憑神 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 392
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101019246

作品紹介・あらすじ

時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった!とことん運に見放されながらも懸命に生きる男の姿は、抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。傑作時代長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 今回の憑神という作品ですが、映画化もされた作品です。

    主人公の武士にさまざまな神様が憑くという物語。

    それも普通の神様ではありません。

    貧乏神に始まり、疫病神、終いには死神まで・・・

    ちょっと可哀想と思っていまいましたが、
    主人公はめげず、時に神様に立ち向かい、時に人に擦り付けw、またある時は運命を受け入れる。

    ラストでは少しジーンと来てしまいました。
    個人的には好きな作品です。ぜひ読んでみてください!

  • 貧乏神・疫病神・死神と、ひょんなことで取り憑かれるはめになった一人の武士の話。

    コメディタッチの始まりだが、ラストの結末に向かう疾走感は圧巻。

    読後、清々しい気持ちになった。

  • 読むのは3回目。時代小説だから、普段は聞かないような言葉が多いけど、そこも好き。異文化に触れているというか。
    彦四郎がおつやを受け入れるシーンは何度読んでも好きだなぁ。

  • 現在の泣ける映画・小説ブームの先駆けは浅田次郎の「鉄道員」じゃないかと思っている。
    私はそういう一連の「泣ける」モノにあまり興味がなく、どちらかと言えば冷ややかな目で見ている。この本を買ったのは妻だ。私ではない。でも、話題となってる以上読んでしまう自分が悲しい。
    途中まで読んでいてこのストーリー展開は星新一だなと思った。拝んではいけない祠を拝み、貧乏神・疫病神・死神に次々憑かれる不幸な男。
    しかし、星新一ならその不幸を幸運に変えていくスノッブな展開で終わるだろうが、浅田次郎は違った。幕末を舞台に武士道を軸として泣ける話に仕上げている。
    ただし、この展開で泣くには主人公の考える武士道の何たるかを理解せねばならない。その部分が説明的で泣くためにはその部分をしっかり読まねばならぬ。泣くことに興味がない私には苦痛だった。
    貧乏神・疫病神・死神に次々憑かれる不幸な男の話を筒井康隆で読んでみたい。そう思った。

  • エンディングはまさに葉隠の「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」で、爽やかな涙を誘う。
    物語を見事に終わらす力を持つ作家だなぁと感じた。

  • 「限りある命が虚しいのではない。限りある命ゆえに輝かしいのだ」

    腐敗と、慢性的な疲弊に沈む現代日本では
    バカ正直に真面目に暮らしているようでは、良い暮らしにはありつけない……。

    本作の舞台・幕末の江戸でも同じ。
    真面目過ぎてお人好しですらある主人公が
    ツイてない人生に翻弄されながらも
    「自分らしくどう生きるか」を成長しながら見出す物語。
    憑神に取り憑かれる主人公や
    粋な江戸のユーモアをたっぷり織り交ぜたドタバタ劇かと思いきや
    読み手に「あなたの『人間を人間たらしめる真理』は何か?」と問いかける。
    心温まるストーリ。名作。

  • 器用ですな、この人は。時代物をやると宮部みゆきに近いテイストを感じる。
    人情話と怪異譚に歴史ものの風味を添えた一品。飛行機内で気楽に読むにはちょうど良かった。

  •  浅田次郎を読んだのは初めて。語り口が滑らかなのに驚いた。
     ろくでもない「神」が出てくるなんて、「荒唐無稽」のレッテルを貼られておかしくないのに、何の疑問もなくストーリーに入っていけるのは、これら「ろくでもない神々」に何故か「人情」を持たせてしまえる主人公、彦四郎の人物故なのか。
     彦四郎の生き様に「日本人の忘れもの」が描かれている。

  • 幕末の神様もの、ファンタジー、幕末の空気感が細かく描写されているので幕末史好きには特におすすめ、やっぱり最後は泣かせる

  • 時は江戸末期、御徒士組という由緒がありながらも貧しい武士の次男坊、彦四郎が、土手下にある祠を拝んだことで被る御災厄のお話。

    2008年以来の再読。
    前半はコミカルだが、扱う御災厄が重くなるにつれ、雰囲気もシリアスに。

    以前読んだときは「後半がイマイチ…。」と感じたものだが、やはり後半に向けて変化していく作風やテーマの重さが、読み手を良くも悪くも裏切るのが理由だと感じた。

    三柱の神様の造形や、小文吾や団子屋の主人、蕎麦屋の親爺といった主人公の周りの登場人物に好感が持てた。

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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