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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784101015415
感想・レビュー・書評
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・「生きている兵隊」の石川達三が自由について - 哲学的な自由ではなく実際に生きていく上での自由 - の鋭い考察を展開する一冊。哲学者の説く自由を「まるでわからない」と切り捨てつつ、自由とは何かについの考えをわかりやすく展開してゆく。
・その結果、2つの自由、譲れない自由としての「ただひとつの自由」と譲り得る自由としての「我儘な自由」があるという結論に達する。その「ただひとつの自由」とは何か。わかりやすく言い換えてみるとそれは、「生きるための目標」とも言えるものになる。誰にも左右されることなく、自分の生きる目標を達成することを目指す、それを真の自由であると説く。「自由」という言葉が持つ解放や幸福と言うイメージとは結びつかない結論だが、強く納得できた。さて、俺にはただひとつの自由があるかどうか。
・「生きている兵隊」で発禁処分を受けた石川達三だけあって、表現の自由についての記述は辛辣。表現の自由を縦に利潤を求める猥褻物商人という言葉の前だと、ヘアヌード論争などがどれだけ虚しく感じることか。「表現の自由」についての考え方も改められた。
・近くの市民センターの古書市で10円で購入。電車内で読んでるとすぐ眠くなるけど中盤以降は凄く面白く一気に読んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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