憑神 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101019246

感想・レビュー・書評

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  • 2015年12月18日読了。

  • 読んで良かった。

  • やっぱり浅田次郎はうまい!文章の職人。鉄道員(ぽっぽや)で見せた燻し銀の文章から一転、落語調の歯切れ良い語り口が楽しい。

    正直者で要領の悪い主人公が、ひょんな事から憑依された貧乏神、疫病神、死神たちの災厄を逆手にとって出世してゆくプロットはユニークで痛快。
    また随所に散りばめた落語的なくすぐりで笑いを誘う一方で、お得意の泣かせ所も忘れない。大作ではないが落語好きには間違いなく楽しめる佳作。

    ほんと誰か落語でやってくれないかな?そのまんま使えそう。でも「真景累ヶ淵」どころじゃない2時間超える長尺落語になるかも。

  • 2007年7月11日読了。

    「抱腹絶倒にして、感涙必至。」
    映画化が決まったと知ってから探しまくったんだけど、やっと見つけたのが劇場公開してからってどうよ。話題に上らないと誰も読まないとでも言うのか。

    幕末江戸。出世の道をしくじって実家に出戻った別所彦四郎。ふとしたことで見つけた「三巡稲荷」の祠に神頼みをしてみると、続々と出てくるは、貧乏神、疫病神、死神。ただでさえ不幸なところに度重なる災難。

    不幸の元となったところに貧乏神と疫病神を「宿替え」とはなかなかうまい手だとは思ったが、そのせいでやはり自分の周囲に及ぶ不幸。最後の死神を宿替えしない、逃げも隠れもせぬと決めた彦さんは、本当の漢だね。息子への言葉が涙を誘う。



    「限りある命が虚しいのではない。限りある命ゆえに輝かしいのだ。……」

  • 貧乏神、疫病神、死神の3巡は堪える。幕末の貧乏御家人はそんなものだったろう。

  • 2015/04/20
    貧乏神、疫病神、死神に憑かれる武士の話。
    誰もが憑いて欲しくない神様達を味方につけてのし上がっていくサクセスストーリーなのかと思ったが、その実は武士の生き方や精神の美しさ、格好良さを描いた物語。
    ラストの彦四朗が格好良すぎる!

    資格試験勉強明けにマンガ感覚でリラックスして読めた。いい本でした。

  • タイトルからして、陰陽師的憑物落とし的な内容かと思っていましたが、全くちがいました(笑)
    彦さんの武士ぶりには頭が下がります。

  • 久方ぶりに楽しい本に出会ったカンジ。「限りあるからこそ輝かしい命」には泣けた。まさに抱腹絶倒にして、やがては感涙、男彦四朗!浪曲がごとき

  • 浅田さんは、普通の小説と求めている筋が違うなあ、と思っていたのですが、それは『死に場所』なのかもしれません。
    普通の最近の小説は、生きる場所や、再生について書くものですが、浅田さんは違う気がする。どっちかというと、明治以前の日本の美意識。家と忠義と個人の誇りと死。浄瑠璃や歌舞伎で延々と語られてきた、日本人の美についての根源的なテーマ。だから読むとなんか違うな、って違和感と、馴染みがなくてもなんとなくわかるなあ、共感できるなあといったちょっとした感動がダブルでやってくるのだろう。

  • ちょっと読みにくかったなぁ。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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