- 本 ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101020723
作品紹介・あらすじ
凶悪事件が長年起きていない佐紋署に、田添杏美副署長は異動した。だが赴任早々、山間部で殺人事件が発生した。おりしも隣接署で起きた事件で緊急配備の最中だった。ほぼ同時刻、港ではもう一つ事件が起きていた。被害者は、警官だった……。捜査に不慣れな署員もそれぞれの任務を果たしていくが再び事態は緊迫する! 危機の一瞬に警官の血が沸騰し、「それぞれの勲章」が熱く刻まれる傑作。
感想・レビュー・書評
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松嶋智左『女副署長 緊急配備』新潮文庫。
元女性白バイ隊の経歴を持つ著者による警察シリーズの第2弾。書き下ろし。
田添杏美副署長の現れる所に事件の嵐が吹き荒れる。平和なはずの佐紋署管内でひったくり事件、殺人事件、警察官襲撃事件が相次いで起きる。しかし、殺人事件の真相には前作と同様に警察組織の関係者が関与するという偶然では片付けられない二番煎じという残念な結末。
前作で描かれた警察署の不祥事により懲罰人事を受けた田添杏美副署長が凶悪事件が長年起きていない平和な佐紋署に異動する。田添杏美副署長が着任早々、ひったくり事件が発生し、緊急配備を行う最中、山間部で女性の殺人遺体が発見される。殺害された女性は元JAの組合長で業務上横領の罪で服役し、刑務所から釈放されたばかりだった。さらには、同じ頃、独自に内偵を行っていた若手署員が何者かに襲撃されて大怪我を負う。
本体価格670円
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「女副署長」続編。前回の署内での殺人事件で事実上の引責左遷先の閑散署に異動になり、署長病欠で副署長兼署長代理となった田添杏美。今回は前回と違い、署員を見守る位置づけが強くなり、よりリアルな設定が好印象。また、事件のプロットが非常によくできていて、各事件の結びつきが紐解かれる過程の描写がとても良い。県警捜査一課花野班長との関係性も面白い。第3弾も読んでみたい。
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2024.05.06
一気に読んだ2冊のうち1冊目。
著者の特徴は緩急の付け方のうまさにあると思う。
主人公の心情など、ゆったりと時間が流れているように思えるところと、事件が動くときの目まぐるしさとが良い対比になっている。 -
シリーズ第2弾、今作も面白かった。田添杏美が赴任した警察署は漁業と農業だけの小さな町。署長の入院により図らずも署長代理となった矢先に殺人事件が起き、警官が被害に遭う傷害事件などが重なっていく。シングルマザーや父親の介護に追われる巡査部長など、様々な悩みや葛藤を抱えた署員たち。地道な捜査を続けながら、小さな町の警察官たちの胸に去来するのはやはり警察官としての誇りと警察魂。最後は報われて本当に良かった。
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前作の不祥事の懲罰人事で小さな所轄に飛ばされた田添副署長。殆ど凶悪事件がないはずの第一次産業が中心の田舎なのに、ヒキが強いのか赴任して早々に殺人事件が発生し、またもや警察官が巻き込まれる。
本庁に異動していたお馴染みの花野グリズリー警部が臨場し、相変わらず微妙な距離感のコンビが指揮します。
元警察官という経歴を持つ松嶋さんだけあって、女性警察官に浮ついたところがないのが好ましい。 -
一作目「女副署長」に続けて読了。
こちらの方がお薦め。
それぞれの葛藤を抱えている警察署員の若い女性二人がなかなか良い。一作目に続いて登場の花野警部も人間としての味わいが出てきた。 -
シリーズ第2作。
前作の事件の責任を取って場末の署に異動となった主人公が、署長不在の中で副署長件署長代行となり、署員負傷事件と同時に管内十数年ぶりに発生した殺人事件に、出張ってきた県警本部とともに挑む。
田舎ならではの閉塞感と濃厚な人間関係は事件の背景ともなり、解決の糸口ともなる。
所轄署員の地道な捜査や着眼が捜査を進展させる様子が読者を高揚させる。 -
10月-10。3.5点。
女副署長、第二弾。所轄の署長が病気療養中、署長代行を務める主人公。
前作同様、やっかいな事件、天敵の捜査一課係長が。。
それなりに読みやすかった。 -
びっくりした終盤の圧巻。
そうまとめるのかと。
著者プロフィール
松嶋智左の作品





