許されようとは思いません (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.58
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本棚登録 : 3821
感想 : 312
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101014319

作品紹介・あらすじ

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。上司にも褒められ、誇らしい気持ちに。だが売上伝票を見返して全身が強張る。本来の注文の11倍もの誤受注をしていた──。躍進中の子役とその祖母、凄惨な運命を作品に刻む画家、姉の逮捕に混乱する主婦、祖母の納骨のため寒村を訪れた青年。人の心に潜む闇を巧緻なミステリーに昇華させた 5 編。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。

    「目撃者はいなかった」
    決して可愛い枠ではないドジっ子メンズが仕事のミスの隠蔽工作中、隣で車同士の事故を目撃。後日一人死亡と知るが記事の内容は明らかに自分が見た真実とは違う模様。事実伝えなきゃだけどそれによって自分のミスがバレる可能性があるから出来ない。
    自分のためにしか証言できないこの男に下された審判に、自分って嫌な奴...と思いながらも上がる親指。

    「ありがとう、ばぁば」
    子役になりたい孫の為食生活を改めさせ、サポートの域を超え、ほぼコントロールしてる状態のスパルタ教育な祖母。必死に頑張ってるが我慢を強いられる姿の孫ちゃんに、読者側はどの立場にいれば良いのかわからなくなる。
    孫の母は「ばぁばがそんなだから娘ちゃんも気を使ってるのよ...」と。彼女等のエピソードとばぁばの置かれた状況から、孫ちゃんの心境が分かってきた気がしてくる。道筋が見えたその直後、彼女が放った最後の一言「ありがとぅ、ばぁば」。
    その後に続く言葉に脳が揺れた。こんなに純粋で無垢な残酷があったのかと感嘆した。

    この連続した最初の二話を夢中で飲み進めていたが、その後はフェードアウトしていった形になります。よく見かけるイヤミスな短編。
    最後の最後 大トリでありタイトルにもなっている「許されようとは思いません」に微ホラー要素が入っていたのが悲しいサプライズだった。

    芦沢さんの大当たり作品に出会えるその日までまだまだ追って行きたいと思います。

  • R3.4.15 読了。

     やはりイヤミス系の小説は、苦手なことが再確認できた。
     しかし、小説のカバーの裏にも「なれそめ」という短編小説が書かれていて、唯一この小説だけは良かった。

  • 5話の短編集。分かり易い描写でスラスラと読めた。
    どのストーリーも人間心理の闇の部分に触れられていて重めの読了感。
    とくに【姉のように】は印象的。
    読後もしばらく尾を引きずり、考えさせられる内容だった。

  • 恐いというか、ハラハラ、ゾクゾク、胃もたれ追加みたいな感じ。イヤミスなのかな、、

    1話目は、追い詰められる感情
    2話目は、大人のエゴ?の感情、最後恐い
    3話目は、1番難しかった、、
    4話目は、最後キャー、どんでんにハメられた
    5話目は、色々切ない、ラストは良かった

    色んな感情になり過ぎて疲労。笑
    でもなぜか、イヤミス嫌いじゃない自分がいるような、、、。次こそはホッコリを読もうかな。

    • moboyokohamaさん
      なんなんさん、イイネをありがとうございます。
      この作品「著者に思うように操られた」感が強いですよね。
      特に「姉のように」ではやられちゃったな...
      なんなんさん、イイネをありがとうございます。
      この作品「著者に思うように操られた」感が強いですよね。
      特に「姉のように」ではやられちゃったなあ。

      映画「シックス・センス」を観た後の「あ、そういう事だったの」という気持ちを思い出しました。
      2022/03/19
    • なんなんさん
      moboyokohamaさん
      コメントありがとうございます!

      そうなんですよー、、
      なんか、勝手に自分が解釈して読んでしまっており、、えー...
      moboyokohamaさん
      コメントありがとうございます!

      そうなんですよー、、
      なんか、勝手に自分が解釈して読んでしまっており、、えーっ!?となり、冒頭に戻り読み返しました。
      あ、ほんとだ、、みたいな笑

      操られた感ハンパないです!
      2022/03/20
    • moboyokohamaさん
      なんなんさん
      フォローありがとうございます。
      私もフォローさせていただきます。
      なんなんさん
      フォローありがとうございます。
      私もフォローさせていただきます。
      2022/03/28
  • ブクログで評価を調べてから自分で購入した本。

    自分で購入したのに(~_~;)
    間違って嫌いな短編集を選んでしまった(ToT)

    はぁ、短編かよ、、、
    とテンションだだ下がりで読み始めたものの、、、
    序盤からガッツリ掴まれる!!

    数ページ読んで、うわっ、怖っ!!
    ゾクゾクするような怖さが、、、

    あんまり先を読みたくないな、、、
    でも、読まずにはいられない。
    そんな感じの引き込まれ方。

    短編なので一作一作は直ぐに終わってしまうのだが、結構一作一作が重たく感じた。

    短編集なのに大満足(*^▽^*)

  • 思わず手に取ってしまいそうになるくらいタイトルを見ただけでザワつく感じがするこの表題。
    短編集なのでスラスラと読み進めることができました。
    各章毎に「そんなことあるわけ、、、なくもないかもしれない…」と
    そんな思いがさらにザワつかせるお話ばかりでした。
    読み進めるの嫌だなーと思いつつも先が気になってしまい(展開を期待してしいる自分もいる)ページを捲る手は止まらずほぼ一気読みしてしまいました。
    読了後の感想は言わずもがな・・・でした。

  • 短編5偏
    「目撃者はいなかった」が1番好きでした。
    目撃者はいるのに、当人のちょっとした不都合から証言されないことって世の中たくさんあるんだろうな。
    ミスをしてしまった時、なんとかごまかせないだろうか、上手くカバーできないだろかと頭の中で計算しまくるところまではわかるが、あんなリスクの高い行動をとることと、潔く謝ることを天秤にかけたら潔く謝る方がましな気が、、
    後にひけない場面ってあるけどさ、、
    わかるけどさ、、
    その行動力の方がすごいわ、、|ω・`)
    嘘をつくと、その嘘を隠す為に嘘を上塗りしていかなきゃならなくなる。よく聞くセリフだが、嘘がバレるかバレないかはほとんど運なんだなと思いました。
    嘘に気をつけよう。

  • 読者を話の中に一気に引き込み、映像化させ、結末直前まで引っ張り、最後には鳥肌を立たせる巧妙なテクニック。いつも読者は芦沢央さんのカウンターパンチを喰らい、虜になっていく。「目撃者はいなかった」は自分の誤発注による失敗を隠すためについた"嘘"。この嘘のより自分が放火犯にされてしまい、利害葛藤に陥ってしまう。彼の性格がこのパニックストーリーを際立たせていた。「姉のように」は我が子を虐待する母親の孤独を被害妄想との対比で表現した秀逸な作品。姉の犯罪との逆転劇も見事。今後も芦沢央さんのゾワゾワ感を追っていこう。

  • 一つ歯車が狂いだすとどうしようもなく悪い方向へと転がっていく、そんな短編集。
    ホラー要素は感じなかったが、子育てに悩む母親の心情や苦悩がよくわかる「姉のように」と村八分どころか村十分になった祖母の本心に驚いた、タイトルにもある「許されようとは思いません」が良かった。   カバー裏に載っているなれそめは二人の人物像が更に想像出来て楽しい。

  • サスペンスに満ちた短編5編 
    現在も日本の殺人事件の中で親族間殺人が一番多い。家族から逃げる事は難しく、ブラック企業よりブラックな場合もある。家族のしがらみを描いた4編は、息が詰まる。
    「ありがとう、ばあば」は、描かれた心情からのまさかの孫の言葉が効いている。
    「絵の中の男」は、作中にあるように『地獄変』を思い出した。芥川のも、悲惨です。

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著者プロフィール

芦沢央(あしざわ・よう)
1984年東京都生まれ。2012年『罪の余白』で野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。主な著書に『許されようとは思いません』『火のないところに煙は』『僕の神さま』など。最新刊は『汚れた手をそこで拭かない』が第164回直木三十五賞候補作となる。

「2021年 『非日常の謎 ミステリアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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