- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101023519
作品紹介・あらすじ
みんなには隠している、少しだけ特別な力を持った高校生 5人。別に何の役にも立たないけれど、そのせいで、クラスメイトのあの子のことが気になって仕方ない──。彼女がシャンプーを変えたのはなぜ? 彼が持っていた“恋の鈴”は誰のもの? それぞれの「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。甘酸っぱくも爽やかな男女 5人の日常を鮮やかに切り取った、共感必至の青春小説。
感想・レビュー・書評
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かくしごとがあります。日本人ならば、誰もが持っている超能力・空気を読むというやつ。私は持っていません!!今まで何とか誤魔化してきました。状況証拠を積み上げれば、科学的に動機などは推測できるので、いざという時にはそれなりの努力をしていたのです。それで仕事は大きな失敗はしませんが、男女のことになると、一瞬でわかる必要があります。そんな余裕はないので、はっきり言って1年後、20年後にやっと本心がわかるという体たらくです。
さて、ここに出てくる男女の高校生には、それに似た特殊能力があります。京くんは相手の頭の上に「?」などの記号が見えます。ミッキーは「/」などのように感情の上がり下がりが見えます。パラは‥‥、と皆んな相手の気持ち少しづつが可視化して見えるようです。
でも、そんなの読まされても私は「何、当たり前のこと書いてるんだ」としか思いません。皆んな多かれ少なかれそんな能力持ってんじゃないの?私にはなかったけど。
相手の感情が見えても、男女5人の恋模様や友情の勘違い、臆病、思いやりは、まったくもって普通に進行します。いやはや可愛いもんです。こんな仲良し五人組欲しかったな。あ、そう言えば、あの時イズミ(高校時の柔道仲間)がはしゃいでいたのは‥‥(ン十年ぶりに判明!)。
もう一つ隠し事ありました。この文庫本、普通に売っていたのだけど、何故か住野よるさんのサイン付きでした!皆んなに見せてあげたい!(私の頭の上には「喜」のスペードが!) -
いゃ〜青春キュンキュンものでしたねー!いい作品だぁ〜!ゴリゴリのファンタジーではなくて、それぞれが持ち合わせている能力?『かくしごと』ですかね?気持ちを察したり感じたりという多感な時期を表現する術として、こういった書き方、表現をされた作者は凄いなぁと改めて思いました。みんなキャラが立ってていい仕事してましたね!素敵です!大人になった姿を見てみたい!
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京くん、ミッキー、パラ、ズカ、エル。
高校のクラスメイト5人組それぞれが持ってる特別な能力とは。
?マーク、!マーク、シーソーみたいなバー、1・2・3・4のリズムが頭の上を飛び交ってます。
何気に振る舞っているようで、とってももどかしくて、5人の気持ちがあちらこちらに交錯していて、いったいどこに行き着くのだろう。
これは高校生の恋と友情のお話。
性格のまったく違う5人組だけれど、みんな友だち想いのほんとに優しい子たちだった。
気を遣いすぎたり、考えすぎたり、深読みし過ぎたり、もう青春真っ只中って感じで、とーっても瑞々しかったです。 -
住野よるの青春ものの良作『か「」く「」し「」ご「」と「』が文庫になったことから手に取った。
住野よるの作品は
『麦本三歩の好きなもの』
と最新刊の
『この気持ちもいつか忘れる』
以外は全部読んでいるのだが、やはり筆者の書く文章のセンスの良さには舌を巻く。読んでいて凄く愉しい。
今回の本は著者が最も得意とする青春学園もの。
高校3年生の仲良し男女5人組のそれぞれを主人公とした短編連作集といえばよいだろうか。
彼らにはそれぞれ特殊能力……といってもサイコキネシスとかテレポーテーションとか目から怪光線を出すとか・・・といったようなXメン的な超能力ではなく、相手の心の状態がちょっと分かるというような比較的ライトな能力を有している。
もちろん、お互いにこんな能力を有していることは知らないし、秘密にしている。
とは言っても、その特殊能力を使ったからどうなんだという話ではない。
彼らはそれぞれお互いに悩み、苦しみ、恋し、そして青春を紡ぎだしていく。
う~ん。若いな~。若いっていいなぁ~。
僕みたいなおじさんの立場から言わせていただくと、
お前ら、もっと立場を考えて、勉強したり、スキルアップしたりしろ!!
って考えちゃうんだけど、そうじゃないんだよね。
そうじゃない。
このかけがえのない10代の青春をいかにして過ごすか、楽しむか、恋するか、友達を作るかってことが一番重要なんだと思う。
時は短し恋せよ乙女
ではないけど、その時にしかできないことは、本当にその時にしかできない。それを後からいくら悔い悩んでも取返しはつかないのだ。
そう、今は思いっきり楽しみなさい。恋しなさい。悩みなさい。泣きなさい。そして笑いなさい、若人たちよ。
本書は、僕みたいなおじさんにも、そんなことを思い起こさせてくれる良作だった(遠い目・・・)。 -
何の役にも立たない少し不思議な力を持った5人。青春小説なのですごく共感できた!さすがキミスイの作者住野よるさん!
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思っていたのと違うかも。それぞれの目線は面白いかな、でも自分だけの能力で人には言えない、なんだか能力が重荷で、なくても発言出来るし、負のイメージで書かれているので、将来お互い言うのかなー、自分はどれがいいかなー全部いらないかも。なんだか後ろ向きな感想ですが、キミスイからよるのばけものまでずーっとファンなのです
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本作には、京、ミッキー、パラ、ヅカ、エルという5人の高校生が登場します。
全員が非常に個性的な上に、他人の喜怒哀楽や心拍数を知ることができる等のちょっとした特殊能力をそれぞれ持っているので、全く感情移入ができません。笑
ですが、自分の学生時代を思い出して、少し懐かしい気持ちになりました。
通っていた高校の校舎や中庭、図書室…
修学旅行で北海道に行ったことや、部活帰りにコンビニで買い食いしたこと、進路を決めたときのこと…
明るい子、面白い子、リーダーシップがある子、クールな子、賢い子、、、
色んな人達がいたよなぁ。
みんな何を考えていたのかな。
私はどんな風に見えていたのかな?
そんなことを考えたりして、青春真っ只中の彼らが少し羨ましくなりました。 -
最後までプロットに馴染めないまま読み終わってしまった。
三半規管の不調が、微妙な空気の震えを捉え損うようですが、その分を眼力(視力ではない)が補うのではないかと、、、科学的に...
三半規管の不調が、微妙な空気の震えを捉え損うようですが、その分を眼力(視力ではない)が補うのではないかと、、、科学的に実証されれば、不幸な人を減らす手立てが発見されるでしょう。。。
そうか、私、昔から鼻が悪かったから‥‥
そうか、私、昔から鼻が悪かったから‥‥