子は伝説的な人物として特に深く考えたことはありませんでしたが、著者を通じて なんだか身近に 感じられました。
奈良の中宮寺に「天寿国曼荼羅(てんじゅこくまんだら)」というものがある。
これは、聖徳太子が薨去された際、その冥福を祈って妃のひとりと側使えの人達が刺繍で作り上げた曼荼羅だという。これを著者は執念を感じて薄気味悪いと断言している。ちょっと たまげてしまった。
読後、奈良に行きたくなってしまった。
中宮寺の如意輪観音像をぜひとも拝観したいです。

[らじヲさんの感想 · 2022年3月27日]

函館に行ったときに元町教会地区に石碑があったので何者だろう…と思っていた亀井勝一郎さんの本。
奈良好きの自分としては、古典案内としてじっくり読ませていただきました。

終戦直前くらいのエッセイなので、薬師寺は東塔だけだし、法輪寺は古塔がまだあったときだし、自分が知らないちょっと前の時代の「古寺巡礼」であり、いろんな意味で興味深かったです。
唐招提寺の柱に感じる思いは今と同じだなぁ…とか。

東大寺の大仏を作った聖武天皇絶賛などは、民間からお妃を迎えて、そのお妃の一族（藤原氏）がやりたい放題特権を行使しまくったことなどを考えると微妙だし、そもそも聖武天皇さん自体がメンタルがヤバそうな方だと思うので
賛同できなかったけれど、この８０年でここに書かれた大和の古寺たちがどのように変化していったのか、どのよういに変わらずに存在し続けているのかを考えると、人間というものが苦しくも愛らしく感じる１冊でした。

[cats-pawさんの感想 · 2022年1月26日]

天平時代に思いをはせて、血で血を洗う骨肉の戦いの中に求めた平和とは何だったのか。
聖徳太子由来の斑鳩宮、法隆寺から始まり、中宮寺、法輪寺といったマイナーな古寺から、薬師寺、唐招提寺、東大寺をめぐり、新薬師寺に至る。
戦前の文章とは思えない鮮烈さがある。

[そららさんの感想 · 2021年12月1日]

文章の美しさ。
鑑賞などではなく、信仰を呼び起こされる。

[みねおさんの感想 · 2020年6月1日]

　

[bob-taniさんの感想 · 2020年5月31日]

言葉のセンスが光る戦前ごろの大和紀行。
中宮寺や新薬師寺に行きたくなる。

[あるふれっとさんの感想 · 2017年12月14日]

言わずと知れた歴史的名著。序盤は文体に慣れるまで苦戦を強いられたが、慣れるとサクサク読めて面白い。僕は古寺巡りの趣味は無いのだが、してみたくなる雰囲気の良さがある。

[mysterymanboさんの感想 · 2017年7月3日]

格調高い。しかし・・

[chanchakoyaさんの感想 · 2016年11月21日]

最後の章に収められた新薬師寺を読んで、愕然たる思いがした。私が愛すべきあの十二神将がグロテスクだとか、、、あんなにダンスをしそうな可愛い像なのに。

[よりこさんの感想 · 2016年11月3日]

関西旅行前に読めなかったので…
また奈良に行きたい！

著者プロフィール

1907～1966。評論家。太宰治の友人。主な著書に、『大和古寺風物誌』『愛の無情について』『青春論』など。

「2019年 『愛と苦悩の手紙 君を思い、思うことあり』 で使われていた紹介文から引用しています。」