高円寺純情商店街本日開店 (新潮文庫 ね 1-3)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101021140

感想・レビュー・書評

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  • 前作の後年にあたる続編。一言で表せば「時代の波に呑まれていく」的な内容。それにしても登場人物が本当に近所にいるような錯覚さえある。人間描写がするどいのか、そう思わせる作者の文章力なのか・・・。何にせよ万人に読める作品。

  • 大黒メロン、八月のキャッチボール、本日開店

  • 読書録「高円寺純情商店街本日開店」3

    著者 ねじめ正一
    出版 新潮社

    p164より引用
    “見当で掴んでいるくせに、秤の上の桜海老
    は、どれも三グラムと違っていない正確さ
    だった。”

    目次から抜粋引用
    “大黒メロン
     八月のキャッチボール
     本日開店”

     昭和の頃にあったような、商店街の人達の
    様子を描いた連作短編小説。
     主人公・正一は嫌な夢を見て目がさめた。
    夢の中で鳴っていた、海の音が、止むこと無
    く聞こえていた…。

     上記の引用は、主人公の祖母の特技につい
    て書かれた一文。長年同じ事を続けている人
    には、こういう能力を身につける人がいるの
    でしょうね。昔テレビで見た、お弁当屋さん
    で働く人が、正確に弁当箱にご飯を同じ量だ
    けよそうのを、感心して見た覚えがあります。
     スーパーの進出に伴う商店街の変化など、
    随分と現実的な話が書かれています。
    単行本は平成二年の出版とのこと、今も昔も
    人の悩みはあまり変わらないのかもしれませ
    ん。新興の住宅地に出来た商店街も、少し
    経って車で行けるショッピングセンターがで
    きたら、衰退するということが、今でもよく
    聞く話ですし。

    ーーーーー

  • 一抹の寂しさを覚えつつ読後感はわりと良い感じ。高円寺商店街の中でも威勢の良い魚政が店をたたんでラーメン屋を始めることに商店街という場所の衰退をひしひしと感じつつ、タイトルにもある本日開店に少しだけ明るい未来を感じました。
    開店してからが大変だろうけど、それでもただ店をたたむんじゃなくて新しいことを始める、そのことに少し救われた気分です。
    移りゆく商店街の姿に正一と一緒になんかやるせなさを感じましたが、仕方ないことなのかなとも思います。
    長嶋がやってきた!のシーンでは正一少年の興奮っぷりが伝わってきて楽しかったです。

  • 1作目の方がさっぱりしていて良かった記憶
    ただ読んだのはこちらの方が先だったけど、、、
    改めて最近読んでみたら,むしろねじめさんが正一の頃を淡々と振り返っているのだな と思った
    そこにあまりクセがないというか 読みやすかった

    文庫本の表紙に注目した

  • 大手スーパーに飲み込まれてしまうかもしれない危機感の中少年正一は自分の進路を模索する。
    隣家の魚政の幼馴染ケイコ、鬱陶しく思う反面彼女への優しい思いやりが美しい。

  • (メモ:中等部3年のときに読了。)

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著者プロフィール

ねじめ正一
1948年東京都生まれ。詩人、作家。 
詩集『ふ』(櫓人出版会)でH氏賞、『高円寺純情商店街』(新潮社)で直木賞、『荒地の恋』(文藝春秋)で中央公論文芸賞、『商人』(集英社)で舟橋聖一文学賞、『まいごのことり』(佼成出版社)でひろすけ童話賞、『ひゃくえんだま』(鈴木出版)でけんぶち絵本の里大賞びばからす賞を受賞。
主な児童作品に『ぞうさんうんちしょうてんがい』(くもん出版)、『ずんずんばたばたおるすばん』(福音館書店)、『みどりバアバ』(童心社)など多数ある。

「2022年 『たんていベイビー きえたヤギのおばあさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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