バブル 日本迷走の原点 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2019年4月26日発売)
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本 ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784101013817

作品紹介・あらすじ

「危ないな」。空前の金融緩和策を柱にした「株価がすべてを解決する」経済政策「アベノミクス」に、40年間経済記者として市場経済を見続けてきた著者は警鐘を鳴らす。「市場は(長期的には)コントロール出来ない」からだ。その前例こそ、1980年代後半から90年代初頭に日本が経験したバブル経済である。金融自由化・グローバル化の中、プラザ合意による円高と大蔵省・日銀主導の低金利政策のもとで、地価と株価が急上昇し、日本全体は陶酔的熱狂に浸った。住銀、興銀、野村、山一などの銀行や証券会社と大蔵・日銀、政治家が踊り、「バブルの紳士」が暗躍したあと、大きなオマケが残った。健全な市場経済の仕組みが機能せず、モノの価格が下がりすぎてしまうデフレという病。そんな後遺症に至る「狂乱の時代」とはなんだったのか? 「伝説の記者」が日本資本主義のあり方にまで議論を掘り下げ、「失われた20年」の遠因を捉える〈バブル〉正史。

感想・レビュー・書評

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  • アベノミクスの行方にも副作用の大きさと出口のない危うさを感じているが、その遠因はバブルという時代の異常さとその崩壊時の処理にあったと思っている。その意味では興味深く読めた。

    バブルの総括としては、おそらく本書に書かれている事だけでは語り尽くせないと思うが、当時経済記者として第一線で働いていた著者の自伝的集大成として読むと面白い。

    当時の世論と違う捉え方もしているので裏面史的な読み方もできる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/756515

  • 日本のバブルの原因は何かについて当時取材をしていた記者が書いた本です。
    バブルの前からバブルの要因となった国内外の事象にフォーカスをあてていて時系列がわかりやすいですし、バブルの前から銀行、証券会社、大蔵省、日銀がどういう行動をとっていたかがわかるようになっています。
    バブルやリーマンショック後の数年放置状態と同じことを繰り返さないよう政府、日銀、企業それぞれが考えて動かないといけないと考えました。

  • 広く網羅等的に書いてあるがゆえに一つ一つのエピソードが少ないし前提の説明もないので、その世代をリアルタイム体験してない自分はよく分からない。ある程度高い世代向け。

  • 一気に引き込まれて読んだ。前のめりになるか、一歩も二歩も引いてみるか。商事と、物産の判断の違い、その判断を生んだ人事の違いも面白かった。

  • 平成を振り返って読んでみました。
    「1兆円帝国を築いた慶応ボーイの空虚な信用創造」が、一番悲しくなりました。

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