- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101015248
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
2015年11月8日
-
自分が理想とする、新しく、自由な生き方をどこまでも追求する男の話。
社会は変わったのに、古い慣習に縛られた生き方を続けるのはおかしい、と正論らしい理由で、彼はどこまでも純粋な自由を守ろうとする。その結果、彼は3年間の契約結婚や、はじめから別居の結婚生活、あげく2夫2婦制にしようと知人に嫁をすすめる(自分も浮気するから)など、まあ滅茶苦茶なことまでやろうとする。自由を追求することは孤独だということを知っていてもなお、エゴを貫く主人公を、馬鹿な他人だと思うか、共感するかは読む人によって分かれるのでは。 -
石川達三のファンです。私。
彼の人間のエゴを書いたものの右にでるものはいないと思う。
さすがに、そこそこ、年齢を重ねた今、20歳そこそこで青春の蹉跌を読んだ時ほどの共感はできないし、若者の危うさを痛く感じるようになったけれど、やはり、その不安定で突っ張っていて、エゴをエゴをと感じていない感覚は、非常によくわかる。
昼メロになるなとおもったら、しっかり、ドラマ化されてましたね。さすが、東海テレビ! -
昭和37年発行
カメラ工場で働く法学部出の僕は、まさ子と三年契約の結婚をするが… -
(1982.05.09読了)(拝借)
*解説目録より*
出世に縛られた役人生活を嫌い、自由を求めて職工となり、同僚の女性と三年契約の別居結婚を計画する僕……。大衆社会の変貌を鋭い直観と洞察をもって常に注目する著者が、新しい時代のモラルを作ろうとする若い夫婦の愛と生活、そしてその崩壊を描いて、常識的な結婚形態の意義を改めて世に問うた長編小説。
☆関連図書(既読)
「青春の蹉跌」石川達三著、新潮文庫、1971.05.20
「生きている兵隊」石川達三著、新潮文庫、1973.01.20
「開き過ぎた扉」石川達三著、新潮文庫、1974.04.25 -
”結婚すること”と、”結婚生活を送る”ことは別物である、
ということを考えさせられる。
この物語は、所謂、契約結婚がテーマだ。
3年経って愛がなくなっていたら離婚することを前提とした結婚。
およそ50年弱前に書かれた小説としては、
かなり斬新なテーマだと思われる。
テーマ自体は面白いが、内容はそれほど軽くはない。