- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101024011
感想・レビュー・書評
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坂口安吾さんの文章は本当にきれい!
登場人物たちが魅力的です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦争と一人の女、青鬼の褌を洗う女が印象的でした。私も女だからでしょうか。
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「白痴」と「いずこへ」読了。
この人は生きていたかった人なんじゃないかなあ。
私はそのころ耳を澄ますように生きていた。 -
戦時中における空襲の描写が、何故か一番頭に残っています。生きていること、の意味を考えさせられました。
安吾の独特の文体には、人を引きつける力があるように思えます。 -
青空文庫にて「白痴」読了。白痴の女性に対して、いつ死んでもいいが、自らの手では殺める度胸がないから空襲で亡くなることを期待していた主人公が実際にとった行動が非常に人間らしい。
タイトルや内容を含め、なかなか強烈な言い回しがある小説だが、当時の時勢や作者の自身が精神衰弱疾患者だったからこそ為せる作品か。
また、ここまで生死と向き合うことのない現代では、差し迫った環境の中で転がり込んできた女性に対しここまで命を張れる機会は無いと思う。いつ終わるかもしれぬ戦争とその時代を希望無く生きる主人公だからこそ、白痴に一握の期待を見出したのだろう。 -
10/23
狂気/正常の境目だけでなく、人間/動物の境目までやすやすと。 -
白痴に出てくるヒロインはどれも淫売ではあるが清潔である。
男にとっての女の理想的な部分を集めた様でもある。
そうして、可愛いのである。
ただ、それも外から見ているから思うことであろう。
いずこへの文章のリズムにやられ、
母の上京のオチで笑い、
外套と青空のキミ子に恋をする。 -
「白痴」(坂口安吾)読了。短編集。「いずこへ」「白痴」「母の上京」「外套と青空」「私は海をだきしめていたい」「戦争と一人の女」「青鬼の褌を洗う女」の7編。これらの持つ雰囲気(堕ちていく感じとか露悪的なところとかです)が私の苦手な太宰と似てはいるけれど同じではない。
坂口安吾は初めて読んだのですが、しかし例えば「いずこへ」の『私はそのころ耳を澄ますようにして生きていた。』とはまたなんとも素敵な書き出しではないか!この一文を読むだけでわたしは坂口安吾という作家が好きになってしまう。
坂口安吾の日本文学史における立ち位置については知らないけれどこれらの短編を読む限りにおいて広く一般に受け入れられるものとは思えない。(たぶん一部の熱狂的な読者は存在し得るだろうけれど。)かつてもしそうであったのならそれはやはり「時代」の所為なんだろうな。
極限下(戦争中)における倒錯した幸福感や欲望等々について戦後生まれのわたしとしては理解しがたいところもあるのですが、あるいはよりむき出しの人間的普遍的本能的なものが露わになるのかもしれないとも思う。しかし読み終わるのにずいぶん時間がかかってしまったな。 -
「私は海をだきしめたい」に共感。
全編通して肉慾を見つめる。鬼のイメージも共通