白痴 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2515
レビュー : 266
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101024011

感想・レビュー・書評

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  • 前回読んだ岩波文庫とは収録されているものが若干違うので(かなりかぶってはいるけど)、こちらも読んでみた。
    やっぱり「白痴」には格別に感動するけど、他も全て良かった。
    「青鬼の褌を洗う女」の主人公が好き。

  • 生への執着、生きがい。戦争もずいぶん昔のこととなってしまった。13.4.29

  • 何度目かの白痴読了。
    相変わらず面白かった。
    自分の存在意義同様に孤独さえも他人との関係の中でしか見出すことできない。
    だけど、白痴の女との間では関係は揺るぎ不安定である。
    そんな中で一瞬ではあるが意思表示された女に伊沢は感動で狂いそうになる。
    そんな希望を垣間見たのは伊沢が本音で女に接したからかもしれない。

  • 表題作「白痴」を含む7篇が収められてゐます。
    それにしても、何とまあ無気力な主人公たちでせうか。ここまでやる気が感じられないと笑つてしまふほどであります。

    「いずこへ」の三文文士、「白痴」の伊沢、「母の上京」の夏川、「外套と青空」の太平など、一見志が低い、どうしやうもない奴等ではあります。
    一種の理想主義者なのかも知れません。故意に情けない姿を見せてゐるのも、堕落してもいいぢやんとばかりに挑発してゐるやうに見えます。
    常に戦争の影がちらつき、明日の生命も分からぬ当時の世相も関係があるのでせう。それでも適当に諧謔を交へて、それなりに逞しく生き抜く男女の姿は善悪を超えた存在として迫るのでした。

    「戦争と一人の女」「青鬼の褌を洗う女」は女性の一人称で語られる作品。戦争を歓迎する発言などを、女性の立場からさせてゐます。これは計算づくか。
    ちなみに「戦争と一人の女」は、元々男性の視点から書かれてゐたさうで、本書に収められてゐるのは、その後書き直されたもののやうです。元のやつも読んでみたいのですが、高価な全集版でないと載つてゐないのでせうね。

    今風の小説に慣れた読者には、少し読み辛いかもしれませんが、今でも版を重ねてゐるのも事実。人によつて意見が分かれさうな作品群と申せませう。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-206.html

  • 遠藤周作「私が 棄てた 女」の延長で読んだ。遠藤の方が良作。

  • 戦争の描写が多く読みづらいかと思いきや、一気に読み終えた一冊。
    文章力が凄い。

  • 中学生の頃だったか、浅野忠信の映画のポスターがすごく印象的で気になってて、でも何かエロスな感じもあって見に行く勇気のないまま、映画館の前を通るたび悶々としてたのを思い出します。

  • ダダイスト。

    太宰は自分のこと嫌いで、嫌いで、結局そんな自分が好きだけど、

    安吾はその逆というか、

    「堕落は呑んでも呑まれるな」と思いつつ、結局呑まれてしまう感じがする。

    そんなダメっぷりが、ちょっとおちゃめ。

  • 空襲下の限界状態で、人間の尊厳を問う。

    本能のみで生きる白痴を豚と変わらないと言い切り、徹底して人間の表層を取り除いている。

     多少、露骨な表現が多いが、私の存在意義を再考させられる。

  • この本、高校時代に読書感想文を無理やり書くために読んだような・・・
    でもほとんど内容を覚えてなかったので、もう一回読んでみました。

    それもそのはず。

    文章が読みにくいです。やたら難解。
    ホントに高校生の時、ちゃんと読んだのだろうか・・・。

    ついでにいうと、私あんまりこの手の小説好きじゃないです。デカダン派というやつでしょうか。それでも読みかけたので頑張って読みました。

    表題作「白痴」を含む代表作7作が収録されているのですが、「私は海をだきしめていたい」「戦争と一人の女」はどうやらリンクしているらしく、良かったです。

    苦手な類の小説なんだけれど、戦争を取り扱った小説としてはかなり珍しいものだと思います。そういった意味で興味深いです。
    私は当然、日本で戦争があった時代に生きては居ないので、戦争観というのはメディアによって形作られています。
    坂口安吾は時代的に第二次世界大戦を経験しておられると思うのですが(終戦10年後に亡くなっています)、「戦争と一人の女」は戦争体験者が書く小説としては私にとって衝撃のものでした。

    「私は然し夜間爆撃の何が一番すばらしかったかと訊かれると、正直のところは、被害の大きかったのが何より私の気にいっていたというのが本当の気持なのである。照空燈の矢の中にポッカリ浮いた鈍い銀色のB29も美しい。カチカチと光る高射砲、そして高射砲の音の中を泳いでくるB29の爆音。花火のように空にひらいて落ちてくる焼夷弾、けれども私には地上の光芒たる劫火だけが全心的な満足を与えてくれるのであった。」
    −−「戦争と一人の女」より


    それから、殆どの作品で女性が登場するのですが、この女性たちが思わず疑問を抱いてしまうような人物です。
    坂口安吾の人生と、女性との関係を知りたくなりました。

    なんとなく、全体的に太宰治を彷彿とさせるなあと思ったら、太宰も坂口も無頼派だったんですね。何にしろ苦手です。

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著者プロフィール

1906年、新潟生まれ。評論家、小説家。おもな著作に『風博士』『堕落論』『白痴』など。1955年没。

「2019年 『復員殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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