たとえる技術 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 327
感想 : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101015712

作品紹介・あらすじ

この本は◯◯のような本である。たとえると一瞬にして世界が変わる。感情を際立たせ、想像力を掻き立て、平凡な言葉に鮮やかな彩りを与えることができる。上手な「たとえ」は効用絶大。視点のずらし方、使いこなしたい様々な「感情」のたとえ方 etc……。少し笑えて意外と学べて、どこから読んでも面白い。読み終わる頃にはきっと何かをたとえたくて仕方がなくなります。解説・高橋源一郎。

感想・レビュー・書評

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  • 山積みにされた新刊文庫の片隅に、キラキラ輝くこの本は、まるで新しい世界に自分を誘ってくれているかのようだった。
    …こんな感じで、読んでみた後に、例えたくなる。

    「たとえる技術」というタイトルのちょっとした固さとは裏腹に、のんびりとしていってくださいね、と言わんばかりに、例え方のコツを教えてくれる。

    個人的には、「〜のような」を使わない隠喩の方が、謎解きのようで好きなのだけれど、使ったほうがもちろん伝わりやすい。

    この本の作者と同じく、暇なときに想像力のトレーニングをする自分にとってはぴったりの本だった。

    だから、ここは自分ならこう例える、というように、張り合いたくなる気持ちがつい出てしまいそうになる。

    語彙を増やすことで、ジャストサイズの言葉を当てはめて使うのもいいけど、例えることで滲みでてくる、「らしさ」もいいと思う。

    明日から笑顔で上を向いて歩きたくなるような、ところどころでクスリと笑えて元気の出る、そんな本。

  • ラジオで聴いたせきしろさんの話が面白いと思ってたところ本を見つけ購入。真面目そうな本文と思わず笑ってしまうたとえとのバランスが楽しかった。

  • 「この本は、小学校の時の夏休みのようだ」

    解説もとい取説を担当した高橋源一郎の言葉だ。
    高橋源一郎と一体どういう関係が?と思わなくもなかったけれど、確かに小学校の時の夏休みのような一冊には違いなかった。

    『たとえる技術』というタイトル通り、一言でアッサリ終わらせてしまわず、何かに例えることで、伝わりやすくなるよ!
    という、技術と具体例が沢山載っている。

    プレバトの夏井先生が、俳句を添削するコーナーが好きなのだけど、この間「鑑賞ではなく、どうすれば良い句が作れるのか、という技術を私たちは知りたがっている」というような文を読み、なるほどなぁと思わされたのだった。

    この本を読んでいると、そんな短詩系文学に通じるものがある。なーんて言うと、香り高く感じてしまうのだけど、ブハッと音を立てて笑ってしまうくらいに面白い。

    「クララが立ち上がった時のように盛り上がってますかー?

    走り回るペーターのような盛り上がり。」

    なぜか、好きだ。
    なぜか、ハイジではなくペーターであるところが、好きだ。

    つまりは、共感の為せる技なのかと思っていた。

    「『ドラえもん6巻』を読んですぐのように優しい」

    ……違った。
    なぜなら私は『ドラえもん6巻』を読んでいないからだ。でも、なんか、きっとこういう展開があったんだろうと想像して、笑ってしまった。

    色んな具体例を出したいところだが、出せば出すほど、自分がどんな人間かが知られてしまうような恥ずかしさがあることに気付く。
    たとえることは、自分を表現する一つの在り方なんだろうなと思う。

  • 中々面白かったですね。

    お笑いが好きな方は是非!

    すぐに試したくなる。
    けどうまくたとえられない笑

    そう、
    美味しい料理のレシピ本を読んだ後の
    料理のように…

    微妙笑

  • 比喩全般の技術解説ではなく、ユニークなたとえを生むための考え方と、筆者が考えた比喩の具体例がメインコンテンツ。
    どちらかというとユーモア本の系統のようだったが、勉強になる要素もあり、個人的には好みだった。
    言葉遊びや大喜利、『大人タバコ養成講座』や『匿名ラジオ』といったコンテンツが好きな人は楽しめそう。

    たとえば、「綿菓子のような雲」という表現はありきたりだが、すこし付け足して「作りたてほやほやの綿菓子のような雲」や「一口かじった綿菓子のような雲」にすればイメージがふくらんでオリジナリティも出る、というくだりが印象的だった。活用しやすそう。

    本書を読んだあと自分でもいくつかたとえを作ってみて、比喩には作り手が持つステレオタイプイメージが出やすいと感じたのでそこは注意したいと感じた。

    以下は本書内で気に入った比喩

    わかるわかる部門
    「大浴場に自分ひとりだけのようにうれしい」
    「チラシの上に置いた石より風の強さが勝ったような絶望」

    エモ部門
    「夕方のジャングルジムの影のように長い」
    「これから謝りに行くことを忘れるような快晴」

    ギャグ部門
    「シューベルトの『魔王』なら子どもが死んでてもおかしくないような嵐」
    「謙信から送られてきた塩とそれを使った簡単なレシピのようにありがたい」

  • 物事をたとえることで、より深く感情を伝えるかもしれない。そんな技術を面白く可笑しい作例を交えながら紹介していく。ほんのわずか視点を変えたり、似た形や色などを使ったり様々である。大喜利に似た作例の連続とヴァリエーションの豊富さに笑ってしまう。‬

  • 人に何かを説明するとき、具体例はその人のキャラを表す。いろんなことを例えられるように表現力を磨いていきたい。

  • 笑った。頭の体操に、たまに読み返したい。

  • 神戸の古本屋で出会った書籍
    例える面白さがわかる、クスッと笑える秀逸な文が素敵。
    例えが上手い人って憧れるな。
    これを書いている今、私は体育の授業の後のように眠い。

  • 前半は、たとえるための教科書的なことを。後半はせきしろさんの例えの世界観満載な本でした。

    最後の一行に、納得。
    「この本はもしかしたらあなたにとって、『単三電池が必要なのに間違えて単四電池を買ったような本』なのかもしれないが、いつか『あっ、前に買った単四電池が引き出しにあったはず!』と役に立つような本になることを願っている」

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著者プロフィール

作家、俳人。1970年、北海道生まれ。A型。北海道北見北斗高校卒。主な著書に『去年ルノアールで』『海辺の週刊大衆』『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』『たとえる技術』『その落とし物は誰かの形見かもしれない』など。また、又吉直樹との共著に『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』などがある。

「2022年 『放哉の本を読まずに孤独』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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