- 本 ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101018133
感想・レビュー・書評
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70点!
少し特殊な内容だった。病院で出会った老婆がどんどん若返り…。これは、さくらんぼシンドロームじゃないか!もしくはベンジャミンバトン!!それにしても、やりすぎでしょ~(・_・;)5歳くらいの子供になってまで…。この本のテーマはなんだろう?さらっと読めるのに、読み込めば色んな解釈ができそうな奥深さを感じた。いろんな詩を読みたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『飛ぶ夢をしばらく見ない』
とても印象的なタイトル。忘れ難いが、物語との接点は明確に示されてはいない。
一流企業に勤め管理職となるも、地方での単身赴任で精神を病んだ中年の主人公。自殺未遂をするも足の骨折で済んだが、入院先の一室で運命的な出会いをする。衝立越しにいる女性には神秘的な何かがあった。彼女と言葉で情事をしたが、別れ際に見た彼女は老婆だった。退院後、その老婆と再会すると、彼女は美しく若返っていた。
彼女との出会いが中年の人生を大きく変えた。家庭も省みず、彼女と会うことだけを求めた。肉体的な愛から精神的な愛へと変遷した。
「飛ぶ夢」というのは自殺のことであり、彼女の存在が彼の希死念慮を上書きしたのではないかと、勝手に解釈している。タイトルだけでなく、物語も私の心に深い余韻を残していった。 -
山田太一は言語で人間の実験をしてるらしい
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これだけ荒唐無稽な話が好きだ。
本書の主人公田浦は中年という人生の折り返し地点にたって、はじめて本当に愛すべき女性に出会う。
山田太一氏といえば数々の名作があるが、
私がこの本に出会ったのは、偶然・・・
新潮社の本は独特の紙触りと質感が好きで、それだけでもひいきにしていた時期がありました。
この本を手にとったのは、題名に惹かれたことがすべてです。
題名の意味がよくわからない。。
そこが山田太一氏の作品との出会いでした。
主人公の男性、田浦は、中年の男性、右足の骨折で入院した病院で衝立越しに1人の女性と出会う。
しばらくして、その彼女と再会をするが、彼女には驚くべき変化が・・・
精神的にではなく、肉体的に、外形的にどんどん若くなっていく・・
男性は、もちろん、年を重ねていくことになる。。
女性は、最終的には子供と言っていいところまで行く。
しかし、2人は愛し合っているため、そんなことにひるんでいない。
2人の関係は読んでいての日現実感をあまり感じず、何とも読後感がいい。
そしてラストのシーンは、何とも切なく、何とも暖かく・・・
今まで体験したことのない小説の世界観が私は好きな作品です。
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2018.6.25-147
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2018年3月11日読了。
2018年60冊目。 -
山田太一(シナリオライター)の名前と不思議な題にひかれて購入。しかし・・・。
面白くないわけでは有りません。読んでる最中は結構入り込めるのです。最後に幼児に帰った女性が一人で去っていくラストシーンもなかなかです。しかし、読後は・・・
結局著者が何を言いたかったのか、どうも理解できません。
やはり、私は愛の物語と言うのは苦手なようです。
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どんどん若返っていく相手と体を重ねるという背徳。
著者プロフィール
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