枕詞はサッちゃん 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2020年7月29日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784101021911

作品紹介・あらすじ

♪サッちゃんはね サチコって いうんだ ほんとはね──父が作詞した歌がテレビで流れると「今日はお肉が食べられる」と喜び合った。庄野潤三、三浦朱門らと親交を深め、やがて小説家の道を歩むが、膨大な資料集めと取材で印税は泡と消えた。子煩悩とは程遠い人、けれど残した詩はユーモアと哀切に満ちていて……。娘が語る「サッちゃん」作詞家の生涯。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 「文士の子供被害者の会」 
    文士と言われるかたが特種なわけでもないように思う。
    大正から昭和生まれのお父さんなら そんなものでしょう。(一日中 家にいるというのは大きいかもしれないが。)

    厳しくとも どこかお間抜け。 
    横暴に見えても 家族のことを考えていないわけではない。 横暴なんだけど。

    そんな昭和の真っ只中の雰囲気にどっぷり浸かり
    昭和の子供に捧げられたような…気分になる。

    「サッちゃん」も「どうしておなかがへるのかな」も 
    懐かしいというより 常に側にある。

    オジサン オバサン なっちゅん そしてご主人

    壮絶な経験を経て 
    それをさらっと…笑いに変えるハイエナ二世さんの今が 
    幸せでありますように!


  • 童謡「サッちゃん」の作詞で有名な阪田寛夫を父に持つ筆者の父親の人生をメインに記したエッセイ。
    誰もが子供の頃、歌った童謡「サッちゃん」を作った作詞家はどんな人だったのか。またその家族はどんな人たちだったのか。ある意味、戦後まもなく筆者の子供時代から現代までの、ある程度恵まれた家庭の日常を描いた作品である。平和が訪れ、穏やかな日常の中で日本人は家庭をどのように育んできたかがわかる。また明るい未来を誰もが確信していた時代だと感じる。
    しかし筆者が大人となり、家庭を持ってから両親の晩年、夫や妹の病気等、近年は看護と介護であったと推察できる内容もあるが、その筆致は終始明るく、ユーモアさえ交えながら語られていく。
    その書きぶりは、父、阪田寛夫の多くの「詩」がわかりやすく、明るい内容であることから、親子の遺伝子(?)のなせる技かとも思った。

  • 間に挟まる詩。ひとつひとつエピソードをはさみながら。あたたかい。

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