許されようとは思いません (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101014319

作品紹介・あらすじ

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。上司にも褒められ、誇らしい気持ちに。だが売上伝票を見返して全身が強張る。本来の注文の11倍もの誤受注をしていた──。躍進中の子役とその祖母、凄惨な運命を作品に刻む画家、姉の逮捕に混乱する主婦、祖母の納骨のため寒村を訪れた青年。人の心に潜む闇を巧緻なミステリーに昇華させた 5 編。

感想・レビュー・書評

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  • ほんのりイヤミス的短編集。
    ひとつ選ぶならば『姉のように』。「●●だったのか!月までブッ飛ぶこの衝撃….」
    結末が予想とズレたのは『絵の中の男』「●●が●●●●と思ったのに…」

  • 短編集。

    「目撃者はいなかった」
    決して可愛い枠ではないドジっ子メンズが仕事のミスの隠蔽工作中、隣で車同士の事故を目撃。後日一人死亡と知るが記事の内容は明らかに自分が見た真実とは違う模様。事実伝えなきゃだけどそれによって自分のミスがバレる可能性があるから出来ない。
    自分のためにしか証言できないこの男に下された審判に、自分って嫌な奴...と思いながらも上がる親指。

    「ありがとう、ばぁば」
    子役になりたい孫の為食生活を改めさせ、サポートの域を超え、ほぼコントロールしてる状態のスパルタ教育な祖母。必死に頑張ってるが我慢を強いられる姿の孫ちゃんに、読者側はどの立場にいれば良いのかわからなくなる。
    孫の母は「ばぁばがそんなだから娘ちゃんも気を使ってるのよ...」と。彼女等のエピソードとばぁばの置かれた状況から、孫ちゃんの心境が分かってきた気がしてくる。道筋が見えたその直後、彼女が放った最後の一言「ありがとぅ、ばぁば」。
    その後に続く言葉に脳が揺れた。こんなに純粋で無垢な残酷があったのかと感嘆した。

    この連続した最初の二話を夢中で飲み進めていたが、その後はフェードアウトしていった形になります。よく見かけるイヤミスな短編。
    最後の最後 大トリでありタイトルにもなっている「許されようとは思いません」に微ホラー要素が入っていたのが悲しいサプライズだった。

    芦沢さんの大当たり作品に出会えるその日までまだまだ追って行きたいと思います。

  • 何か救われへんやん!
    どれもこれも!
    誤魔化そうとして、ドツボにハマる!

    死なんとええ絵が描けんのか?

    何か歯車が狂ったっていうのかな。悪い方へ悪い方へ行ってしまう〜

    子育て大変だし、おばあちゃんも大変で…でも、大切な孫に。

    死んでも、入りたくない〜

    何か、この人たち、宝くじは、絶対当たらやろうと思える悪運というか、運気が漂ってる〜

    人の心は、誰にも分からんけど、もう少し、ポジティブに!
    それなら、この話成り立たんけど。

    唯一、最後の話、少し明るい感じ。とは言え、死後の世界になるけど^^;

    スイスイ読めて、後味悪い!
    ええ感じや〜

  • R3.4.15 読了。

     やはりイヤミス系の小説は、苦手なことが再確認できた。
     しかし、小説のカバーの裏にも「なれそめ」という短編小説が書かれていて、唯一この小説だけは良かった。

  • 5話の短編集。分かり易い描写でスラスラと読めた。
    どのストーリーも人間心理の闇の部分に触れられていて重めの読了感。
    とくに【姉のように】は印象的。
    読後もしばらく尾を引きずり、考えさせられる内容だった。

  • 思わず手に取ってしまいそうになるくらいタイトルを見ただけでザワつく感じがするこの表題。
    短編集なのでスラスラと読み進めることができました。
    各章毎に「そんなことあるわけ、、、なくもないかもしれない…」と
    そんな思いがさらにザワつかせるお話ばかりでした。
    読み進めるの嫌だなーと思いつつも先が気になってしまい(展開を期待してしいる自分もいる)ページを捲る手は止まらずほぼ一気読みしてしまいました。
    読了後の感想は言わずもがな・・・でした。

  • 恐いというか、ハラハラ、ゾクゾク、胃もたれ追加みたいな感じ。イヤミスなのかな、、

    1話目は、追い詰められる感情
    2話目は、大人のエゴ?の感情、最後恐い
    3話目は、1番難しかった、、
    4話目は、最後キャー、どんでんにハメられた
    5話目は、色々切ない、ラストは良かった

    色んな感情になり過ぎて疲労。笑
    でもなぜか、イヤミス嫌いじゃない自分がいるような、、、。次こそはホッコリを読もうかな。

    • moboyokohamaさん
      なんなんさん、イイネをありがとうございます。
      この作品「著者に思うように操られた」感が強いですよね。
      特に「姉のように」ではやられちゃったな...
      なんなんさん、イイネをありがとうございます。
      この作品「著者に思うように操られた」感が強いですよね。
      特に「姉のように」ではやられちゃったなあ。

      映画「シックス・センス」を観た後の「あ、そういう事だったの」という気持ちを思い出しました。
      2022/03/19
    • なんなんさん
      moboyokohamaさん
      コメントありがとうございます!

      そうなんですよー、、
      なんか、勝手に自分が解釈して読んでしまっており、、えー...
      moboyokohamaさん
      コメントありがとうございます!

      そうなんですよー、、
      なんか、勝手に自分が解釈して読んでしまっており、、えーっ!?となり、冒頭に戻り読み返しました。
      あ、ほんとだ、、みたいな笑

      操られた感ハンパないです!
      2022/03/20
    • moboyokohamaさん
      なんなんさん
      フォローありがとうございます。
      私もフォローさせていただきます。
      なんなんさん
      フォローありがとうございます。
      私もフォローさせていただきます。
      2022/03/28
  • ブクログで評価を調べてから自分で購入した本。

    自分で購入したのに(~_~;)
    間違って嫌いな短編集を選んでしまった(ToT)

    はぁ、短編かよ、、、
    とテンションだだ下がりで読み始めたものの、、、
    序盤からガッツリ掴まれる!!

    数ページ読んで、うわっ、怖っ!!
    ゾクゾクするような怖さが、、、

    あんまり先を読みたくないな、、、
    でも、読まずにはいられない。
    そんな感じの引き込まれ方。

    短編なので一作一作は直ぐに終わってしまうのだが、結構一作一作が重たく感じた。

    短編集なのに大満足(*^▽^*)

  • 短編には短編の良さがあるな、と改めて思えた一冊でした。
    『目撃者はいなかった』
    『ありがとう、ばあば』
    こういう話、好きです、ゾクってなる小話。
    救いが無くていいですね。

    嘘はつかないほうが良い、結局バレちゃうから。
    嘘に嘘を重ねるのは、絶対に駄目、きっと嘘ついた分そのまま後悔するっ。

  • 短編5偏
    「目撃者はいなかった」が1番好きでした。
    目撃者はいるのに、当人のちょっとした不都合から証言されないことって世の中たくさんあるんだろうな。
    ミスをしてしまった時、なんとかごまかせないだろうか、上手くカバーできないだろかと頭の中で計算しまくるところまではわかるが、あんなリスクの高い行動をとることと、潔く謝ることを天秤にかけたら潔く謝る方がましな気が、、
    後にひけない場面ってあるけどさ、、
    わかるけどさ、、
    その行動力の方がすごいわ、、|ω・`)
    嘘をつくと、その嘘を隠す為に嘘を上塗りしていかなきゃならなくなる。よく聞くセリフだが、嘘がバレるかバレないかはほとんど運なんだなと思いました。
    嘘に気をつけよう。

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著者プロフィール

1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で、第3回「野性時代フロンティア文学賞」を受賞し、デビュー。16年刊行の『許されようとは思いません』が、「吉川英治文学新人賞」候補作に選出。18年『火のないところに煙は』で、「静岡書店大賞」を受賞、第16回「本屋大賞」にノミネートされる。20年刊行の『汚れた手をそこで拭かない』が、第164回「直木賞」、第42回「吉川英治文学新人賞」候補に選出された。その他著書に、『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『僕の神さま』等がある。

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