火のないところに煙は (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.63
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  • (34)
  • (10)
本棚登録 : 1943
感想 : 160
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101014326

作品紹介・あらすじ

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが……。評判の占い師、悪夢が憑く家、鏡に映る見知らぬ子。怪異が怪異を呼びながら、謎と恐怖が絡み合い、直視できない真相へとひた走る。読み終えたとき、それ(それに傍点)はもはや他人事ではない。ミステリと実話怪談の奇跡的融合。

感想・レビュー・書評

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  • 著者自身が実際に体験したことをベースに作られた連作短編ホラーミステリ。

    久々の芦沢央。本作で通読6作品目。
    しかも本作は私が小説読書デビューして間もなく、ずっと気になって読みたかった作品。

    単行本を好まないが故にずっと我慢していたが、ついに文庫化され、待ってましたと早速手に取った。

    いざ期待マシマシで読み耽るも、個々の短編エピソード自体のオチが唐突であり、ホラー特有の不明瞭さを残す手法に、徐々に期待値は下がっていった。

    しかし芦沢央の巧みなところは、各短編の不明瞭さを追ってピックアップし、謎解きをはじめ、ミステリらしく伏線化して回収していく秀逸さだ。
    他作でも度々垣間見る文脈は、私が著者を好む1番の理由なのかもしれない。

    下降気味だった期待値は緩やかながら上昇しなおし、結果的に最終話ですべて繋がった時にはゾッとした。
    総じて完成度が高い作品だったと思う。

    だがしかし、読了した率直な感想としては物足りなかった。

    何が物足りなかったのか。
    何故、完成度の高さと論理的な構成と秀逸さを認めているのにも関わらず、満足感が得られないのか。

    私の疑問は未だ解明されていない。

    • moboyokohamaさん
      了解です!
      了解です!
      2021/11/23
    • moboyokohamaさん
      「罪の余白」読みました。
      今まで読んだ芦沢さんの3作品とは雰囲気が変わっていましたが、こちらも面白かったです。
      ファンになりそうです。
      「罪の余白」読みました。
      今まで読んだ芦沢さんの3作品とは雰囲気が変わっていましたが、こちらも面白かったです。
      ファンになりそうです。
      2021/11/27
    • akodamさん
      moboyokohamaさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます!
      【罪の余白】のレビュー拝読しました。

      moboyokohama...
      moboyokohamaさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます!
      【罪の余白】のレビュー拝読しました。

      moboyokohamaさん仰せの通り、私も本作は負の集合作だと感じました。

      芦沢央、クセになりますよね^ ^
      2021/11/27
  • 芦沢央 著

    そんなに怖いの?『ミステリーの女王』読者であるNORAxxさんの(全力)怖がってるレビューに吹き出しつつも、構えて本作読みましたよ(^^;;
    私も相当のビビりですが…。
    いつも、面白くもグロいほどの怖いミステリー本を読まれてるNORAxxさんらしくもないほどの怖がりように、かえって興味を注がれてしまいました。
    私もオカルトの世界は得意ではないのですが…耐性もないですし^^;
    それでも…
    本作を読みながら、私は何回も水回りをウロウロしましたよ、お茶を飲んだりトイレに行ったり…笑 オカルトミステリー?だから、
    内容は言えないけれど…呪い死にはゾッとしますよね。これはフィクションですよね〜?
    ですよね〜?(念押し)だから、特別に怖くはなかったけれど…1話が終わってラストの方は怖っ!(◎_◎;)と思いながらも背筋が冷たくなる感じもなく、2話〜5話へとスッと読み進めていけました。
    だけど、1話が完結したところで、やれやれ、不気味だなぁと思いつつも、その後は違う話なのに、
    この呪い続いてるの〜⁉︎
    関連ないような怪異が連鎖しているような感じが恐ろしく、まだ怪異に追われ呪いから逃げ続けてるような感覚が怖いし、怖さを倍増してゆく描き方が巧みだなぁと思いました。

    『幽霊の正体見たり枯れ尾花』という言葉のその意味と感じは、とてもよく分かるなぁと思った。
    実際、自分もあるあると思った。
    私自身は音に敏感で音に恐怖心が反応してしまうほうだから、本に於いては特に音はなかったので、それほど怖がりはしなかった。
    それに、物件の怪異は、自分も少し経験したことがあるので(あんな恐ろしい事件性や不審死は皆無であったが…。)
    人にも相性が合う合わないがあるように、
    家(物件)にも相性がある!と実体験で感じた。
    私自身、奇妙な体験談は色々あるけれど、
    「自称霊感少女」ではない(^_^;)
    ここでは、書くのはやめようと思う。
    またの機会にレビューの中に織り込んでお伝えしようと思います(書くと書く方も怖くなるし)NORAxxさんが怖がるだろうし^^;笑
    (ミステリー読者の方がよっぽど、私が震えあがる本を読んでいると感じていますけれど…。)
    (NORAxxさん名前を勝手に何度も使わせてもらってごめんなさいm(_ _)m)

    私は霊は見えない!不穏な空気を感じたり、残念ながら、デジャブはある(~_~;)
    それでもそんなのは可愛いものです。
    この怪異の話の連鎖じゃないけど、
    世の中には、コレって本物じゃないʕʘ‿ʘʔ
    と思うほどの霊感の強い持ち主がいます。
    霊が見えるそうです!「まさか〜⁉︎」と言うのも呪われそうで憚られる。
    話を聞くだけで、きっと本作よりも怖くて、ゾッとするので、出来ればあまり関わりたくないと思うけれど、本作のように、かかわりたくないと思っても、聞いてしまった状況や既に読んでしまっただけでも、関わってるのかもしれない!と思うと…
       怖いですよね。
    因みに、私は、榊 桔平という人を本作を読んだ直後、即座にネットで検索してしまいましたよ。
    読まれた皆さんは?

    • hiromida2さん
      本ぶらさん、こんにちは。お久しぶりです。

      この作家さんの好みは興味あるかないか?分かれそうな気がしますけど…(^_^;)
      そんなに長くなく...
      本ぶらさん、こんにちは。お久しぶりです。

      この作家さんの好みは興味あるかないか?分かれそうな気がしますけど…(^_^;)
      そんなに長くなく…一応短編のスタイルなので…さっと読めますよ!
      怪談好きでしたか、笑
      また、怖そうな話、織り込んでおきます。
      2022/04/07
    • 本ぶらさん
      読みましたよ(^^ゞ
      正直、イマイチ合わない感じだったんですけど、たまたまどの本を読んでもつまらない時で。
      これは、スルーっと読めたのと...
      読みましたよ(^^ゞ
      正直、イマイチ合わない感じだったんですけど、たまたまどの本を読んでもつまらない時で。
      これは、スルーっと読めたのと、これが読めたことで他の本も読めるようになったんで助かりました。
      ありがとうございました。

      ちなみに、上記の感想で「本に於いては特に音はなかったので」とありますけど。
      私、前に「山怪」っていう本を読んでいたら、いきなり襖が「カチカチ、カチカチ…」鳴り出しちゃって(^^;
      カチカチと金属を叩くような音だったんで、たぶん取っ手のところで音がしているんだろうと思うんだけど、もちろん見てもなんにもなく。
      結局、5分くらい、ずーっと鳴ってました。
      2022/05/27
    • hiromida2さん
      本ぶらさん、
      怖い〜!怖いじゃないですか(" ̄д ̄)
      音系は…ホント駄目(>人<;)
      カチカチ、5分長いですね。
      『三怪』ってノンフィクショ...
      本ぶらさん、
      怖い〜!怖いじゃないですか(" ̄д ̄)
      音系は…ホント駄目(>人<;)
      カチカチ、5分長いですね。
      『三怪』ってノンフィクション系の
      あの怖い本ですよね〜
      私は音にすごく敏感で‼︎読書中に
      そんな音鳴りだしたら、本読んでる場合じゃないですよ(・・;)
      私は電気系~(・・?)バシッと光が突然…
      2022/05/29
  • ノンフィクションを装った怪談小説集。「2019年版このミステリーがすごい」の第10位だったので、期待して読んだが最後までだめだった。ありきたりの話、あざとい手法にげんなりする。このミス、当てにならんなあ。

    • 本ぶらさん
      怖い話が好きなんですけど。
      夏ということで、TVでやる怖い話を(どーせツマラナイとは思いつつ)見てみたら、想像以上につまらなくて(^^;
      ...
      怖い話が好きなんですけど。
      夏ということで、TVでやる怖い話を(どーせツマラナイとは思いつつ)見てみたら、想像以上につまらなくて(^^;
      goya626さんの感想を見て、口直しぐらいにはなるかもしれないと、本屋に行ったんですけど。
      本にあった著者の写真を見たら、「うん。絶対ツマラナイ!」って思ってやめました(^^ゞ
      2021/08/29
    • goya626さん
      本ぶらさん
      私としては、つまらなかったです。小野不由美さんの本などは怖いかも。小野不由美原作のアニメの「屍鬼」は凄く怖かったですよ。
      本ぶらさん
      私としては、つまらなかったです。小野不由美さんの本などは怖いかも。小野不由美原作のアニメの「屍鬼」は凄く怖かったですよ。
      2021/08/30
  • 一気読みしてしまった。

    先日、読んだホラーが私には合わなくて、今作はまさにこうした作品が読みたかったと満足感で一杯!

    面白かった(^^)

  • 一言で言うと、実話を装った怪談です。そういうのは嫌いではないので私は満足ですが、出版社ぐるみで作りすぎ、やりすぎって思ってしまう。やりすぎると怖さが半減します。最終章まできちんと読むと全てが繋がるようになっています。内容は霊的なものなのか、人怖なのか解釈次第と感じました。人怖は実態のある恐怖なのである意味オバケより怖いと思っています。

  • 芦沢央『火のないところに煙は』新潮文庫。

    たまに地元の本屋にも入荷する著者のサイン本。本屋大賞ノミネート作ということで読んでみることに。

    現実と虚構とを曖昧にして、ミステリーと怪談を融合したような連作短編集。いずれの短編も納得出来るような、今一つ歯切れが悪いような結末で、書き下ろしの最終話を読んでも、どうにもしっくり来なかった。

    『第一話 染み』。神楽坂を舞台にした怪談の執筆を依頼された作家の私は脳裏に思い出したくない悲劇が甦る。8年前、私が大学時代の友人から依頼されて、友人の知人の婚約者が突然自殺したことについて相談を受けるが……婚約者の自殺にはよく当たると評判の占い師が関わっていた。

    『第二話 お祓いを頼む女』。自分と夫、息子の3人が狛犬に祟られているので、お祓いして欲しいと自宅にまで押し掛けて来た女性。夫と息子への祟りの正体が判明するのだが……納得出来るような、煮え切らないような結末。こういうテイストの短編が続くのかと思うと、少し憂鬱になる。

    『第三話 妄言』。中古の家を購入した若い夫婦。隣人の介入が次第に煩わしくなり、そのうちに夫の浮気現場を目撃したとか、夫が女性を突飛ばして殺害したなどと有り得ないことを妻に吹き込み……これは成る程と納得出来る短編だった。

    『第四話 助けてって言ったのに』。夫の実家で義母と同居を始めた時から火に焼かれる夢を見始めた妻。やがて怪異はエスカレートし……歯切れの悪い結末。だから?

    『第五話 誰かの怪異』。引っ越し先のアパートで起きる怪異。長い髪が排水溝に、鏡に映る女の子の姿……納得出来るような、騙されたような。

    『最終話 禁忌』。書き下ろし。五つの怪談の総集編、或いは解決編というような内容の短編。どうにもしっくり来ない。

    本体価格590円
    ★★★

  • 近所の神楽坂が舞台の怪談。場所がリアルなので、面白い。実話系怪談の面目躍如ということか。
    本当によく出来たストーリーで、全話を読んで浮かび上がるものがある展開は、作者の巧さを感じさせられる。ちと、親子2代を呪う夢の中の女性霊というのは、何年前から、その占い師活動してんねんという感じで、無理矢理なこじつけもあった様にも思えたけども、そのへんの整理されきれてないところが、ミステリーの手法で怪談を現実に落とし込んだ結果なのかもしれない。
    只、帯の煽り文句ほど怖くなかったのは、想像力が乏しいおっさんの自分の感性だからかもしれない。

  • 短編ホラー。と、ひと言で片付けてしまうのは勿体無い。
    物語は、著者が出版社より、特集テーマ「怪談」の依頼を受け、著者自身が関わることとなった過去の〝ある体験〟を思いおこすところから始まる。

    一話目を発表したことにより、二話目の話しを知ることになり、その流れから三話目が舞い込み…と、まさに〝引き寄せの法則〟の如く、五話でいったん幕引きとなる。
    それぞれは、まったく違う怪異であり、登場人物の恐怖や怯えや悩みもさまざま。
    十分に怖い話しでゾッとするのだけれど、一話一話が弱いのか、完璧に解決したとは言い難く、一話読み終えるたびにスッキリしない感が残る。うっすらとモヤがかかったかのように上手く説明できない〝引っかかり〟があるよな、ないよな…。
    先に進めば何か分かるんじゃないかしら?と、思うと、次が気になって仕方がない。だけど読めば読むほどモヤは濃くなる一方。おかげで短編集なのに途中でやめることができず、一気読みでした。
    (300頁無いので夜なべは必要ありません笑)

    そもそもコレはフィクションなのか、ノンフィクションなのか…にしてもコナン君なみに人が死ぬしなぁ…やっぱり…そーだよねぇ〜
    あはははははははは!
    そして、最終話にて〝引っかかり〟の原因に触れてしまったとき、モヤの正体を知ってしまったとき、物語を疑ってしまった自分に恐怖しました。

    今年の5冊目
    2022.1.30

  • 作者がホラーを書くことになり、とりあえず大学時代の友人の紹介で知り合った方から聞いた話をまとめるところから始まる。その一作目が「小説新潮」に掲載された影響で二作目のネタが飛び込んで、二作目を掲載したら三作目のネタが入ってきて...と縁が繋がっていく...。

    これはこの世あらざる物の仕業なのか、人が引き起こした怪異なのか?と絶妙なラインで攻めていて面白かった。と短編集だと思ってめっちゃ油断していたのだけどラストでまさかの繋がり方をしてゾッとした。思い返せばたくさんヒントは散らばっていたのに...。うまく構成されていたと思う。

    そして物語の解明に一役買った榊桔平なる人物が本当に実在するのかしないのか...その辺の不気味さも読んで体験してほしい。

    小説内に出てくる拝み屋の陣内さんの台詞がじわっと後味を残す。

    「関わりのない死者に対して祈りを捧げることは、それまで存在しなかった縁を自ら作ってしまうことになります」

  • 怪奇現象の体験談を、ルポ形式で創作された短編5編。それぞれ、独立した怪談ですが、謎めいた一人の占い師の存在が怪談の繋がりを持たせる。ラストの最終章でその繋がりを明瞭にしていく。怪奇だけでなく、生きている人の性みたいなところも絡めたところは小説として粋かな。

    怪談系を第三者として書くのは、難しそうですね。
    でも、火のないところに煙を出すのがプロ作家。

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著者プロフィール

芦沢央(あしざわ・よう)
1984年東京都生まれ。2012年『罪の余白』で野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。主な著書に『許されようとは思いません』『火のないところに煙は』『僕の神さま』など。最新刊は『汚れた手をそこで拭かない』が第164回直木三十五賞候補作となる。

「2021年 『非日常の謎 ミステリアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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